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バーとバールとバルと

barと記して、国やその店の形態によって、「バー」「バール」「バル」と読み方が変わってくる。

「バー」と呼ばれる店は、主にアルコール類を提供する酒場で、イメージ的には主に夕方から夜にかけて営業しているように思われる。

イタリアの「バール」は、コーヒーやジュースなどのドリンク類、ブリオッシュやパニーニ(パニーノ)などのパン類の軽食、小焼き菓子などが提供され、アルコール類もあるが、朝食をバールで食す習慣の人もいるぐらいなので、たいてい朝早い時間から営業している。店内に厨房もある場合にはランチメニューを提供する店もある。Tavola fredda(ターヴォラ・フレッダ)・Tavola calda(ターヴォラ・カルダ)と記されているところもあるが、フレッダは「冷たい」の意味で、コールドメニューのみ提供する店。カルダは「熱い(温かい)」の意味で、ホットメニューも提供する。各店の雰囲気にもよるが、カフェやコーヒーショップ的な店である。また、他の飲食可能状況同様に、すべてのバールがあてはまるわけではないが、店によっては夕方からapertivo(アペリティーヴォ)と呼ばれる形態で、ドリンクをオーダーするとスナックやおつまみが付いてくるサービスものは提供しているところもある。

スペインの「バル」については、わたしは行ったことがないので、上記Wikipedia のリンク内の説明を引用する。

スペインのバル(bar)は、喫茶店と居酒屋と食堂とコンビニエンスストアが一緒になったような飲食店を指す。朝はコーヒーを、昼には食事とビール・ワインを提供し、夜はタパス、ピンチョス、アヒージョといった小皿料理と酒を提供する店が多い。飲食だけでなく、電話を借りる、店内のスロットマシンで遊ぶなど日常生活の延長線上にもあるとも言える。

Wikipedia バール(飲食店)

イタリアのバールと似ているところもあるが、おつまみの小皿料理がやはりスペイン料理に特化しているのだろうか。
「電話をも借りる」という点については、現在でもそうなのか否かが気になるところだ。

同じアルファベット表記でも、微妙に発音も異なれば、店の内容も変わって来るので、どういった店かによって呼び分けているのだが、日本の方の使い方を見ていると、その3種類のどの呼び方に馴染みがあるかによって、他のタイプの店もその呼び方にする方がいるのだなということに気が付いた。
たとえば、イタリアのバールのことを指しているものの、英語圏での生活経験があったり、英語により親しんでいる方の場合、それを「バー」と呼んでいたり、日本では「スペインバル」の出店が近年わりと多いのか、イタリアのバールについても「バル」と呼んでいるケースに出会ったことがある。

双方が分かればまあ問題はないのだけれど、ひとつの会話の中で同じ場所を指しつつも、それぞれが自分に馴染みのある呼び方をしていることは、なんだかおもしろいと思う。

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