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手のひらの砂漠

程よくネタバレ気にせずに記しているので、ネタバレに関してはご自身の判断でお願いいたします

大好きな唯川恵先生の大好きな作品のひとつ


たまにスカッとスッキリとホロっと泣きたくなる時に最適な一冊

さぁここからネタバレ全開でいきましょう

シェルター

可穂子は普通に幸せを求めていた
雄二と慎ましくも極々ありきたりな生活を求めていた
ただそれだけだったのに、いつからか歯車が狂った

徐々に闇が広がっていく
束縛は愛なのか
服従は愛なのか

どうして逃げなかったのか
逃げられなかった
判断能力、決断力、共依存の世界

やっと逃げられた
そこでも家族にも信じてもらえない悲しい現実

ファーム

シェルターに逃げてから知ったファームでの裕ママの元での農業自給自足生活
同じ境遇の人たちが集まって助け合う優しい世界

そこに由樹が来たことによって、女としての狡猾さも出てみんなをかき回す
裕ママの悲しい過去、そして報復
報われたと思う

ベーカリー

新たな世界
小麦粉、卵アレルギーの杏奈ちゃんとシンパパの伊原さんとの出逢い
これで可穂子も報われる?と思ったら再び雄二参上
諦めない、しつこい、陰湿な男

まさか杏奈ちゃんに危害を加えるとはどこまでも最低な男だよ

逃げかもしれないけれど、伊原親子を守るために、ファームに戻ることを決めた可穂子

ホーム

裕ママ乳がんで緩和治療で穏やかに最期を迎える
後悔していることは娘を守れなかったことと、刑務所に入ったこと
殺したことは後悔していないことを暗に伝える裕ママの可穂子への想い

米粉パンが好評でHPに勝手に掲載
誰も悪い事じゃないと思っても、それが困る人たちがいる

そして見つかった
雄二再び登場

そのまま東京に戻る可穂子に周りは理解出来ない
可穂子には考えがあった

そしてついに豹変した雄二にやっぱり感
そこで死闘が繰り広げられて、やっと可穂子も報われる時が来た

伊原家の住む田舎へ向かう可穂子

そこには杏奈は笑顔で手をつないでいる女性
そう、出て行った杏奈の母
伊原はよりを戻した

なんかそこに人間味を感じた
待っていると言っていたけれど、そこに絶対なんてない

手のひらの砂漠

手のひらから幸せがサラサラとこぼれ落ちていく

やっと雄二から逃げられた
伊原家族と新しい家族になって幸せを掴もう
また雄二が現れて伊原家族も巻き添えにする
雄二を退治した可穂子は伊原家族のもとに
すでに伊原家は再生していた

掴みそうで掴めない幸せ
幸せってなんだろう

最後の最後にハッピーエンド!ではないのが唯川恵作品の好きなところ

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