「全国最中図鑑」20 起き上り最中(岐阜県岐阜市)
最中の由来にもいろいろと歴史上のエピソードが登場するが、今回登場するのは、あの織田信長。
永禄5年5月、信長は美濃の難攻不落の城・岐阜城(稲葉山城)の攻略を開始し、以来7回にわたって攻め続けたが、どうしても攻め落とせなかった。だが不撓不屈の精神で諦めることなく、永禄10年8月、数万の兵を率いて実に8回目の攻略を開始した。このとき信長は従者に「我、正に起き上り最中なり」と告げ、ついに岐阜城を征した。
この「起き上り最中」の由来にならい、「起き上り最中」を発案、また何度転んでも起き上がることで縁起招福のシンボルでもある起き上りダルマを型どったのがこの最中だ。
サクッとした皮は意外に薄くて柔らかく、中にはたっぷりの粒あんと大粒の栗が入ってかなり食べ応えがある。怖いような可笑しいようなユーモラスな外観も人気の秘密のようだ。
起き上り本舗
岐阜県岐阜市柳ヶ瀬通り5丁目
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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。