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元気の出るカツカレー

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取材で日本全国を飛び回っている編集チームの一員・T郎が、旅先で食べたカツカレーをゆるーく紹介していきます。ご当地ものや地元の名物というわけではありませんが、いつも頼んでしまうのが… もっと読む
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27皿目 “カレーポットでいただく上品な一皿” 大重亭 富山店|元気の出るカツカレー

冬には寒ブリで知られる氷見漁港。富山県では漁獲高一位を誇っています。取材に訪れたのは2023年秋で、これから訪れる、海の幸の美味しい季節に期待が高まっているという感じでした。能登半島地震では、氷見漁港近辺も液状化などの被害があったようです。少しでも早く通常通りに復旧できるといいですね。そのときには必ずまだ出かけていって、美味しいものをたくさん食べることで地元の復興に貢献したいと思っています。 さて、この日の宿泊は富山市でした。取材で訪れた先でも海の幸をいただくことが多く、も

26皿目 “金沢カレーの源流を知る王者” カレーのチャンピオン|元気の出るカツカレー

いつもは行き当たりばったり、風まかせでふらりと立ち寄ったお店でカツカレーとの出会いを楽しむことが多いですが、今回は金沢宿泊ということではじめから決めていました。大好きな「金沢カレー」詣でです。 金沢カレーとは、金沢発祥の、独特の特徴を持つカレーのことで、 その特徴は ・カツカレーがデフォルト ・カツにはソースがかかっている ・ステンレス製の舟型の器 ・キャベツの千切りが添えられている ・スプーンではなくフォークで食べる といったあたりが挙げられるかと思います。カレー好きの方

1皿目 富士の裾野の大衆の味―食事処いづみや|元気の出るカツカレー

「ほんとによくカツカレーを食べるよね」 かれこれ10年以上、一緒に取材で全国をまわっているチームのメンバーにそう言われて、はじめてふと考えました。 旅先で、カツカレーをよく食べるのはなぜだろう―― 旅の途中、ランチ、はじめての店。特にご当地メニューや郷土料理も見当たらない。それなら、大好きなカレーを頼んでおけばハズレはない。でも、ただのカレーでは少し寂しい。そんなとき、いつも注文してしまうのがカツカレーでした。町の食堂や道の駅、ドライブインで食べるカツカレーは、その土地

2皿目 老舗洋食店に現れた強敵―レストハウス オリアン|元気の出るカツカレー

<一皿目“富士の裾野の大衆の味―食事処いづみや”はこちら> 「元気の出るカツカレー」をまとめて読みたい方はこちら↓ 老舗洋食店に現れた強敵 岡山市の繁華街は、岡山駅からは少し離れた表町商店街のあたりになります。今回訪れたお店もそのエリアなのですが、商店街からちょっと外れた通りにあるのが洋食店「オリアン」です。岡山駅からは徒歩15分ほどの場所です。 店はオフィスビルの地下。看板にも、老舗感が漂っています。 ハンバーグやオムライス、グラタンなどが評判で、地元に愛されている

3皿目 いろんな味が楽しめる、遊園地のような一皿―カフェピット|元気の出るカツカレー

<二皿目“老舗洋食店に現れた強敵―レストハウス オリアン”はこちら> 「元気の出るカツカレー」をまとめて読みたい方はこちら↓ いろんな味が楽しめる、遊園地のような一皿 私たちの取材チームは、秘境といえる山奥や、限界集落と呼ばれる過疎地にまで出かけることもしばしばです。明日の取材のスケジュールだと、お昼はどのあたりにいるか予想して、翌日のお店の目星をつけておくのですが、予定は未定。なかなか思うようにはいかないことの方が多いのです。 この日取材していたのは、世界遺産・熊野古

4皿目 ハマると抜け出せない―カレー屋ロック|元気の出るカツカレー

<三皿目“いろんな味が楽しめる、遊園地のような一皿―カフェピット”はこちら> 「元気の出るカツカレー」をまとめて読みたい方はこちら↓ ハマると抜け出せない 山口県はかつては長州藩があった地域。長府藩や岩国藩も山口です。歴史もあり、瀬戸内海と日本海に面し、陸続きの本州はもちろん、四国や九州、朝鮮半島とも長く深い交流を持つなど、取材のネタには事欠かない地域なのです。 この日は、午前中に重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)にも指定されている柳井の町並みを撮影し、山陽小野田市の厚

5皿目 ジャズ喫茶のような洋食屋さん—ビストロ・ミカサ|元気の出るカツカレー

〈四皿目“ハマると抜け出せない―カレー屋ロック”はこちらから〉 「元気の出るカツカレー」をまとめて読みたい方はこちら↓ ジャズ喫茶のような洋食屋さん 2月の取材で訪れたお店は、福島県福島市。東北の雪景色を撮影した帰りのディナーでした。 取材が終わって福島のホテルに戻り、晩ご飯は洋食でも食べようか、と福島駅周辺を散策していて見つけたのが「ビストロ・ミカサ」。 ドアを開けると、そこはビストロというよりも、まるでジャズ喫茶のような雰囲気。薄暗い店内に、古いアンプと巨大なスピー

6皿目 働く人の味方、ガッツリ大満足の店ー志摩|元気の出るカツカレー

〈五皿目“ジャズ喫茶のような洋食屋さん—ビストロ・ミカサ”はこちらから〉 「元気の出るカツカレー」をまとめて読みたい方はこちら↓ 働く人の味方、ガッツリ大満足の店 県別の魅力度ランキングでいつも最下位を争ってしまう茨城県。でも実際はたくさんの魅力が満載の県なのです。今回の取材で訪れたのは北部の素朴な漁港「平潟」や古い街並みが残る「常陸太田」、焼き物の町「笠間」などなど。時間が足りなくてまわりきれなかったほどです。 そしてこの日のランチは、石岡市にある食堂「志摩」。生姜焼

7皿目 山の中で自然の恵みを味わう―Aelu|元気の出るカツカレー

〈六皿目“働く人の味方、ガッツリ大満足の店ー志摩”はこちらから〉 「元気の出るカツカレー」をまとめて読みたい方はこちら↓ 山の中で自然の恵みを味わう 鳥取県との県境に位置する奥津温泉は、岡山県鏡野町で古くから親しまれる、素朴な山間の温泉地です。美人の湯として知られていて、湯郷温泉、湯原温泉と共に「美作三湯」のひとつに数えられています。 静かな温泉街なので、旅館を除くとお昼の選択肢もそれほど多くはなく……目についたのは、「里山レストラン」という看板。どうやら、日帰り温泉施

8皿目 会津若松の奥座敷でカツの競演―卯之家・よしのや|元気の出るカツカレー

〈七皿目“山の中で自然の恵みを味わう―Aelu”はこちらから〉 「元気の出るカツカレー」をまとめて読みたい方はこちら↓ 会津若松の奥座敷でカツの競演 前回に引き続き、今回も取材で訪れたのは温泉街です。 1300年もの歴史を誇る東山温泉は、その立地から、会津若松の奥座敷と呼ばれました。また、会津民謡に登場する「小原庄助」さんゆかりの温泉としても知られています。朝寝、朝酒、朝湯好きで有名な人ですね。きっと食べるのも好きだったんじゃないかと思いますが、江戸時代の人らしいのでカレ

9皿目 胃腸に優しいカツカレー?!―かもめ亭|元気の出るカツカレー

〈八皿目“会津若松の奥座敷でカツの競演―卯之家・よしのや”はこちらから〉 「元気の出るカツカレー」をまとめて読みたい方はこちら↓ 胃腸に優しいカツカレー?!新潟県の佐渡島に、人生で初めて行ってきました。 とても大きい島なので、実際に上陸してみるとあまり「島」という感じがありません。それよりも、佐渡金山、たらい舟、トキなど他であまり見られない、佐渡ならではの文化がとても豊富で魅了されました。 今回のお店に出会ったのは、その佐渡に渡る前夜。どうやら天気があまり良くなく、明日

10皿目 ガツンと効く! スタミナ倍増カツカレー―だるま食堂|元気の出るカツカレー

〈九皿目“胃腸に優しいカツカレー?!―かもめ亭”はこちらから〉 「元気の出るカツカレー」をまとめて読みたい方はこちら↓ ガツンと効く! スタミナ倍増カツカレー今回の取材は東北ツアー。岩手からはじまり、数日後に青森へと移動。その日のお昼は、三戸町でした。岩手県、秋田県との県境に位置する静かな町です。かつては南部氏が治める三戸城の城下町として栄えました。 青森が誇る名産物といえば…リンゴだけじゃない。そう、にんにくも生産量日本一なんです。ということで、ランチはにんにく専門店

11皿目 “蔵出しカツカレー祭り”|元気の出るカツカレー

〈十皿目“ガツンと効く! スタミナ倍増カツカレー―だるま食堂”はこちらから〉 「元気の出るカツカレー」をまとめて読みたい方はこちら↓ 蔵出しカツカレー祭り気がついたらもう12月、もうすぐ今年も終わりますね。 この一年も、コロナの感染状況とにらめっこしつつ、隙間を縫うようにしていろんなところに旅したなあ……とスマホで過去の写真を見返していたところ、食べ物の写真がものすごく多いことに気がつきました。そして興味本位で「カツカレー」で検索してみると……。出るわ出るわ、カツカレーの

12皿目 “仙人にも愛してほしい?! 王道の一皿” 浜田屋食堂|元気の出るカツカレー

〈十一皿目“蔵出しカツカレー祭り”はこちらから〉 「元気の出るカツカレー」をまとめて読みたい方はこちら↓ 仙人にも愛してほしい?! 最高の一皿山梨県上野原市にある旧野田尻宿は甲州街道の宿場町。日本橋から数えて15番目の宿駅でした。こじんまりした宿場だったようで、今もひっそりと素朴な町並みではありますが、どことなく街道の面影を残しています。道沿いに、商家や旅館らしき建物が点在しています。 野田尻宿から旧甲州街道を西に向かって車で20分ほど走ると、現在の甲州街道・国道20号