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    • 他県に行った

       他県に行きました。 ・A寺:駅から入山まで15mおきにこんにゃくが売られている ・B寺:駅の徒歩圏になく、歩いてたら自分に酔って気持ちよくなってきた / 麓からの歩きのルートが草に覆われぎみでこれまたよかった (徒歩層が来なすぎて駐車場以前がスルーされているか) オコジョとキジに会った / 山道に一人だと人の痕跡を残したくなるもので 路上のお賽銭にはそういう効果もあるのかも ・聖域の敷居  無人の小さめのお堂を参っていたら 一般信者らしき人が畳に上がって祈祷を始めるので

      • 村のし

        一  夜。戸のすき間に、何かが駆け抜けていく。 「コヤーン……コヤン……」  空に何筋も尾を引くのは、きらめく髪。弓弼の失った制空権を、新手が握ったか。 「んふ。毎晩毎晩、うっせ……」くつくつと、娘の声。 「うーん寝つかれね。田畑は大丈夫だすべか」家の者のうち、老婦が聞いた。 「太平ならでは。いよいよには、俺が出向く。寝よ」僧は言った。思い思いに、また寝入っていく。  遠い話し声。 「……困ったのがおらたち、居残った者さ。シナズだらけで、何ともならね。おらは、言うだ

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        • 心を鬼とせよ

           八華拳道場、修行の庭。まさに今、卒業試験が行われていた。一人の弟子の門出に立ちふさがる、四人の師範代。 「わかりません……っ!」弟子は音を上げるが、「心を鬼とせよ。それでわかる」見守る師匠が許さない。  連打の熱血漢。技の美丈夫。石頭の料理人。鶴紋様の脚使い。弟子は苦悩する。 「ムリだ。どの方にも、殺気など……見えない!」 「うーん」師匠は腕組みを解く。「君やっぱ優しいのがなあ。いいやもう、合格ね」 「えっ。隠れた刺客とは一体……?」「そうねー。正解は」皆が構えを解く。

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        • 不死野さばる
          10本
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        • 日記や随筆
          20本
        • 創作(逆噴射)
          12本
        • 二次創作
          6本
        • 感想や評論
          11本
        • 創作
          5本

        記事

          禁視域

           絵画理論では、物の中身まで描写する。赤目のうさぎがいるのは?その奥の血の色が透けて見えるからで、出血している訳ではない。人の視覚が表面だと思っているものは、すでに多層だ。その様子を写し取れないと、良い絵にならない。  3DCGでは、表面より内側は作られない。ペットゲームに出てくるうさぎの、毛皮を剥いだりする?うさぎの体内には、ただ虚無が入っている。概念化された身体機能や、物理演算の為の数値は持つが、視覚化されない。見えない部分にコストは払えない。  プラモデル――これは

          無日記 (2023/4/3~2024/1/1)

          ◎誤解は防げたという誤解  私信は分けたいという私信  抱負のすっぽかしについて抱負 (2024/1/1) ・現状、鬼滅は未読だ。つまり、読んで嫌いになってはいないし、読んで好きになってもいない。好き嫌いどちらにもたどり着いていない。読むと面白いのだろうが、書き途中のお話が引っ張られそうだから遠ざけてある (ウソ。機を逸したのが9割)。書き終わったら読む。約束する。  水星は半分だけ見た。完結後に見始めて、「これ今見たらカンペじゃないか?」と感じ、遠ざけた (ウソ。進捗を出

          無日記 (2023/4/3~2024/1/1)

          制作日記

          ◎進捗ステータス (最終更新'24/6/24) 1:完 2:完 3:完 4:ほぼ完 5:書き途中 ◎おわびその2 (更新終了'24/1/18) リンク (再発防止が不十分だったので今後気をつける旨) ◎おわび (更新終了'23/11/16)  まず、バカみてえにチンタラしていてごめんなさい。  そのうえにデータをうっかり消してしまい、サルベージ不可能でした。(想像にお任せしますが、単に誤操作、というのが自分側の認識です)  この日付以後は、未完成部分を埋めつ

          じごく湯(7,8,9,10)

          七  千手教の補給係たちは、何度も矢を運び上げる。無謀な僧一人が大量の矢を撃たせていた。補給係たちは、こぼれる矢も気にならない。  裏門前。「もし」「何だ。いや何だって良え!」補給係は無視しようとする。 「この模様は何の事だべ?」  相手の手に、矢。矢の刻印について聞きたいらしい。 「はあ!?新入りは、そっつら事も知んねのか!」「印見るだけで、誰の手柄だか、ハッキリするべさ。お前の所では、長老から何を習った?」補給係たちは無知をせせら笑ってから、「そのお印は、弓弼様の

          じごく湯(7,8,9,10)

          じごく湯(4,5,6)

          四  山寺の庭で、坊主は池の中をすくう。池には鯎たちが泳いでいる。坊主は網を伸ばして、一匹を捕まえた。大僧から命じられ、坊主は別の池に運ぶ。  その池にも同じ魚が泳いでいるが、異様に太り、鱗は剥げ落ちている。坊主が生け捕りの魚をあけると、盛んに水しぶきが立った。食っていた。同族を。  坊主と同年の修行仲間たちは、肩を寄せ合ってこれを見た。  大僧がそれぞれの池を指して言う。 「先の池には、生きたうぐい。後の池には、不死のうぐい。そして」  大僧はとある包みを、坊主たち

          じごく湯(4,5,6)

          じごく湯(1,2,3)

          一  林に木の葉が舞う。その中で僧が構えている。僧の両手が、短杖を振り下ろす。ぴしり。葉が打たれる。杖は最後まで振り抜かれることなく、止まる。一連の動きを、僧は繰り返す。その足運びは重く、間合いは狭い。 「まーた、ほっつき歩いとる」  娘が林に入ってきて、僧に声をかけた。 「目付けをするおらの身にも、なってけれ。じっとしてねば、傷だって塞がりようがね」  娘が言った。娘は岩に腰を上げ、手元の竹材をいじる。  僧が答えを返す。 「俺は人より丈夫じゃ。膿まず、爛れず、病に

          無日記 (2022/11/13~2023/03/12)

          ・①参加賞 ②リーダーシップ人 ③空中分解 ④RPG禁止 ⑤飛空 ④:中学受験で、いくらか高望みをしていた。そこの学祭見学に行って、SFC実機RTA走者とかTRPGリプレイ本とかのカオスを目撃し、心惹かれたからだ。結局そこには落ちた。まあこれはもう引きずっていない。 ①:中学でA部に入り、ずっとBを作ろうとしていた。部活はAをメインに作る部活であり、Aの片手間にBも作れてしまう人はいたものの、Bをやる場所ではなかった。  入部後数年間は師弟制度に組み入れられる。中二の時、自分

          無日記 (2022/11/13~2023/03/12)

          オーバーディフュージョン(2)

           小説「ニンジャスレイヤー」が作中人物「マスラダ」のイメージイラストを募集していたので、stable diffusionで生成してみた。が、あんま納得いくのができなかった。俺にはマスラダ生成力が不足している ↑ 最後に使ったprompt ↓ This is cyberpunk ninja action. Male youthful asian touches on ground. He is so wounded, but he still breathes like a

          オーバーディフュージョン(2)

          オーバーディフュージョン

          小説「ニンジャスレイヤー」が作中人物「コトブキ」のイメージイラストを募集しており、AI作画でも可だったので、Stable Diffusionのtext2imgを振りまくって提出しました で 「なんかイメージと離れすぎてるけどキャラは立っているんだよな」という用途不明の在庫ができたので、放出しておきます 以上 所感 〇prompt指定 ・最初は「near-future park(近未来の公園)」に居ることにしてたけど、拳法とのかけ合わせで「太極拳をしてる年輩者」率が高か

          オーバーディフュージョン

          制作日記

          (最終更新:2024/03/19) ◎全体 ・全五話構成を予定 (初戦・中ボス・中ボス・休憩・大ボス) のろのろ書いてく ・今回は魔法禁止 サ●スケみたいな疑似科学はOK 敵側がやるのも怪異なのでOK ・主人公は妖怪を殺しに来た以上のバックボーンはたぶん出ない 恋愛もしない 逆ど●ろろなので肉体が欠けていく たぶん死なない ・歴史も古語も方言も適当なので適当に受け取ってくれ 一応時代は中世を 方言はちょい前ぐらいの関東~東北を意識しています 方言理解は浅いし、古語方

          川下り

          前半 ―――――  くらげは箸を取り落とした。くらげの左の手が、震えている。家主の村人が、助けに入ろうとする。 「それには及ばぬ」  くらげは家主を止め、己で箸を拾った。  横でお花が、くらげに問いかける。 「な。そっちの手は、何した」  お花が言うのは、くらげの右腕だ。茶碗を支えているその腕は、生身のようでいて、違う。肌には木目が入り、肩と肘の中間で、そでが膨らんでいる。茶碗を持つ時は、左の手で、手首を回したり指を折って、持たせていた。右手で箸を使おうとはしない。  

          はざまの村

           旅人が着いた村は、既にして荒れ果てていた。  方々に、雑草の根付いた屋根があった。ねじ切られた、一艘の小舟があった。足の踏み場もないほどに矢が突き立ち、針山地獄の様相となった一画があった。全てが薙ぎ倒され、ぺしゃんこになった一帯があった。言葉に尽くせぬ破壊痕が、至る所にあった。  東の地平に目を向ければ、黒い城。不吉な雲に巻かれ、そびえ立っている。あたりの荒廃の一因であろうことは、疑いようもない。  旅人は人気のする家を見つけた。話し声は、大勢の者が差し迫った議論をして