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みみみ
2021年2月26日 17:57
例えば書庫出納。申し込んだ利用者には番号札を渡し、本のレシートの端っこにその番号を書いて、出納係の人に渡す。その番号すら、判読が難しいときがある。新人のN藤くんの字は、小学一年生のそれのように振り幅が激しく、しばしば心の眼で読まなければならない。車いす用の自習席に電気がつかない、と言っておじさん(ちなみにそのおじさんは車いすではなく、ただの正義の人)が窓口で怒鳴り散らす。おじさんのことは
2021年2月19日 19:25
大学受験で初めて訪れたまちの博物館で、わたしは「マラーの死」を見た。裸で、脇腹を刺されたマラーは、画面いっぱいにぐったりとうなだれている。初めて見た実物は、ものすごく大きかった。歴史の教科書に載っていたので、どんな絵かは知っていたものの、このサイズは予想外だった。マラーは持病の水虫のために、しょっちゅうお風呂に入っていた。その無防備なときを狙って、反対派に命を奪われたのだった。殺された上に、
2021年2月5日 20:38
玄関を入ってすぐのところに謎の人間像がそびえ立っている。なんでも外国の町と友好都市になった記念に作られたとかで、彼女(?)の着ているドレスには、両都市を象徴すると思われる特産品が描かれている。彼女の左半分は黒髪に黒眼、右半分は金髪に青眼。表情は特にない。像の飾り場所はすぐには決まらず、あちこちで断られた挙げ句、図書館に「押しつけられた」と聞く。今はBDS(貸出手続きをせずに本を持ち出そうと
2021年1月29日 22:25
図書館で働く人は極端な人が多い。事務室を見渡しても、ものすごく潔癖な人か、片付けという概念を知らない人かの2択に分かれる。K川さんの机の上は、無印で買ってきたファイルボックスに書類が整然と分類され、あいまいに投げ出されたものはひとつもなく、清浄な空気が流れている。一方向かいの席のI元さんの机の上は積載量の限界を軽く超える高さまでありとあらゆるものが積み上がっている。のみならず、机の横にはこ