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念願のシンガポール再上陸

 前回書かせて頂きましたように、2022年9月に苦節5年、やっとのことで2023年3月3日から3週間+2週間、計5週間のシンガポール高島屋での展示販売会が確定した。前回から、実に5年半ぶりのシンガポールでの展示販売会である。準備期間も半年あったので、ある程度余裕はあった。前回は催事だったため限られてスペースしかなかったので箪笥のみの展示だったが、今回はスペースも期間も十分にあるので、箪笥と言うよりは家具中心の展示でチャレンジすることにした。しかも、日本から製品を送るのではなく、香港にある在庫を転送する新たなスキームにもチャンレンジすることにした。

海外から海外の場合はやはりローカルですね

 と言うのも、オミクロン株の発生以降、香港の調子が振るわなかったため、かなりの在庫が香港にはストックされていた。その結果、日本からは、一切送らないでも十分なだけの在庫があったため、新たに製造する製品もなくかなり余裕があったが、一方で、香港からシンガポールに製品を送るのは初めての経験だったので、万一に備えて、早めに準備に取り掛かった。まずは、いつもお願いしている、日通に相談したところ、日本から送った製品をシンガポールに送るにあたって産地証明等、何かと提出書類が増えると言われたのだが、香港ローカルでシンガポールとの輸出入もやっている別の物流会社にも相談したところ、そんなものは必要なく、通常通りインボイスを作成するだけで良いと言われた。しかも、見積もり価格も香港ローカルの方が明らかに安価であったため、迷うことなく、香港ローカルを選択した。まあ、考えてみれば、当たり前のことで、日通は日本の企業なので、結局、日本経由で仕事を進めると、どっかに余計なコストが発生してしまうのであった。ある意味、良い気付きであった。
 商品及び物流に関しては早々に方向性が決まった。今回は、日本からの製品の発送がなかったので、当然のことながら工房への負荷もなく、いつものような慌ただしさは一切なく、非常に緩やかに時が過ぎていった。やるべきことと言ったら、レイアウトの作成とそれに伴う装飾をどうするか程度であり、逆に余裕過ぎて、本当にこれで大丈夫なのかと心配になるくらいであった。そして、気が付けば、開始数日前となり、5年半ぶり、そして、初めての単独開催とは思えないくらい緊張感のない状態でシンガポールへと旅立った(笑)

シンガポール高島屋

 今回は、前半後半で場所を変えて、合計1か月以上の会期だったため、流石にフルで滞在するのは時間的にも経済的にも難しかったので、最初と最後の1週間づつの滞在とした。2回の来星そして合計2週間の滞在ということもあり、コストカットのためややへぼ目のホテルにしたのだが、思った以上にへぼくとても残念な気持ちになったのであった。しかしながら、そんなことくらいで凹んでる場合ではなく、深夜の搬入のために、早々に高島屋へと向かった。
 深夜の搬入も滞りなく済み、ホテル以外は何の問題もなく非常にスムーズ事が運び、晴れて5年半ぶりそして、初の単独での展示販売会の初日を2023年3月3日(金)に迎えることが出来た。金曜日だったこともあり、初日の午後からは中々の人の入りで、夕方以降はむしろかなりの混みっぷりであった。在りし日の、香港そごうの光景を思い出し少し胸が熱くなった。そんな感傷に浸っていたところ、激熱のお客様が現れ、約30分の熱い攻防を経て、なんと初日にもかかわらずに即決で成約したのである。しかもダイニングセットなので、初成約のため多少高めの値引き率とはなったが、十分な売上であった。まさか、初日から大物が動くとは思っていなかったので、かなりの嬉しい誤算であり、シンガポールへのただでさえ大きな期待が更に膨らんでしまい、勢いで香港から追加で同様のテーブルセット等の配送の手配までしてしまった(笑)。ところが流石に、そうは問屋が卸してくれず、翌日は小箪笥が売れたが、その後はしばらく小康状態となり、気が付けば1週間が経ち、後ろ髪引かれる思いで、帰国の途に就いた。

在りし日の香港そごうはもっとすごかったかも

 それから約10日が経過した。なんと香港から到着したばかりのテーブルセットがまたしても即効で売れたのであった。シンガポールの人はテーブルを持ってないのかなと思ったくらいである(笑)。その後、しばらくはまたしても小康状態が続き、後半戦を迎えるタイミングとなった。後半戦の方が、場所も良く、スペースも広く、装飾もできるので、検討中のお客様が動いてくれるのではないかと期待が膨らんだ。唯一の心配はセットチェンジの際に立ち会えない事であったが、結果的に何の問題もなく、杞憂に終わった。

かなりの好立地(^^)/

 後半戦開始後も残念ながら小康状態が続いた。そして、あっという間にラスト1週間となり、再度シンガポールへと向かった。今回も、別のへぼいホテルに泊まったので、相変わらず残念な気持ちになったが、それ以上に残念なのは、売上が伸びない事であった。気が付けば最終日を迎えてしまった。最終日も時間ばかりが過ぎていき、もはや半泣き状態であった。半ば諦めかけていた際に、明らかに冷やかしとしか思えない、よれよれのシャツを着たおっさんとやけに話しかけてくるおっさんが同時にやってきた。
僕がやけに話しかけてくるおじさんと英会話の練習をしてる脇で、よれよれのシャツを着たおじさんが販売員に勧められたのか、次々とソファに試し座りを始めた。内心では、座ってくれるなと思っていたが、次第に様子が変わっていき、気が付けば価格交渉が始まっていた。そして、最終日特別価格的な感じで提案したところ、なんとすんなり成約してしまったのであった。ソファセットだったため結果的に、会期中で一番の大型受注となった。まさかの、試合終了間際の成約に、スラムダンクの安西先生の名セリフが脳裏をかすめた。深夜の撤収作業もホクホクのまま終え、翌日は軽く観光までして、無事帰国の途に就いたのであった。
 そして、この成約のおかげもあってか、10月の催事への参加も後日正式に決まったのであった。

マイナスイオンを浴びて帰国の途に就きました

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