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うつら目覚めたら、まだ眠い 時計は日曜午前七時 迷わず目蓋が抱きしめあつて また本日も朝は…
命はいつか失はれる。そんなことは知り尽くしてゐたはずなのに、心はいつまで経つても霽れな…
降りはじめた雪の一抹が 君の長い睫毛にかかれば 解けて流れてやがては 君の涙となるだらう …
朝日に目が覚め僕は気づいた まうひとりになつてしまつた 涙のやうな軒先の垂水は 凍つて時が…
ただに急ぎし道の彼方に なにかを置いてきてしまつた。 背中に君がゐると思つて ふりかへれば…
澄み渡る蒼天井 色づく稜線さへ 僕の見る目に死んでゐた 六月の灰 アスファルトをたたく雨音…
いままさに雨が降ったんだ 君の前では涙など 見せたことはなかったよね 昼下がりの窓辺で 淀んだ空の匂いを感じて 君が僕の代わりに泣いてくれたんだと思った そう思うことにしたんだ 雨に打たれ 花が散って また春がひとつ終わった 夏を前にこの雨が来たんだ 春の名残りを洗って洗って ひどいくらいの花流し 綺麗になった思い出は 空っぽになったんだ 今日まさに雨が降ったんだ 君なんて居なきゃ良かった 足許にからみつく花を 踏むも掬うもできなかった 徒然と煙草くわえて軒下で 雨止みを
愛するものが死んだ時には、 自殺しなけあなりません。 しかし同んなじ自殺をしたんじあ それ…
ふと見るけふの朝陽は、本当に温かかつた。 窓辺にゐる私の身体を優しく包み込むそれは、 まう…
またもや違ふ秋が来る 変はり始める山の彩り 指先から伝ふ風の冷たさ 思ひ出されるあの日々と …
亡くしてから君のゐない日はない 青空に雨の降り続くやうに ふと君のことが思ひ出される 僕だ…
あの空と同じ色の布を纏って 誰もいない屋上に立てば 僕は空になれるだろうか もしもここから…
君の手の温もり余は知らぬ 知らぬまま、君逝きぬ 形なき文字と電波の世界のうちで 余と君は繋…