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「全国最中図鑑」57 鮎もなか (滋賀県大津市)

別名「香魚」「年魚」とも呼ばれる鮎は、滋賀県の代表的な湖の幸。琵琶湖の鮎は、春になると川に上り上流で大きくなるものと、川に上らず琵琶湖の中で暮らしてあまり大きくならないものとがあり、これはコアユと呼ばれている。コアユの天ぷらはちょっとホロ苦い味で、揚げたては格別の美味しさ。コアユの佃煮を熱々のご飯にのせて食べるのも、滋賀人自慢のふるさとの味である。
この琵琶湖の鮎をもなかに仕立てたのは、琵琶湖・大津で創業91年を迎える老舗の菓子メーカー大忠堂。最中種に「日本一のもち米」といわれる滋賀羽二重餅を100%使用し、一匹一匹、職人があんを手詰めしているため、尻尾の先まで粒あんがぎっしり詰まっている。細部までこだわって鮎の姿を写し取った、ちょっと細身のスタイル抜群の鮎皮と、甘さ控えめのあんは、とても相性が良い。

大忠堂
大津市観音寺8−17


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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。


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