見出し画像

『わたしの旅ブックス』シリーズ紹介 7

『わたしの旅ブックス』シリーズとは

各分野で活躍する著者が「旅」をテーマに綴る読み物シリーズ『わたしの旅ブックス』は、人生を豊かに彩る旅の魅力と醍醐味を一人でも多くの人に伝えることを目指し、紀行、エッセイ、ノンフィクションなどのジャンルで刊行しています。

7回目は、牧村朝子さん『ことばの向こうに旅をして』から、坂田ミギーさん『かわいい我には旅をさせよ ソロ旅のすすめ』/井上理津子さん『ぶらり大阪 味な店めぐり』/椎名誠さん『シルクロード・楼蘭探検隊』/山本高樹さん『旅は旨くて、時々苦い』/中井均さん『城郭研究家の全国ぶらり城めぐり』までの6冊を紹介します。




『ことばの向こうに旅をして』著/牧村朝子

愛と性、言語と異文化について書き続けてきた文筆家の牧村朝子が、カタコトの外国語でわかりあおうと奮闘する旅を綴ったエッセイ集。
言葉のその先にいる「人」がわかりたくて、カタコトの旅に出た。台湾で筆談した屋台のおかみさん、国を追われカリフォルニアで違法民泊するガール、バンコクで出会ったブチ上げガン盛りマッサージ師、治安の悪い歓楽街に降臨した、スキンヘッドにスリップドレスのバブリーなジャーナリスト――わかりあえるはずなんかない、でもやっぱり「わかりあいたい」。フランスでの国際同性結婚や、アメリカでのLGBTs取材などを経て、愛と性、言語や異文化交流のことについて書き続ける文筆家の牧村朝子がおくる、言葉、国境、文化、ジェンダー、イデオロギー、あらゆるものを飛び越えていく言語系旅エッセイ。

目次
はじめに、「言葉」と「英語」があった。 
旅立ちの前に〜 羽田と成田を間違えたけど間に合った話  
I ありがとう
カムウンのスープ ―台北、板橋、ベトナム語―  
ヘルシンキに来るつもりはなかった ―フィンランド、路面電車、ピーラッカ― 
ベッド アンド バッドガールズ ―カリフォルニア、難民、トルコ語―  
愛、チュセヨ ―ソウル、流行歌、感謝―  
 ことばコレクション 「ありがとう」  
II あいしてる
アムール・ノアール ―パリ、金子光晴、エシャンジュ―  
ソドムの交わる十字路で ―パンクロック、エディンバラ、ロンドン―  
合法の銃、適法のキス ―カリフォルニア、グランマ、レズビアンバー―  
つま、ずっとたべる、いひひ、あはは! ―日本、移民街、〝インド語〞―  
スイス百年旅行 ―パリ、ヌシャテル、中華キャベツ―  
 ことばコレクション 「あいしてる」 
III つながりたい
女性マッサージ師にしてくださいとお願い申し上げたはずだが? ―バンコク、LGBT、マッサージ―  
バブリー・ピートの手作り新聞 ―南の島、ニンジャルック、レインボー―
裸の彼の草のかんむり ―サイパン、チャモロ料理、API―
ワイラカは本当にいたんだ ―ニュージーランド、伝説、マオリ語―  
白鳥が臨終の際に歌う美しい歌、詩人の絶筆 ―ギリシャ語、イカリア島、シクラメン―  
 ことばコレクション 「つながりたい」  
おわりに

牧村朝子
1987年神奈川生まれ。タレント、文筆家。 2010年、ミス日本ファイナリスト選出を機に芸能界デビュー。モデル、テレビ出演等のタレント活動を経て、2012年に渡仏し取材、執筆活動を開始。2013年に星海社より、ジェンダー・セクシュアリティの入門書『百合のリアル』を刊行。2018年には時報出版より台湾版が刊行される。著書は他に『ハッピーエンドに殺されない』(青弓社/2018)など。現在は日本を拠点に執筆、講演、メディア出演など幅広く活動中。猫好き。

関連サイトhttps://twitter.com/makimuuuuuu?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor




『かわいい我には旅をさせよ ソロ旅のすすめ』著/坂田ミギー

「ソロ旅」に取り憑かれた旅マニアが語る、抱腹絶倒エピソード&お役立ちアイデア満載の旅エッセイ!
オランダでセックスショーを見に行ったり、おそとで全裸になってみたり、毒キノコ狩りをしてみたり…
とめどない好奇心で世界中を「ソロ旅」してきた著者が、ソロでなければ味わえない旅の楽しみを語り尽くす1冊。
ソロ旅で忘れ物をしたら?特別な体験をしたいときはどうする?ソロのときこそ自撮りをしよう!他、役立つアイデアも満載です。読んだら世界に飛び出したくなること間違いなし!

目次
はじめに
第1章 ひとり旅の醍醐味は「ひとりのさびしさ」
 ひとりっきりより、誰かと旅をするほうがむずかしい?
 盗んでないバイクで走り出す。行き先もわからぬまま。
 一緒にセックスショーにいける友だち、恋人、家族はいますか?
 毒キノコ食べて笑えるひとり旅。
 アマゾンの奥地にいけば、たいていの謎は解けるらしい
 おそとで全裸は恥ずかしい?
コラム
エクスタシーが駆け巡る! 忘れられない快感の体験ベスト3
第2章 ソロ旅のすすめ
 [旅の支度]
 ある日、気づいたら沼のなかにいた。
 課金せずとも味わえる幸せ。それが旅の計画。
 「旅は逃げない」の噓。したい旅ができなくなってしまう理由。
 英語の拙い人間が、ある意味でマルチリンガルになる話。
 いま持っている荷物は、本当に必要? 腰を痛める前におろそうぜ。
 その人にとって大切なものは、旅の持ち物に表れがち。
コラム
忘れ物をしたら
[ソロ旅の魅力]
 「遊んで暮らせれば幸せか」を、旅で試したときのこと。
 特別な体験をしたい。そんなときは現地のイベントに参加しよう。
コラム
これは大変……! やらかし忘れ物ワースト3
 おいしい食事。それはその土地のものを食べること。
 旅がわたしになじまない。その理由は心のカバー。
 「自分探しの旅」をバカにする人は、逆に自分を知らないんじゃないか説。
[旅人へのアドバイス]
 ソロの旅人よ。自分の写真こそ意識して撮りまくろう。
 ピンチはチャンスというけれど、チャンスにならないピンチもある。
 わるい人は夜間と観光地に多いよって話。
 犯罪に巻き込まれ、そして辺境の旅が好きになった。
コラム
海外旅行は危ない。ひとり旅は危ない。けど、それはなぜ?
二度とごめんの危険な体験ワースト3
第3章 わたしを変えた旅先での出会い
 インド人を無視しつづけるわたしを変えた、ひとりの少年。
 ぶらぶらしているモヒカンベルギー人から学んだ、人生の歩き方。
 計画派と、行き当たりばったり派。
 十四時間耐久、横になれない寝台列車の旅で見た美しい景色。
おわりに


坂田 ミギー
旅人経営者、クリエイティブディレクター、エッセイスト。年間旅行日数100日以上の旅マニア。福岡県出身。広告制作会社、博報堂ケトルを経て、株式会社こたつを設立。
学生時代にうつ病を患うが、回復期にインドを旅した衝撃で寛解。31歳で「人生このまま走っていっても幸せじゃないぞ」と自分の価値観の限界に気づき、世界一周の旅へ出発。旅の途上で出会った、アフリカの孤児・貧困児童と女性へのサポートを目的としたアパレルブランド「SHIFT80」ファウンダー。現在はキャンピングカーをモバイルオフィス&家として、日本各地を旅しながら働くスタイルを実践中。
著書に、世界一周の旅を機に立ち上げたブログ「世界を旅するラブレター」をまとめた『旅がなければ死んでいた』(KKベストセラーズ)、『恋が逝き旅がはじまり愛が来る』(こたつブックス)がある。

関連サイト



『ぶらり大阪 味な店めぐり』著/井上理津子

なぜかもう一度行きたくなる、不思議な魅力をもつ「味な店」。
関西出身のノンフィクションライターである著者が、自ら歩き回って見つけたお気に入りの味な店を紹介。店主へのインタビューを通じて、その店の人気の秘密に迫る。
大阪を中心に、兵庫、京都、滋賀、奈良の67店舗を掲載。朝日新聞大阪本社版夕刊の人気連載『味な人』の中から、著者取材分をまとめた1冊。

目次
Ⅰ  大阪編—— おいしいもんは やっぱり大阪にかぎる!
Ⅱ 兵庫・京都・滋賀・奈良編——大阪以外にもおいしいもん あちこちにあるよ!


井上 理津子
1955年奈良市生まれ。フリーライター。長く暮らした大阪から2010年に東京に引っ越すも、大阪贔屓は揺るがない。人と町、および両者が織りなす文化を主テーマに執筆。著書に『さいごの色街 飛田』(筑摩書房/新潮文庫)、『葬送の仕事師たち』(新潮文庫)、『旅情酒場をゆく』(ちくま文庫)、『関西かくし味』(ミシマ社)、『絶滅危惧個人商店』(筑摩書房)などがある。




『シルクロード・楼蘭探検隊』著/椎名誠

まだ中国への旅行が広く解禁されていなかった1980年。シルクロードの入り口である敦煌を目指し、未知なる国を駆け抜けた著者初の中国旅。
さらに8年後、日中共同楼蘭探検隊の一員として参加した、タクラマカン砂漠の過酷な旅。
著者のこれまでの人生の中で忘れ得ぬ二つの旅を振り返り、当時書けなかった事実や逸話を新たに盛り込んだ探検紀行。
椎名誠の旅の原点がここにある。

目次
第1章 まず最初に行けるところまで

1.上海のやさしい洗礼
2.「前進号」に乗って
3.敦煌は砂漠の中にあり
4.ひとむかし前の中国
第2章 いよいよシルクロード
1.福岡経由大連行き
2.蘭州から嘉峪関へ
3.道なき砂漠をただひたすらに
4.オアシスの昼と夜
5.隠されていた事実
6.砂の海の向こうへ
〔付録〕ルチャリブレ探訪記


椎名 誠
1944年東京都生まれ。作家。写真家、映画監督としても活躍。「本の雑誌」初代編集長。『さらば国分寺書店のオババ』(1979年)でデビュー。『犬の系譜』で吉川英治文学新人賞を、『アド・バード』で日本SF大賞を受賞。小説、随筆、紀行文、写真集など著書多数。近著に『幕張少年マサイ族』(東京新聞)、『南の風に誘われて』(新日本出版社)、『漂流者は何を食べていたか』(新潮社)など。



『旅は旨くて、時々苦い』著/山本高樹

30年以上にわたって世界を旅してきた著者が、各国で出会った「食」を切り口に、旅の日々を綴った紀行短編集。中国、ロシア、ドイツ、メキシコ、トルコ、アメリカ、インド……味の記憶とともによみがえる旅の場面を、旅情豊かな文章で紡ぐ。
第6回「斎藤茂太賞」(『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』)受賞後第一作。

目次
はじめに
I
上海蟹とお人好しの詐欺師 -China
ラグメンとシシカワプとバイバイ・ストリート -East Turkistan(China)
ジャスミン茶とシベリア鉄道 -Russia
スーパーで一番安いパンとベルリンの壁 -Germany
タコスと密林とモクテスマの復讐 -Mexico
ザムザム・コーラと砂漠の逃げ水 -Iran
ケスターネと海峡の街 -Turkey
II
カオマンガイと花馬車の街 -Thailand
ラープとカオニャオとバナナ園 -Laos
蜂蜜と虎とマングローブ -Bangladesh
異国の寿司とトーテムポール -USA
キャンプフードと熊と極北の秋 -USA
ゲームミートと百獣の王 -South Africa
炒麺と愛玉子ととんぼ玉 -Taiwan
III
オクラ丼と路地裏の食堂 -India
チャパティとダールと黄金寺院 -India
スノーキャップ・カプチーノと勉強の日々 -India
林檎と悪路と断食月 -India
ヤクシェ・モクモクと大晦日 -India
パールGとメギと氷の旅路 India
もぎたてのマタルと畑仕事 India
IV
バター茶と夏の大祭 -Tibet(China)
ひまわりの種と夜行列車 -China
おわりに


山本 高樹
著述家・編集者・写真家。2007年から約1年半の間、インド北部の山岳地帯、ラダックとザンスカールに長期滞在して取材を敢行。以来、この地域での取材をライフワークとしながら、世界各地を飛び回る日々を送っている。本書のほか、主な著書に『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(雷鳥社)、『ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]』(地球の歩き方)、『インドの奥のヒマラヤへ ラダックを旅した十年間』(産業編集センター)など。『冬の旅ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)で第6回「斎藤茂太賞」を受賞。


関連サイト




『城郭研究家の全国ぶらり城めぐり』著/中井 均

城郭研究の第一人者である著者が、妻と二人、ジムニーに乗って気ままな旅に出た。桜前線の北上と共に、日本全国ぶらり城めぐり。訪れた城はのべ60カ所以上。本書ではその中から30カ所を厳選して紹介。城のプロでありながら、小学生の頃から生粋の城オタクでもある著者の視点を通じて見えてくる、城の見どころや選び方、遊び方……。城を今よりもっと楽しむために最上の一冊。城コラムや食べ物・お土産情報、地図も充実。

目次
はじめに
さぁ、城跡と桜の旅へ出発
コラム「城旅に出る理由」
東日本編
1 彦根城 ホテルの湯からライトアップの城を独り占め
2 一乗谷朝倉氏遺跡 日本のポンペイに新しい博物館がオープン
3 高遠城 高遠桜の散り去った城跡には私たち夫婦二人
4 越後高田城 池と見紛う水堀と丘のような土塁に囲まれた平城の極致
5 春日山城 本丸から日本海が望める上杉謙信の居城
6 新発田城 復元された海鼠壁の美しい御三階櫓
7 村上城 三大山城も何のその、一押しの山城!
8 払田柵 律令国家による蝦夷対策の城
9 横手城・平泉 奥州の都は堀を巡らせた城であった
10 大鳥井山遺跡・金沢柵跡 納豆発祥の城
11 角館城 桜の城下を一望する戦国時代の山城
12 脇本城 北東北の山城は不思議満載
13 五稜郭 日本に築かれたヨーロッパ式の城郭
14 松前城 北海道に築かれた唯一の近世城郭
15 仙台藩白老元陣屋 幕末の蝦夷地警備に築かれた駐屯地
コラム「私が妻と旅に出る理由」
西日本編
16 志布志城 シラス台地を切り込んで築かれた山城
17 飫肥城 戦国の城と近世の城が同居するシラスの城
18 鹿児島城 必見、石垣東北隅の鬼門除け」
19 清色城 まるで秘密基地へ向う魔法の堀切
20 大分府内城 ラムネ温泉に浸かって府内へGO!
21 佐賀城 佐賀平野のクリークを利用した巨大な平城
22 唐津城 玄界灘に面して築かれた浮城
23 櫛崎城 関門海峡を臨む壮大な石垣の城
24 勝山御殿 外国船の艦砲射撃を避けて築かれた城
25 岩国城 城を破壊した痕跡をぜひとも見てほしい
26 伊予松山城 実は姫路城に次ぐ城郭建物が残る城
27 大洲城 一泊百万円で天守に泊まることができる
28 丸亀城 全山を総石垣化した壮大な城郭
29 津山城 櫓の数は日本一。壮大な石垣も文句なし
30 三日月陣屋 一万五千石の小藩が構えた小城郭
あとがき


中井均
1955年大阪府生まれ。龍谷大学文学部史学科卒業。城郭研究家、考古学者。専門は中・近世城館遺跡。(財)滋賀県文化財保護協会、長浜城歴史博物館館長などを経て、2013年から滋賀県立大学人間文化学部地域文化学科教授。2021年に退官後も日本各地の中世・近世城郭の発掘調査・整備の委員を務めるなど精力的に活動中。著作に『日本の城郭鑑賞のコツ65』(メイツ出版/2009)『城館調査の手引き』(山川出版社/2016)『決定版 日本の城』(新星出版社/2020)『戦国の城と石垣』(2022/高志書院)ほか多数。