予期せぬ言葉やふるまいによって、人の印象は大きく変わるものです。
おはぎさんがまさにそうでした。
三笠を月に喩え、戦禍の子どもたちの飢餓を語ったおはぎさんの足下には、上っ面な善を口にする者が落ちていく危うい穴がありました。
でも、彼は踏み外しませんでした。おはぎさんは見えないロープの上に立ち、子どもたちが千切って食べられる満月を本気で支えていたのです。私はそのとき、つかみどころのない、どこに本意があるのかわからなかった支離滅裂な人に、初めて芯のある意志を見たような気がしたのです。
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\書籍化決定!/
2023年5月23日(火)発売
『寂しさから290円儲ける方法』ドリアン助川/著
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