見出し画像

教えてくれて、ありがとう

【わたしの怒りを鎮めてくれた本】

新聞やテレビで取り上げない多くのニュース。
知らなくても何となく生活できて、
気付いた時にはすでに環境が少しずつ変わっていたような出来事。

TPPの強行採決、種子法の廃止、水道民営化などについて、今朝夫と話していました。

これからどうなる?

今後の生活や自然環境を想像すると
漠然とした不安や禍々しい気持ちでいっぱいになり、
同時にいいしれぬ怒りも込み上げてきました。

食の支配、水の支配、自然をコントロールしようとすることは、
自らの生命をおびやかすことにもつながるというのに。

胸の中で怒りの黒い渦が巻いていたその時、
目の前にある一冊の本をふと手に取りました。

『不食という生き方』秋山佳胤

すでに読んだ本ですが、なぜかその中に答えがあるような気がしてページをめくります。

そしてあるページにこう書かれていました。

"怒りの奴隷になると 他が見えなくなる"

わたしは、その部分を何度もくり返し読みました。

争いというエネルギーは、怒りの感情から生まれます。
(中略)

弁護士の多くが正義感にあふれていますが、
権力者や彼らを取り巻く大企業などの犯罪が明らかになるたび、
私も「あんな奴らなんて、さっさといなくなればいい」と心の中で叫んでいました。(中略)

でも、不食を始めてプラーナで生きるようになると、少しずつ、考え方や見方が変わり始めました。
それまでは、単に消えてしまえと怒っていましたが、そうではなく
「彼らはどうして、そんなことをするのか?」
と考えるようになりました。

周囲が驚くほど怒りが消え、冷静に状況を見るようになったのです。
そしてある日、わかりました。

怒っていた私自身が「怒りの奴隷」となっていたことを。

自分が強い恐怖に支配されていた事実がわかると同時に、
私が怒りの対象としていた権力者や大企業も、
実は強い恐怖に支配されていることを理解しました。

おたがいが、恐怖に包まれていたのです。

私が持っていた怒りや恐怖は、
その対象だった彼らの恐怖を増大するエネルギーとなっていた事実も知りました。
恐怖に包まれると、自分以外のことを考える余裕がありません。
まして相手の立場になって想像するなど、
まったくできなくなります。
何かを知って怒る、批判する、
これはたやすいこと。
恐怖に支配されるのは誰にでもできます。
でも、そこで冷静に考えてみる。
どうしてそんな状況なのかと。

そして思い出してください。
みんな「つながっている」という事実を。

私は今、かつて怒りの対象だった彼らにも愛を送っています。

わたしはこの文章を読んで、怒りを鎮め、
冷静になることができました。

怒りの背景に、自分がまだ見ぬ未来への恐怖を設定し、感じていたことも自覚できました。

この本の著者のように、
不食(水も食べ物も摂取しないこと)や
少食を実践される方の言葉の中には、
時にハッとさせられる気づきがあります。

そして、人間は食べないと死ぬ、
水を飲まないと死ぬ、という教えが
あくまで固定観念であるという事実を
生きる証人として伝えてくれているようにも思えます。

人間の可能性って、わたしが想像するより
もっとすごいものかもしれない…

著者の秋山弁護士を始め、不食、少食実践者のメッセージには、未来への希望を感じさせる何かがあります。

わたしも、いつか怒りの対象に愛を送ることができるかな…?

それができるようになる頃には、
わたしも"人生の達人"の仲間入りをしていることでしょう。

***

◆こちらもおすすめです

『食べない人たち (「不食」が人を健康にする)』
秋山佳胤・森美智代・山田鷹夫

『食べない、死なない、争わない(人生はすべて思いどおり--伝説の元裁判官の生きる知恵)』
稲葉 耶季