見出し画像

「全国最中図鑑」59 くらづくり最中『店蔵』 (埼玉県川越市)

埼玉県川越市には「蔵造りの町並み」が今も残っている。蔵造りは類焼を防ぐための耐火建築で、江戸の町屋形式として発達したものだが、現在の東京ではもうほとんど見られない。そんな貴重な江戸の面影を、ここ川越では見ることができる。
川越に蔵造りの街並みが形成されるきっかけとなったのは明治26年の大火だった。川越市の全戸数3,315戸のうち1,302戸を焼失したこの大火災は、川越商人たちに防火への意識改革をもたらした。大火の後、焼け残った建物が伝統的工法による蔵造りの建物だったことに着目し、建物そのものを防火建築にすることを思いつき、競って蔵造り建築による店舗「店蔵」を建てたのである。その数、最盛期には100軒以上もあったという。
くらづくり最中『店蔵』は、その「蔵造りの蔵」を型どった最中。明治20年創業の「くらづくり本舗」が創業以来変わらぬ味を守り続けている名物もなかである。

くらづくり本舗
川越市久保町5-3


全国最中図鑑」をまとめて読みたい方はこちら↓


日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。

この記事が参加している募集