私には耐えられません
高校3年生の夏、とうとう部活中に過呼吸を起こして倒れたことがあった。その日まで学校に行く時、電車の中で、何度かストレスで過呼吸を起こしかけたことがあった。寝る前の布団の中で過呼吸を起こして死にそうな思いをしたこともあった。それがはじめて、“敵” の前で現れた時にはもう手遅れだったんだと思う。
人間関係、責任、実力
吹奏楽の世界はすごい。実力によって人間関係ができ上がる。部内のコンクールメンバーのオーディションで私はメンバーになり、とあるクラスメイトは落ちた。その日まで毎日私に話しかけ続けたその子も、その日を境に私を拒絶し、さらに私は陰口を言われるようになった。同じ楽器の相棒は私に全責任を押してけた。後輩の面倒も全く見なくなって放棄した。
そんな実力と人間関係、そしてメンバーや役職といった責任に耐えきれなくなった。
過呼吸で倒れた。その後もコンクールのために練習に行かされ続けた。ボロボロの状態で生かされ続けた。もう死にたかった。夕方の帰路、夏の綺麗な夕日が憎かった。毎日「死にたい」って思ってた。道路では「飛び込んだら死ねるかな」と思った。迷惑かけずに死ぬ方法も調べた。死ぬより消えたかった。私という人間の記憶を皆の中から消したかった。
でも私は結局「死にたい」気持ちよりも「死ぬ恐怖」が上回ったおかげで今日もこうやって生きている。
あの日の出来事から吹っ切れたつもりだ。普通の生活をなんとか送るのに1ヶ月、でも大学受験の夏は復帰することに費やし、その後も勉強してても想起されて手が付かないことも多く浪人した。浪人の1年も、特に夏は苦しかった。勉強の結果はかなり出ていたが、昨年の出来事を思い出す度に過呼吸を起こしそうになった。いや、過呼吸を起こしていた。大学生になって忙しさに紛れるも、時々過呼吸を起こしかねない時もあった。でも4年生になって、彼と出会って、その出来事から吹っ切れた気がした。彼に話したことはあったけどそれでも表面をなんとなくだ。特段なにか言ったり聞いたわけじゃない。ただ話した。それだけ。この出来事に限らず、彼と話すようになってから、なんとなくあの時の自分の心情や周りの人、置かれた状況なんかを見渡して、なんとなく吹っ切れた気がした。そして学んだ。
あの夏は、ただひたすらに “耐え続ける” ことしかできなかった。毎日、その日が終わるのをただ待った。コンクールが終わるのを待った。地獄のような日々が終わる日を今か今かと、ただ待ち続けた。
それも良くないと知った。“耐える” という表現を使っている時点で、きっとそのことを続けることはできない。できたとて、こうやって自分を苦しめ続けるだけだ。
◇◆◇
社会人3日目のお昼休み
トイレの中で泣いた。30分くらい篭っていた。
午前終わり間際「うるさい!もうかけてくるな!」とおじさんに怒鳴られた。それがきっかけだった。
私だってやりたくてやってるわけじゃない
でも、1年目のしかもまだ3日目だ。
今はただ、時が来るのを待って耐えるしかない。
意味わかんない風習にも、毎朝の無駄に早く出てする掃除も、1週目から残業させられることも。
そう思った。数ヶ月もすれば商談にいけるようになるはずだし、こうやって怒鳴られるのにも慣れるはずだ。だから、慣れるまでの辛抱だと思った。
いや、本当にそうだろうか?
怒鳴られるのに慣れるものなの?
慣れていいものなの?
そもそも、営業とその後の処理を別々の人が行うのは信頼問題として如何なものか。テレアポはいつまで続けないといけないのか。1日中テレアポして一体私の何が成長しているのか。「ありがとうございます!」「大変失礼致しました。」「改めてご連絡致します。」この3つを繰り返しているだけじゃないか。成長も何も、クソもない。
その週の日曜日の朝、ふとこうやって高校3年生の夏のことを思い出した。そして今の私はあの日に片足突っ込んでいるのではないかと思った。私はこれにどれだけ耐えられるのだろうか。数ヶ月で本当に商談に入れるのだろうか。商談だって1つ上の先輩も失注が多い。断られるばかりだ。1か月前中途で入った人はまだテレアポしかやってない。
それはたぶん無理だ。
私としては珍しく、上司も同期もいい人が多いと思う。人間関係に恵まれてこなかった私としてはこれ以上のことは無い。
でも、
毎日謎の朝礼・昼礼・終礼
毎日出社前に目標の宣言を投稿
社会人1週目から1時間の残業
結局1週目は30分〜1時間の残業は毎日だった
朝9:30スタートのはずが、9:15出社で15分間毎日掃除
土日休みのはずが4/27土曜日は出社
その後も月1出社がある
これは紛れもなく、かの有名なブラック企業ではないか。
それに加え、私は内定を頂いたときとは違う部署に、入社一ヶ月前に配属が決まった。営業方法も、そして当たり前に商材もちがう。私はインバウンド営業で理系が生かせる内容だから承諾したのに、入社一ヶ月前に変更になった。いきなりアウトバウンドのテレアポ営業だ。電話だけはやりたくなくて、コールセンタースタートの企業は一括して内定を断ったのに。内定承諾時には内定なんて有り余っていたのに、一ヶ月前では就活も間に合わない。
つまり、今の会社で今の部署で、モチベーションの欠けらも無いのだ。ここでやめても私にデメリットは職歴が怖い以外はおそらく無い。それよりも、モチベーションが無いまま続けること、耐え続けることの方が怖い。きっとこのまま続けても私は何も得られないし、成長しないし、楽しくないし、不幸になると思う。
だったらもう、辞めてしまおうか。
ボロボロになってから身を引くのでは遅いことは、もう十分すぎるほど学んだ。もう、ボロボロになりたくない。次そうなったら、本当に死んでしまいそうな気がするんだ。
じゃあ、ボロボロになる前に辞めよう。
数ヶ月持つだろうか。
いや私は冗談半分、本気半分で
初任給を手にしたら辞めようと思っている。
それまでもつかも、正直自信はない。
社会人として舐めてるなんて言わないで。
きっと合わないだけだよ。
働くのなら、私の魅力をわかってくれる人と、
自分の好きで得意な分野で働きたい。
欲張りでもなんでもない、真っ当な願いだ。
そう、信じたい。
ここまで読んでいただきありがとうございます🌷︎⸝ スキやコメント、サポートが続ける励みになっています!もしサポートいただけたら、自分へのご褒美や彼くんとの美味しいご飯に使います🍽✨️