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小樽 雪あかりの路

毎年この時期、小樽では「雪あかりの路」
が開催される。雪道の両脇にずらりと
並んだ小さな「かまくら」。夜になると
蝋燭が灯り、何ともロマンティックな小路となる。

何年前だったろう。
この路を歩いた。
ふたりで。

駅で待ち合わせしたのか偶然会ったのか、
もう覚えていない。ふたりは共通の友人の
LIVE会場へ行く途中だった。
開場まで時間があったから歩いたのか、
それとも歩いてから行こうとなったのか、
今となっては記憶も曖昧なままだ。

でも、この路の景色は良く覚えている。

真っ暗な小路に蝋燭が灯ってどこまでも
続く様は、言葉に出来ないほど美しく
幻想的だった。

だが、幾ら私が北海道出身でも、雪道を歩くのは危うくて、何度も転びそうになり、随分と楽しそうに笑われたものだ。

仕舞いには、見るに見兼ねたらしく、
「僕に捕まって下さい」
と差し出された左腕。それは、
思うより太くて、たくましかった。

ダウンジャケットを着ているのに、
その腕からほんのりと伝わる温もり。
流れる景色も、より温かく輝いて見えた。

今はもう、一緒に歩く事も叶わない有名人
である。素敵な想い出をありがとう。

(photographer  リスナー様)



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