見出し画像

【中編小説:連載】いにしえの彼方に エピソード2

#小説 #フィクション #短編 #中編小説 #ショートストーリー #ファンタジー #茶室 #茶道 #浦山 #大学 #茶道部

毎月1日は小説の日という事で、書き始めました。
今回は連載と言う事で、6月1日火曜日に投稿しました。
毎月完結したお話を届けようと思っていた
目標を達成するため、本日6月15日火曜日も
なんとか頑張って、続きを記載いたします。
まだ盛り上がらないから、
つまらないかもしれませんが、お楽しみください。

今回も完結いたしませんが、エピソード1も
お読みいただけると嬉しです。
お時間のある時にお読みください。

エピソード1は約7千字です。
エピソード2は約7千字です。

いにしえの彼方に エピソード1

いにしえの彼方に エピソード2

文明が生み出した道具

ヒカリ達は裏山の点検を終えて
山の中腹まで戻ってきた。
ちょうどマサキがケースから
タブレットのような装置を出すところだった。

「それって何?」

ユウコが聞いた。

「3Dスキャナだよ」

マサキが答えた。

「あまり精度はよくないけど、
 レールと山の傾斜の関係を測るくらいなら
 問題ないよ」


ユウコは何を言われているのかわからなかった。
茶道部のメンバーもみな何がはじまったのか
わからずザワザワしていた。
そんな様子を感じたのか、ケンジが説明をはじめた。

「みんなこのレールを直したいと思っているよね、
 でも簡単じゃない。
 そこでこのレールの位置関係を
 3次元的に視覚情報として認識できる形にして
 パソコンに取り込む。
 そこへ修正したい、データを重ねて
 どんな部品を造ればいいか
 計算するために必要なんだよ。
 わかったかな?」


ユウコ達はわかったような、
わからないような感じでいた。

「簡単に言うとビデオカメラで撮影した映像が、
 ちゃんと立体になって距離とか測れるようになって
 パソコンの中に入るという装置だよ」


ケンジは更に説明したが、
茶道部のメンバーが何処まで理解できたかは
わからなかった。
その時、ケンジのスマホが鳴り出した。
ケンジは素早くスマホをスワイプして電話に出た。

〈もしもし・・蘆澤学長・・はい、はい、はい〉

ケンジは短く受け答えして電話を切った。
ユウコがケンジの顔を覗き込んだ。
ケンジもユウコの顔を見ながら答えた。

「女子大の沢木学長が
 うちの蘆澤学長にヘルプしてきたそうだ。
 うちの学長がおまえら今山にいるだろ・・って。
 どんな手段を使ってでもいいから助けてやれって・・・」


ユウコの顔が急に明るくなった。

「やったー」

ユウコは思わず声を上げた。
茶道部のメンバーもみな良かったという声をあげていた。

「安心するのはまだ早いというか、
 もう動いているんだけどな」

ケンジが釘をさした。

「お茶会まであと3週間、
 ちゃんとやらないと間に合わない。
 おまえも手伝うんだぞ」

そうユウコに行った。

「もちろん、なんでもするわよ」

ユウコが返した。

「データ取れました」

そんなやりとりの最中マサキが言った。

「よし、じゃー研究室へ戻って設計だ、
 その前に1本電話入れておくか」

ケンジはそう言うとまたスマホを取り出して
電話をかけはじめた。

〈あ・・もしもし社長・・ケンジです。
 あのーお願いがありまして。
 鉄道のレールなんてありませんよね?〉


〈そんなんあるわけねーだろ、うちは板金屋だぞ〉

ケンジが思わずスマホから耳をそらした。

〈あのー、
 2週間で調達できる方法なんてありませんかね?〉
〈ケンジ君、いくらケンジ君の頼みでも
 ちょっと無理だと思うがね、
 まぁあたってみるが2週間はむりだぞ〉


板金屋の社長とのやりとりが
ケンジのスマホから漏れているのをマサキが聞いていた。

「とりあえず応急処置なんでH鋼削りますか」

マサキは電話の途中のケンジに向かって言った。
ケンジはそれを聞いて。

〈社長、H鋼手に入りますか?
 応急処置なんでH鋼削って対応できれば・・
 図面だしますからなんとかなりませんか〉

〈H鋼ならあるぞ、
 フレーム組むのに使っているからな、
 ケンジ、レールってまさかケーブルカーか?〉

〈はい、ちょっと曲がってまして、
 なんで曲がったかはわかりませんが。
 強制しても厳しいかと思います〉

〈わかった、任せろ、図面今日中には出せよ〉

「社長Hあるってさ、
 図面は今日中に出せって条件出された」

ケンジが言うと

「楽勝です、3次元のデータありますし」

そうマサキが言った。

「よし、研究室戻るぞ、お前も来い」

ケンジはユウコに言った。

研究室

ケンジ達の研究室は
4階建のビルの1階にあった。
広い部屋にはわけのわからない装置が
沢山おいてあった。
西向きの窓に直角に机が並べられ、
そこにはワークステーションという
パソコンが何台も置かれていた。
マサキはその一台の電源をいれた。
手際よく先ほどのタブレットをパソコンにつないだ。

「出た・・・」

そう言うと、PCのモニターをユウコ達のほうに向けた。

「おおおすごい」

ヒカリが声を上げた。
ヒカリはユウコに言われてこのレールの修理を
手伝うためにユウコと一緒に研究室に来ていた。
マサキはそんな声に耳も貸さず。
淡々と作業を続けた。

パソコンの画面は3次元CADの画面になっていた。
先ほど取り込んだ曲がったレールがある風景に
H鋼のデータを貼りあっわせている所のようだった。

ヒカリには何をどうすれば
レールが修正できるかなんてよくわからなかったが、
みんなが一生懸命に、
レールの修理をしようとしている事はわかった。
西側の窓は彼方に見える山々が
薄らとピンクかかり、夕焼け空になっていた。

「なんか手伝うか?」

ケンジがマサキに問いかけた。

「じゃぁ、腹減りましたね」
「そうかわかった、何か買ってくるわ」

ケンジはマサキに言った。

「お・・ユウコいくぞ」

ケンジはユウコを誘って研究室を出ていった。
研究室にはヒカリとマサキの
二人きにになった。
ヒカリは何をしていいかわからず、
研究室でもじもじとして、落ち着かないようすだった。

「適当に座っていいよ」

立ったままのヒカリにマサキが言った。

「あ、どうも」

ヒカリは促されるまま、
マサキの3次元CAD画面が見える位置に座った。
マサキはH鋼の寸法を整える作業をしているようだった。

〈100角を25ずつ落とせばいいな〉

独り言を言いながら
3次元CADの作業を続けるマサキをヒカリがじっとみていた。

「そんなに見つめても何も起きないぞ」

ヒカリはハッとした。

「なんで見ていたの、わかるの?」
「おれは後ろにも目があるんだ」

そう言って振り返ったマサキは笑っていた。
ヒカリもつられて笑った。
笑うと少し少年のように見えるマサキを、
ヒカリは気になりだしていた。

二人の距離が1mmだけ近づいたように思えた。

ヒカリは実家が大学の近所で自転車通学している事。
母が茶道教室をしている事。
父がロボットのエンジニアで、
今はベトナムに単身赴任している事等を話した。
ヒカリが話し終えたその時だった。
ケンジとユウコが戻ってきた。

「飯買ってきたぞ」
ケンジがマサキに行った。

「二人で何話してたの」
ユウコがマサキに聞いた。

「なんも話してないよ、俺設計してたし」
マサキがちょっとふくれた顔をした。
そんなやり取りを見ていたヒカリが
少しだけ微笑んだのを
マサキが横目で見て一緒に笑った。

「おいやっとるか若者」
「あれシゲさん」
「差し入れだ・一緒に食おうや」

そう言って板金屋のシゲさんが、
すし桶を机の上に置いた。
全員目を丸くしてシゲさんを見ていた。

シゲさんは昼間ケンジが電話で話しをしていた
板金屋の社長だ。
もう60代だろうか、
頭はスポーツ刈りで、
170cmくらいのがっちりとした体つき、
今でもラグビーとかできそうな感じだった。

「おーい学長も来いよ」

シゲさんがそういうと、
ニコニコしながら蘆澤学長が研究室に入ってきた。
一同はまた口をぽかんとあけていた。

「学長、どうもです」

ケンジが挨拶をした。つられてみんな頭を下げた。

「さぁ挨拶はそのくらいで、寿司食おうや」
シゲさんが言った。

「学長のおごりだ、めったにないぞ」
そう言うとシゲさんは、おもむろに寿司桶に手を入れて、
マグロを掴んで口の中にほうりこんだ。
満足そうにしげさんが寿司を食いだした。

「じゃーいただきましょう。
 買ってきたおにぎりは夜食ね」


ユウコがそう言ってシゲさんにつづいた。
一通り寿司を平らげた所で、シゲさんが話だした。

マドンナに捧げたケーブルカー

「あのケーブルカーは、
 35年前俺たちで作ったんだ」

ケンジがシゲさんの顔をみた。

「ここにいる学長も一緒だ、当時女子大のマドンナが
 学生だった俺たちに泣きついてきてな、
 なんとかお茶会にくるお客様を
 楽に裏山へ運べないかって、
 それで、設計を勉強してた俺たちが何日も徹夜して

 作ったんだ。
 もちろん、他の課のやつらも手伝わせたけどな」

シゲさんは淡々と語った。
それを蘆澤学長も
想い出を懐かしむようなまなざしで聞いていた。

「そのマドンナって、
 うちの学校の学長だったりして」

ユウコがすこし茶化すような口調で言った。

学長は苦笑いしながら応えなかった。

「さぁ再開するか」

ケンジの一言で、
マサキの顔がきりっとなった。
ケンジはディスプレイを見ながら
ブツブツと呟きはじめていた。
ケンジはレール修理までの計画書を
まとめているようだった。
ユウコとヒカリはその光景をじっとながめていた。

「こいつら朝までやる気だ・
 御嬢さん達は帰ったほうがいいな、
 もう連休も終わるし授業もはじまるからな」

シゲさんが言った。
研究室の時計は9時半を回っていた。

「よし、俺が送ってやる」
シゲさんが二人に言った。

「あ・私自転車なので」
ヒカリが言った。

「じゃー私は送ってもらいまぁっす」
ユウコがニコッとわらった。

ユウコとヒカリは朝8時集合の約束をして帰った。

「ただいまぁー」
ヒカリは自宅に着くと母にそう言って
二階の自分の部屋に行こうとした。

「学校でなにかあったの?」

母が問いかけた。
ヒカリはお茶の試験があった事、
ケーブルカーのレールが壊れた事、
工業大学で学長にあった事等を話した。
ヒカリの母はそれをじっと聞いていた。

「大変だったわね」

そうぼそりと言った。
そっけない母の態度に不満を覚えながら、
ヒカリは言い終わると自分の部屋にもどった。
ヒカリは今日登った裏山を見ていた。
数日前に光っていた裏山には、
光るものは何もなかった。

弁当は恋の予感

ヒカリとユウコ、そして茶道部の部員たちは、
お茶会の準備をしていた。
茶器の準備やお菓子のお皿
会場設営の方法など、忙しくしていた。

「ヒカリ行くよ」

ユウコに促されてヒカリは準備の手を止めて
ユウコに続いた。

「ヒカリどこいくの?」
サエコが聞いてきた。

「ちょっといいとこ」

ヒカリはそう言ってサエコに返した。
サエコは少し不満げにふくれて見せたが、
ヒカリは構わずユウコの後について、
茶道部の部室を出ていった。

工業大学の研究室へ行くと
ケンジとマサキが昨日と同じ格好で
ディスプレイと格闘していた。

「弁当うまかったぞ」
ヒカリにマサキが言った。

ケンジもユウコに
「おれも・・うまかった」

ユウコは笑っていた。
ヒカリ達は徹夜している二人のために、
朝8時に集合して、
お弁当の差し入れをしたのだった。

ヒカリとユウコは早起きして
手作り弁当を持って行った。
ヒカリは母親に

「早起きするなんて珍しいわね」

と嫌味をいわれながら、
ケンジのために黙々と弁当を作ったのだった。
ヒカリは恋人でもない
ケンジのために造る弁当を詰めながら、
少しワクワクしていた。
誰かのために何かできることに
少しだけ気持ちが高揚していた。

ヒカリ達が弁当の話題で盛り上がっていると、
シゲさんが入ってきた。

「おうマサキお前の設計通り、
 H鋼の加工を頼んでおいたぞ、
 明日には入るからな、よくがんばった」


そう言ってマサキをほめた。
マサキは夜中まで強度計算をし、
一番手に入りやすいH鋼を選択し
加工図面を書いて
朝方シゲさんへ送ったのだった。
シゲさんの手元にあったH鋼は、
少し寸法が足りなかったので、
シゲさんが業者へ別注文してくれたらしい。

「おいケンジ、
 おまえは明日学校さぼって手伝いにこい、
 一気に加工しちまうぞ」

「学校さぼってとは
 過激な言葉ですが、
 喜んでいかせていただきます。
 寸法のチェックもしたいですし」


ケンジは急に丁寧な言葉でシゲさんに返した。

「プロをなめるなよ、
 おまえに寸法のチェックなんかさせないさ、
 お前は手を動かす仕事だ、
 新人はそうやって仕事を覚えるんだ、わかったか?」


「はい社長、おおせのままに、手を動かします。」

シゲさんが苦笑いをしながら研究室を出ていった。

ケンジは来年の春、
シゲさんの板金屋で働く事が決まっていた。

「いいわよねーー、もう就職決まっているなんて」

ユウコがぼそりと呟いた。
ケンジがニコニコしながらユウコを見て

「おまえもがんばれや」
と言った。

余裕をかましているケンジに

「なんか腹たってきた。
 今晩はあんあたのおごりだからね」

そう言うと口をとがらせた。

裏山の所有者

<え・・・何・・・運べない??>

ケンジがシゲさんと電話で話をしていた。
ヒカリ、マサキ、ユウコはその様子を見て
そわそわしていた。

「シゲさんなんだって?」
マサキがケンジに聞いた。

「ケーブルカーの修理だけど、
 道が狭くて資材が運べないってさ」


一同顔を見合わせた。

「どういう事、詳しく説明してよ」

ユウコがケンジせまった。
ケンジはしかたないというそぶりで
ユウコに説明を始めた。

「ケーブルカーのレールの代替えとして
 マサキが設計した2メートルのH型の鋼材が2本、
 それを支える土台を作る鋼材、
 セメント、水等を運ぶには、
 少なくても軽トラックがいる。
 本当はもっと大きなトラックが良いんだけど」

ユウコは頷くように聞いている。
ケンジはさらに続ける。

「しかしだ、
 今裏山へ続く道は幅が1メートルくらいしかない。
 軽トラックの幅は少なくとも
 1メートル50センチ程必要になる」


ユウコはさらに頷いている。

「おまえならどうする?」

ケンジがユウコに聞いた。
ユウコは黙ったまま考えこんでいる。

「みんなで手分けして運ぶとか」

ユウコがケンジの顔をのぞきもむように言った。

「あのさー、何キロあると思ってるのよ」

ケンジがばかにするようにユウコに言った。

「道・・作っちゃう?」
ヒカリが冗談で言った。

みんなヒカリの方を見た。
ヒカリは何か悪い事を言ったかのように
おどおどしだした。

「じゃー道切り開くか」
マサキも言った。

「えーほんとうに・・・」
ヒカリが驚いた。

ケンジがすぐに蘆澤学長に電話を始めた。
なにやら学長とごそごそと話をしている。

「学長なんだって?」

電話を切ったケンジにユウコが聞いた。

「道を切り開くのは良いか、
 裏山の所有者の許可が必要だって」

「え・・・裏山って学校の所有じゃないの?」
ユウコが聞いた。

「うちの学校でも、女子大のものでもないってさ」
「じゃーだれの所有なのよ?」
ユウコがまた聞き返した。

「ここから二キロくらい行った所の
 茶房パルをやっている有村さんちだって」

ユウコが一瞬沈黙した。

「有村さんち?」
ユウコが聞き返した。

「あのーユウコさん、それうちです」
「えー・・・・」

全員驚いた様子でヒカリの方を見た。
ヒカリは困ったようにもじもじしだした。

「ちょっとお母さんに聞いてみます。
 お父さんは今海外へ行っているので」

ヒカリの家は、
茶道教室の合間に茶房パルという
純和風の喫茶店をやっていた。
抹茶を気軽に楽しめる場所として、
近所の方達が利用している親しみやすい喫茶店だった。

ヒカリは母親にケーブルカーのレールが壊れて
修理を手伝う事は伝えていた。
毎日遅いのも春のお茶会の練習と、
修理の手伝いだと伝えていた。
ヒカリは裏山の道を拡張する事を
更に加えて伝えた。

ヒカリの母ミツコは黙ってヒカリを見つめた。
その眼は愛おしむようで、
どこか悲しい目をしていた。
ミツコはやがて重い口を開いた。

「あの裏山は、あなたの名義になっているの、
 今までは、おばあさんの名義だったのだけどね、
 おばあさんが去年亡くなる前に、
 あなたの名義に変更したの、
 だからあなたの好きにしていいのよ」


ミツコは静かにそういった。

「なんで、私の名義なの?
 どうして学校の裏山が有村の家の所有なの?」

ヒカリは疑問をぶつけた。
けれどミツコは何も答えず。
微笑むだけだった。


「マサキ、バックホー動かせるか?」
「動かせますけど、免許持ってないですよ」

「私有地のようなもんだからな、
 そのまま山に乗ってってくれ」

ケンジとマサキは裏山の道を広げる
工事に取り掛かろうとしていた。
ヒカリは裏山の所有者が自分である事は言わず、
母の許可を得たとみんなには伝えた。

マサキは早速、バックホーのドーザー部分で
道を広げだした。
正確には左右の草むらや
斜面を削り取りながら道を広げていった。
ドーザー部分で削られた土は、
ケンジがシゲさんから借りて来た軽トラックに
みんなで積み込んだ。
時々工業大学の学生も手伝いに来てくれた。

シゲさんも工場の社員を連れて手伝いに来てくれた。

「こりゃ一大工事だな、
 土木学科の連中も引っ張ってくるか・・・」

そう言って甲高い声で笑っていた。

春のお茶会まで一週間を切っていた。

エピソード3

エピソード4


補足説明

H鋼

https://www.yamatokogyo.co.jp/steel/product/steel/steel01.html

3Dスキャナ

https://premium.ipros.jp/myrtos/product/detail/2000549580/

だいたい補足説明しなくちゃ伝わらないような
小説ってないわーー
って思いますよね(笑)

サポートいただいた方へ、いつもありがとうございます。あなたが幸せになるよう最大限の応援をさせていただきます。