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今年の夏は君そのものだった。思い出も溶けて、全部なくなってしまえばいい(6月にしたサヨナラの続き)

夏の香りがカラダに馴染み始めた頃。夏はまだまだこれからなのに、私は既に今年分の夏を消化しつくした気がする。今年はあの人そのものだった。それくらい数ヶ月分の思い出がぎゅっとあの時間に凝縮されていたってことだよ。

そして、7月中旬の経過報告。
先月の決意はちゃんと続いているんだ。
6月の最後にしたサヨナラ。ここで決めた強い気持ちを曲げずに7月を私はちゃんと生きている。(詳細はここ)

4月から週2回。何かしら理由をつけて会って、一日も欠かさずに連絡をしていた訳だから、心にも時間にもぽっかりと穴が空いてしまうんじゃないかとも思ったけど、意外とそんなことはなかった。

ここでふと思い出したから、思い出の消化をしてもいいかな。私はこうして文章にすることで自分に起こった出来事を、整理して過去の出来事へと変えようとする。(或いはnoteのネタとして消化している節もある)

会社の先輩。結局敬語はすぐに取れたけど、呼び方は最後まで変わらなかったなあ。(今ではそれでよかったと思ってる)

彼は私のつけていた香水が好きだったらしい。別にスタメンでもないそれをたまたまつけて行ったのが、初めて2人でご飯に行く日だった。それからあんまり使わないから別に買わなくてもいいはずなのに、一緒に時間を過ごすための口実として、一緒に詰め替えのそれを買いに行った。もうそんなに使うことなんて、なくなってしまうのが若干悔しい。

2人で会う時はご飯→散歩が当たり前のコース。お店を出たら近くのコンビニに寄って、アイスを買う。本当はダイエットだってしていたしアイスを食べたいわけじゃない。2人がそこにいる口実を作るためだったんだ。

私のこと今でもただの食いしん坊だと思ってるでしょ?でももうどう思われたっていいや。会えないし会わないから。

2人の気に入ってるパン屋さんが偶然同じで、おすすめはたまごサンドだと言っていた。今日のお昼そのお店に行った時美味しそうだったからたまごサンド、手に取っちゃったんだよね。いつもなら次返信来た時、お昼ご飯の写真を添えて食べたよって教えようかなとか思ってるんだろうな…

彼の最悪な(誰かにとっては最高で世界一幸せな)インスタの投稿から、私たちは一度も話していない。あの人もそうとを望んでいるんじゃないかと思うくらい、もっと言えば私の住む世界から消えちゃったんじゃないかというくらい、パッタリと音も匂いも消えていった。それでも私はあの時の記憶を否定しないよ。

何もかも、もうはっきりと思い出せない。ただあの時の嬉しかった言葉とモヤのかかった記憶を頭の中で再生して、一瞬だけ思考が停止する。でもそれっきりで、心はちくりとも痛まなかった。(ということにして強がっている)

この前はあの人の誕生日だったし、本当は「飲み行こ〜お祝いしてあげるよ」だなんて都合をつけて連絡しようとしてた。上から目線で強がって誘うけど本当は会いたいのは自分だったくせに。可愛くない私。

でもそれは先月までの自分ならの話。彼に会うためなら理由なんてどうでもよくなくなるし、自分からガンガン誘ったって、会えるならいくらダサくてもよかった。

もうこれであの人のことを書くのはやめる。最後にするの。6月は物理的なサヨナラで、7月は本当の別れを決意する。本当にもう連絡しないから。誕生日という最高に連絡しやすい口実を乗り越えたんだから、もう私はかなり成長したんじゃない?と今はそう思ってる。

すごくすごくむかつくけれどあなたの不幸なんて願わない。ただ私は私の幸せを願う。彼との思い出のおかげでもっと自分本位に生きようと思った。

今ちょうどあの人が買ってくれたアイスを食べながらこの文章を書いている。なんか勿体無くて大事にとっておいたけど、今食べてわかったよ。味いつもと変わらないじゃん。

春に始まり夏に入る頃には消えていった特別な感情。簡単に好きだったなんで言わない。いろいろなことがありすぎてもう今年の夏はお腹いっぱいだよ。

思い返せばそんなに短くは感じないほどにのめり込んでいたみたい。キラキラした思い出も、低くて心地よい声も、私を笑顔にさせるわざとらしい言葉も、溶けてなくなってしまえばいい。そしてたまに思い返して、あの頃を恋しくなってしまう気持ちも全部ね。

だって、たまごサンドはあの人だけのものじゃないんだから。

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