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短歌一首「冬や来ませる」

令和四年十一月二十九日
 朝の日が昇るのもだいぶ遅れてくるようになった。家を出る時刻は変わりないのに、外はぼんやり薄明るい。走る車はヘッドライトを点灯させていることもあるほどだ。道端の草に足を擦らせると、冷んやりとして目を覚まさせた。大きく息を吐く。朝の空気は白く染まる。近くを散歩する老人も、道を急ぐ小学生も、等しくみな喫煙者のようだ。

草はらをゆけば霜降る裾ありてながくほどけぬ冬や来ませる

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