森口奈緒美 MORIGUCHI Naomi (“森音”)

自閉症当事者。不登校経験者。現在は高齢ひきこもり。 1975年より当事者として日本社会…

森口奈緒美 MORIGUCHI Naomi (“森音”)

自閉症当事者。不登校経験者。現在は高齢ひきこもり。 1975年より当事者として日本社会に声を上げ、2020年まで活動。 日本人自閉症者による初の単著の手記『変光星』は累計一万三千部完売御礼。 漫画『この星のぬくもり』取材協力。著書4冊、音楽アルバム1巻(オムニバス)あり。

最近の記事

危険なタスク。

 わたしが中学生のときの日直当番のことについては、第一作目の手記(拙著『変光星 ある自閉症者の少女期の回想』pp.286-289@遠見書房版)にも書いたが、いまだにわたしには、あの時、どういう行動をするべきだったのかが判らない。  日直当番は校則によればクラスメートの退出を見届けてから、その後、教室の窓を閉め、明かりを消してから帰ることになっている。  でも、たまたまわたしが日直当番だったその日には、いじめの常連の男子生徒たちが多数、教室に居残った。  そして彼らは窓に沿っ

    • 欺瞞的なタイトル。

      『「ひきこもり」の30年を振り返る』という本(ブックレット)がある。  読んでいないからこの記事はレビューではなく、タイトルに対する突っ込みであることを最初にお断りしておく。  この本の発刊は2023年8月である。  つまり、この本が出た30年前は1993年、ちょうど私が不登校業界の大ボスと喧嘩して※不登校界隈を追い出された年だ。  もしその本が1993年以前のことに言及してしまったら、当時の不登校業界が、今でいう大人のひきこもりと対立し、排除していた現実が、白日の下に晒

      • 49%の努力。

         最近はそうでもないようだが、少なくともわたしの知る限り、  今までこの世の中ではどこでも(特に学校)、 「友達を作りなさい」 「仲良くしなさい」  などと圧力を掛けられてきた。  しかし、自分の持ち分と相手の持ち分はフィフティ・フィフティ、対等である。  だから、友達を作る努力は、どう頑張ってみても、こっちの持ち分である50%を超えることはない。  残り50%は相手の分である。  実際には、自分はカンペキではないから、努力できるのは、持ち分50%全部ということはなく、

        • 障害者にとって不登校支援者が向かない理由。その②

           なぜ、学校で頑張って力尽きた自閉症者にとって、不登校支援者はマズイのか?(理由その2)  それは、コミュニケーションスキルの難易度が超絶高いからである。  ここら辺は、自閉症だから苦労するというだけでなく、健常者であっても苦労するところだと思う。  まず、彼ら(わたしの出会った)不登校支援者は一方的に話す。  こちらが意志を伝えるまえ、話し終えるまえに、こちらの話をカタコトだけで断ち切って、ワカッタ振りして、早とちりして、延々と話す。  そしてそれが、1hでも2hでも3

          障害者にとって不登校支援者が向かない理由。その①

           なぜ、学校で頑張って力尽きた自閉症者にとって、不登校支援者はマズイのか?(理由その1)  それは、今まで頑張って努力してきたことを、頭ごなしに決め付けられ、完全否定されてしまうから。  今の時代はまた違うかもだが、かつて昭和の時代に、普通学級・普通科高校に通うしかなかった自閉症者は、学校という場では、何の指導も支援もないまま、常に、自分の力というものが、極限まで試された。  いじめに耐えなければいけないこととか、  そんななか、みんなと仲良くしなければいけないだとか、

          障害者にとって不登校支援者が向かない理由。その①

          いじめの後遺症。

           いじめの被害者への対応は、もっぱらメンタル的な側面ばかりが注目されがちなのだが、わたしの経験からだと、いじめられることの影響は、↑に書いたように、まず、身体症状が先に出たように思う。  幻覚や幻聴などのメンタルな症状が顕著になっていくのは、それから4~5年ぐらい経った後だ。  で、いじめられることから来る影響は、わたしの場合、まず、身体面に出たから、当然、お医者さんのところに行く。  具体的な症状はというと、先に引用した以外にも、頭、とくに脳天や首筋や肩や目の奥が痛くて張

          ヘイトスピーチ。

           最近、日本国内の某マイノリティが日本人のデモ隊に向かって 「日本人シね!」 「精神病院行け!」  と拡声器で言ったとか、言わないとか、情報が錯綜してハッキリしたことは判らない(紛らわしい情報が拡散するということは、知られたら余程、マズいことなのだろう)けど、  もし事実なら、日本人に対する、そして精神障がい者に対する立派なヘイトであり、差別発言だと思う。  で、前者(「日本人シね!」)について怒る人は多いのだけど、後者、つまり「精神病院行け」に怒る人は、前者ほど多くな

          元隣人から聞いた物騒な話にまつわる件。

           今から26年前、わたしは当時住んでいたところの近所の人間から、とても物騒な話を聞いた。  聞いた話なので本当なのかどうかは判らない。  でも、非常に恐ろしい話だった(その人の言う通りにしないと〇されるとのことだった)ので、わたしの正気を失わせ、恐怖に落とし込むには十分すぎる話だった。  問題なのは、その人から脅されて狼狽し、その言いなりになっていたときのわたしの振る舞いを見ていた、“物騒な団体”(わたしを〇しに来ようとしていたとされる団体)の人たち(と、その繋がりと思われ

          元隣人から聞いた物騒な話にまつわる件。

          マスコミ取材を受ける際の危険性。

           どこの放送局とは敢えて言わないが、その昔(1999)、わたしが某公共放送のある番組から取材を受けたことについては、拙著『自閉女(ジヘジョ)の冒険』のpp.167-170に書いた。  で、当時、取材を受けた際に思ったのは、  取材というのは8時間やって、そのうち使われるビデオは数分足らずで、さらに本人のコメントはほんの数秒程度のカタコト。  つまり、発言また発信の手段としては、極めて非効率なものだということ。  しかも、本の著者として出演しているにも関わらず、できあがった

          マスコミ取材を受ける際の危険性。

          ゲスが日本を支配している。

          なぜか今の日本は、人格もない、人徳もない、人間性もない、独創性もない、情熱もない、拝金主義のゲスどもによって日本の要所要所を押さえられてしまった。 なぜ、そんな人たちが日本のリーダーになったのか。 この国の人選基準、人材の選出システムに、なにか重大な瑕疵があったとしか考えられない。 例えば、この記事 や この記事 でも書いたように、いじめをやっている人がこの国で出世し、目立った立場を得ているということなのだと思う。 この国にはリーダーがいない。本来、リーダーになってはい

          ゲスが日本を支配している。

          社会参加はチャレンジだ。

          何かしようとすれば、問題は起きる。 摩擦がなければ、車は走れない。 抵抗がなければ、飛行機は飛べない。 頑張れば頑張るほど、トラブルに見舞われる。 実績を出せば出すほど、憎悪される。 いわば、トラブルが起きるということは、果敢に物事に挑んでいる証。 でも世の中は、《トラブルが起きた(“起こした”)》ことばかりに注視し、その背後にある頑張りや努力を観ようとしない。 私が“起こしてきた”(巻き込まれた)トラブルの事例については、3冊の手記にたくさん書いてきたから、具体的には端

          マスコミと不登校・ひきこもり業界の癒着と欺瞞。

           1970年代の相談の場や電話相談は、大概どこも「いじめられる側が悪い」という考えの持ち主がやっていたから、学校でいじめに遭った人がそういうところに相談しても、大抵は絶望させられ、打ちのめされるだけでしかなかった。  で、そのような虚しい現実の中、わたしは相談の際に“発言”を始めざるを得なかったことは、手記にも書いた通りだ。(拙著『変光星 ある自閉症者の少女期の回想』@遠見書房版pp.192-197)  もちろん学生なので受験勉強をしなければならないから、発言活動だけに取り

          マスコミと不登校・ひきこもり業界の癒着と欺瞞。

          感覚過敏とセクハラ。

           もう誰も38年前のことなど覚えている人はいないと思うから書くが、↑もし今の時代なら確実にセクハラで訴えることのできる案件だと思う。  だがその案件のあった1985-1986年にあって、果たして「セクハラ」という言葉があったかどうかすらも怪しい。(下記「追記」を参照)  当時、私を含む参加者たちはその音楽イベントで主催者から、「参加者どうしで仲間や友達や交友関係を増やすように」という意味のことを言われていたから、私としてもその言葉の通りであろうと、懸命に努力した。  しかし、

          いじめられている君へ。君は王様。

          「〇〇菌」と呼ばれている君に。 以下、おためごかしで気休めかもしれないが、 実は、日本語の「菌」と、英語の“king”は、発音が同じ。 なので、君が人から、 「〇〇菌」と言われたら、 思いの中で、 「〇〇 KING」と脳内変換してやる。 つまり、君は王様なのだ。君主なのだ、と。 (2023.10.18) #いじめ #中傷 #励まし #学校 #差別 #人間関係 #いじめ問題

          いじめられている君へ。君は王様。

          “障害者はズルい”。

          もし、上記の引用にある「障害者はズルい」という発言を正確にモジるなら、「健常者はズルい」です。 例えば、こんな風に↓。(過去記事)  このように、障害者にとってできることがあるからといって、それが本人の利益になるとは限らず、むしろ罠に嵌(は)められる切っ掛けになる場合もある。  こんな風に障害者はなまじできることや得意なことがあるために、むしろ不利益を被る場合もある。  そうでなくとも、今まで障害者(や、健常者でもない人)は、アートの世界でも除け者にされてきた。  例えば

          無慈悲な日本。(ほとんど愚痴です)

           もし、いじめそのものをなくせないのなら、せめて、いじめの予後ケアを改善できないのかとも思っているが、それもどうやら、この国では望めないものらしい。  どうしてこの国の人は、いじめ被害者に寄り添うことができないのかなと思う。  もし、この国の支援者の中に、寄り添う支援者を見出すことができていたなら、私はもっと元気になれていたと思う。  でも、少なくとも私が探し求めたなかで出会ってきた支援のなかで、寄り添う支援者は皆無に近く、そのほとんどは、相談者を頭ごなしに疑い、いじめで苦

          無慈悲な日本。(ほとんど愚痴です)