人生最後の春休み 再び広島へ
そういえば、今年は人生最後の夏休みだった。
夏休みのときはまだ大学院に進む予定だった。あと2年、学生生活が残されていた。大学院生は夏休みも研究なので、夏休みと言っても1週間程度ととても短い。でも夏休みがあることは約束されていた。
何かしたい
なんとかしなきゃ
そんな思いを持って行った広島旅
よかった、このとき旅していて。これがなかったら学生生活が終わることに後悔していたかもしれない。
あの夏、明るく人生に絶望していた。
自分ならたぶんなんとかなるけど、ここに居続けると私は私で無くなってしまうんだろうなって思っていて、そんな未来がくることが嫌だった。
お金もなければ、夏休みも9~10日程度と時間もない。
夏休み期間も5日前くらいに決まったかな。
そんな状況で準備も含めて夏休みの80%くらいを広島旅に費やした。ただ衝動に駆られたから。全てが万全だった訳では無い。観光地は厳島神社と原爆ドームくらいしか知らない。レモンが有名だったかな。尾道って広島だっけ?その程度の知識。特段、厳島神社には行きたいけれど他は全然分からない。自分の心と体調も万全ではない。
そんな弾丸で行った広島旅で変わった。
旅して何かが変わるなんて思ってもみなかった。
ただ、広島を巡っただけ。6日間、そこに居ただけ。
何かを得たわけでも失った訳でもない。
私自身も何も変わってない。周りの環境も行く前も帰った後も変わることは無い。
それでも私は変わったのだ。
あの時、確かに動き出したんだ。
広島を地元にしたいと思った。
でも、それ以上にこんなに素晴らしい場所を知らなかったこと・行かなかったことに後悔した。
そこから “外の世界を知りたい” と思った。
だから、帰ってたくさんの人と話した。人と話すこと、誰かの考えを得ることに時間を使った。誰かと話すことは “私の知らない世界を知る” ことに繋がると思ったから。
これが私の原動力の全てだと思う。
その結果がきっと今の私で、未来の私でもあると思う。
一生忘れられない夏休みが人生最後の夏休み
なんて素敵な夏だったんだろう
帰ってからも目を閉じれば思い出す
あの景色と感動を。
また行きたい
何度、そう思ったことか。
一度知ってしまったから、「次は行ったことない竹原に行きたい」とか「干潮の鳥居まで歩きたい」「牡蠣を飽きるほど食べたい」と願望まで出てきてしまう。
何度も写真を見返した。
何度も次への想いを馳せた。
そしてその “次” を人生最後の春休みに実行してしまおうと思う。
私の1番好きな季節は春
洋服がカラフルでかわいい
桜が好き
綺麗で儚い、その脆さに惹かれてしまう
花粉は辛いけれどいちごが美味しい
別れと出会いの季節にさみしいけれどわくわくする
毎年春が楽しみだった。桜の写真は毎年たくさん撮る。でも、去年のさくらは1枚も無い。去年は次の春がくることがとても怖かったから。専攻を変えて大学院に進むことを目指していたあのとき、とにかく苦しくて辛くてしんどかった。春に期待も希望もなかった。
だから今年は、とてつもなく春が楽しみなのだ。
そんな春を好きな場所で過ごしたい。
春の尾道に行きたい
あそこが桜でいっぱいなの、絶対綺麗なんだよな。春は絶対尾道一択。そう思った。
高台から桜の木が見下ろせるのかな
千光寺はどう変わっているんだろう
さくらの散る坂道はなんて素敵なんだろう
こんなにも春が楽しみなのはいつぶりだろうか
2ヶ月後、私は春の尾道にいる、はず。
その時を夢見て、今日からまた広島に想いを馳せる。
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