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鎌倉長谷と『怪と幽』12号 書評寄稿

 鎌倉の長谷というと10メートルほどもあるのっぽの観音様や美男でおわす阿弥陀様などとにかく大きな仏像で有名ですね。でも、私にってはもっぱらお寿司をはじめとするおいしいものを食べに行くところなんです。
 今夏出た雑誌「地域人」で紹介記事を書いた「鮨山もと」さんは以前からの行きつけで、流石に毎月とはいかないですが、数ヶ月に一度はおいしいやつを摘んでおります。トップ画像は10月に食べた鯵の握りね。もうね、溶けました。

 と、食べ物が枕なんだけど、お知らせは昨日のつづきでお化けの雑誌『怪と幽』最新号での仕事です。

 本日は寄稿した書評のお知らせ。『怪と幽』になってから回り持ち制になったために寄稿回数が減り、書こうと思っていた本が別のレビュワーに取られてしまう、なんてことがよく起こるようになったのですが、今回もレビュワー間の取り合いがあった模様(インサイダー情報)。私は一勝一敗だったらしい。お化け関係の本が数多出る今でも、書評家を惹きつけるような作品は限られる、ということなんでしょうね。

 私が取り上げたのは梨『かわいそ笑』、松村進吉『丹吉』、三好愛『怪談未満』の三冊です。

 それぞれが作品として優れているのはもちろんですが、こうしたある種のメタ作品、あるいは現実との接続志向が強い作品が異なる分野で続いて出てくるのは妖怪/怪談ブームの帰結ではないか、という仮説を文中投げています。実は、今回取り上げられなかった他の作品、たとえば新名智『虚魚』や澤村伊智『怪談小説という名の小説怪談』にも同じ”空気”を感じたんですね。フィクションの世界で起こる怪事をいかに現実らしく記述するかよりも、フィクションに現実を侵食させる物語が増えてきているんじゃないかなあって。
 ファンタジー分野では人生をフィクションに放り込んでしまう転生モノが流行してるのと比較しつつ検証したらおもしろいんじゃないかなあとか思いつつ、そこまで書き切るには文字数が足らなかったのでブサイクながらここで追記。
 この問題は個人的に強い興味があるところなのですが、深掘りしている時間が今はない……。誰か、やって。(他力本願……って表現したら知り合いのお坊様方に叱られそうだ)。

 明日からはライター仕事で担当した記事をご紹介しますのでまた読んで下さいね。


 

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