60点母さん。子を産んだその後…
■産後2週間
赤ちゃんを産んで2週間が経とうとしている。相変わらず身体はあちこち痛むし、おっぱいは張って痛いし、おまたも痛いし、膀胱炎になって40度近い熱も出たしで。
産後の体はボロボロ。メンタルもかなりきていて、退院してからは些細なことでボロボロ泣いて夫を戸惑わせていた。
実家からの手伝いも、姉たちと違って里帰り出産もしない私にとって頼みの綱は育休を取得した夫ただ1人。
退院してからも頼りまくっているが、お互い慣れぬ育児に翻弄される日々を送っている。
□おっぱいとかミルクとか
お産で入院中に、おっぱいが痛くて気が狂いそうになった。寝ても覚めても痛い。
痛すぎて猫背になるレベル。
それでも完母にしたくて、がんばった。
足りない時はミルクも足すし2週間たってもまだ混合だけど。
母乳神話に苦しめられる妊婦さんは多そうだ。
確かに免疫をあげることができるだろうけど、常に食事に気を使ったりとストレスは計り知れない。
母乳をあげて幸せな授乳を夢みていたのに、現実は、汗だくで時に上半身裸でお乳をあげていることのほうが多いのは私の要領が悪いからなのだろうか。
母乳を頑張ってあげていたら、急にふらふらしてきて貧血気味だと気がついた。
寝不足だし、お乳は痛いし、お股も痛い。
頭痛に慣れない授乳で肩こりや腰痛まで。
正直こんな辛い思いするならミルクに切り替えて夫に託して少しでも寝られればいい。
けどそこは私の意地でもあった。
今諦めたらなんとなく後悔しそうで。
ベビーのためとゆうより、もはや私のための闘いだった。
2週間してやっと母乳が軌道に乗ってきた。
パンパンに腫れて熱も持っていたお乳もようやく吸われた分だけ作られるようになった。
まだまだ要領を得ず変わらず半裸でお乳をあげてることも少なくないけど。
こうやってひとつ、またひとつと母としての階段を登っていくのかもしれない。
■産後ケア施設へ
夫の育休の前半2週間が終わった。
そして夫は1週間仕事に行き、また後半の2週間育休へ。
その間の1週間、正直どう過ごそうか迷っていた。前半にも書いたが、私の体調がまだ軌道に乗っておらず、熱を出したり、出血が多くなったりで常に貧血気味。
なんとか心休まる場所に行きたい…。
そんな時にふと産後ケア施設が頭をよぎる。
出産した産院が大変親切で、入院中、私が里帰りも手伝いもナシに乗り切ろうとしてると知るやすぐに産後ケアの資料を持ってきてくれた。
幸い金額も市の補助がかなり手厚くて私が払うのは1割程度。
1泊2000円ちょっとで6泊までできる。
3食おやつ付き。沐浴や夜間は希望すればやってもらえる。
私の場合は、とりあえず母乳メインなので夜間も同室希望で、沐浴はお願いしている。
ご飯やおやつが出てくるし、個室だし、家事はしなくてよくてとりあえずお子のお世話だけに振り切れる。
夫は色々育休の間やってくれていたけど、毎日大量に出る洗濯物だったり、食事の支度、片付け。合間におむつを変えてくれたり、食料を買いに行ったり。私は3時間置きの授乳、おむつ。最近は魔の3週目を迎え、ひたすら抱っこマン。代わる代わる夫とあやしながらそれぞれ仮眠。
日中は寝ないで起きていることが多くなってきたのでまた大変で…。
そんなわけで夜は夫はぐっすりで…。
これだけ色々やってもらっといてあれだけど、やっぱり寝不足気味な私にとってはすやすや寝ている夫に少しはイラっとするわけで。
夫が仕事が始まる1週間、私の産褥期で調子が出ないのを理由に私はお子と産後ケア施設へ。
甘えとか1人で子育てできないとか。
うちの頭の固い両親ならきっと言うだろうな。
長ーい子育ての最初の大変な一時くらい、甘えてもいいよね。
この子をもっと愛したいし、私はこの先も夫と3人仲良く子育てしたいから。
■60点母さん
完璧で100点満点なママを目指していたわけではないけれど。
それでも、丁寧な子育てに憧れがあった。
私は四人兄姉の末っ子で小さい頃から親の愛情を独り占めできたわけではない。
姉と兄の大学、高校受験に親はピリピリしていたし、それらが落ち着いたと思えば長女が離婚して赤ちゃんを連れて帰ってきたり。
母は孫の世話でますます忙しくなり、私はほぼ祖母の部屋にこもることが多くなった。
だから、私は子供は1人で充分だなぁと身に染みて思った。
この子には寂しい思いをさせたくないと強く強く思う。
そんな思いが強くなったのは、出産してからだ。
妊娠中ほぼ母性が芽生えることなく、淡々と過ごしていたのに、いざ産むと、どこかしこに眠っていた母性がメラメラ燃えてきた。
事なかれ主義で平和第一の私は大抵のことはおおらかに譲れる。
夫との些細な言い争いですらすぐに受け入れる器の大きな人間だと思う。
だがお子が生まれてからは、断固夫に譲りたくないものが増えた。
夫は細かい性格ですぐに調べて実行に移す。
それらを強制されると、私には私のやり方があるとつい言ってしまう。
そうしたやり取りの数々は産後すでに幾度となく行われてきた。
どちらもお子を思ってのことなのでなんとも言えない。
授乳は私にしかできないお子を生かす手段だ。
沐浴は手が大きく几帳面な夫がやったほうが綺麗に洗えるので夫しかできない事だ。
子育ては親育てだとなにかで読んだ。
2人きりの生活はやはりどこか甘く柔らかな砂糖菓子のような日々であった。
3人暮らしの毎日は毎日が怒涛のように過ぎていく。
その中に、愛しさや笑顔、成長がはらんでいる。
泣いたり、笑ったり。
赤ちゃんだけじゃなくて大人だって忙しい。
いつか自分にお迎えがきて、この毎日が走馬灯のように流れるとしたら。
一瞬一瞬を大切にしなければとしみじみ思う。
綺麗で可愛くてお洒落なママじゃなくていい。
一生懸命、愛してあげたい。
100点満点じゃなくて60点くらいの母さんでありたい。
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