2皿目 老舗洋食店に現れた強敵―レストハウス オリアン|元気の出るカツカレー
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老舗洋食店に現れた強敵
岡山市の繁華街は、岡山駅からは少し離れた表町商店街のあたりになります。今回訪れたお店もそのエリアなのですが、商店街からちょっと外れた通りにあるのが洋食店「オリアン」です。岡山駅からは徒歩15分ほどの場所です。
店はオフィスビルの地下。看板にも、老舗感が漂っています。
ハンバーグやオムライス、グラタンなどが評判で、地元に愛されている店だという情報だけを頼りに訪ねました。お店の外観から、喫茶店のような雰囲気を想像していたのですが、ドアを開けると、想像以上に広い店内。テーブル配置もゆったりしていて、レストランという呼び方のほうがしっくりきます。
メニューをみると、おすすめのカツカレーは1200円。ちょっと高めですが、本格レストランなら仕方ないでしょう。期待が高まります。一緒に、「手間をかけて作っています」と書いてあったコーンスープも頼みました。
先に到着したのはコーンスープ。生クリームがおしゃれに浮かんだトロトロのスープをあっという間に平らげました。舌触りが良くてすごく美味しい。カツカレーはもうすぐかな……どんなカツカレーかな……。わくわく。
そういえば以前、編集を担当したある著者がこう言っていました。
「事前にインターネットであれこれ調べて行ったのでは、それは取材じゃなくてただの“確認”になる」
その通りです。知識をすべて仕入れてから行ったのではつまらないし、そこに感動は生まれないのです。私は取材者として、目の前に出てきたカツカレーと真摯に向き合うのだ。そう意気込んでいました。
そして出てきたカツカレー、どどん!
カツ大きい! ご飯多い! あれ、間違って特盛注文したかな? いやいやそんなはずない。ここ、デカ盛り系の店でしたか……? 衝撃のサイズ感です。
あとで聞いてみると、カツ200g、ご飯800g、しめて一皿1kg。
カツもすごく大きいのですが、ご飯が大盛り過ぎてカツが普通に見えてしまいますね。
タバコの箱でも一緒に置いて撮影するべきでした。
ルーはステンレスのポットに別に盛られているスタイル。さすが老舗洋食店です。
動揺を抑えつつ、まずは一口。カレーは野菜や果物を裏ごしして作っているらしく、濃厚でマイルドな味。牛肉がゴロゴロ入っています。老舗の実力を感じる美味さです。
カツはしっかりした歯ごたえがありジューシーで、期待を裏切らないクオリティ。途中、別添えのサラダで口の中をリフレッシュしながら目の前の山に果敢に挑んでいきますが、ようやく半分くらい食べたあたりで、調子にのってコーンスープを頼んだことを後悔しました。その後、カツの最後の一切れを口に運ぼうとするも、なかなかスプーンを持つ手が上がらなくなった状態でフリーズし、そもそもお店のことを調べてこなかったことを後悔しました。
そういえば、何かの小説に出てきた主人公は取材について、たしかこう言っていました。取材は下調べがすべて。取材のほとんどは前日までにすでに終わっているのだと。そういう考え方もありますよね。なぜ事前に少しでも調べなかったのか……今後はこちらの手法を支持したいと強く思ったのでした。
最後はかなりお腹が苦しくなってしまいましたが、味は本当に美味しいです。胃袋に自信のある方はぜひチャレンジしてみて下さい。小食の方は、何人かでシェアするといいかもしれません。(記・T郎)