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現場で保険を取り扱う保険屋が、発達障害や精神疾患に関するネットの書き込みの嘘・本当を切る

日々、発達障害の方に関する保険を取り扱っています。

そもそも発達障害は何かという理解や、受けられる社会保障などの制度、加入できる保険種類の知識においては、かなり詳しい方ではないかと思います。

TwitterやGoogleで「発達障害 保険」と検索してみると、現場で日々保険を取り扱っている人間からすると、間違った知識が散見されます。

そこで今回は、発達障害と保険に関するネットの記事やTwitterの書き込み、実際に頂いた質問などを現場目線で本当か嘘か、書いていきたいと思います。

2021年2月19日時点での話になるため、今後変わる可能性があります。

発達障害の診断を受けると保険に入れない

誤り。

ネットで結構見ます!!!

そんなことありません!!本当にたくさんの人に伝えたいです!!!
診断を受けても保険には入れます!!!

入れる保険が緩和型になることはありますが、発達障害なだけで全ての民間の保険に加入出来なくなる訳ではありません。
「緩和型は高い」とも言われます。
実際多少高くはなりますが、どれぐらいの価格差かを確認して欲しいです。
内容がほぼ同じで、とある会社の保険よりも、別の会社の緩和型の方が安い、という事態もありました。

保険屋さんに「加入できない」と言われた方。
その保険会社がたまたま入れず、保険屋さんが知らなっただけです。
しっかりと探せば加入できる保険はあります。
収入保障保険も加入できるタイプあります。診断時期によっては無条件の保険もあります。
(入院していたり、他の診断を受けている場合はまた異なります。)

診断を受ける前と後、通院の前と後で、加入できる商品の数が大きく異なるのは事実です。

診断を受けても加入できる保険はありますが、選択肢を広く持つためには診断や通院の前に保険加入することが大切です!

うつは寛解してから5年経たないと保険に入れない

誤り。
治療中でも診断から期間が経っていると加入できる会社もあります。

発達障害を診断されると保険が更新できなくなる

誤り。
更新型の保険はある程度の年齢まで自動更新になっているはずです。

自動更新の保険の場合は、診断の有無に関係なく保険を継続できます。
ただ自動更新できる期間が終わると、その時点で新しく入り直しになるので、そこでは新たに告知が必要になります。
自動更新の保険は、何歳まで更新可能か確認しておくことが大切です。

ADHDの治療を続けていると緩和型の保険にしか入れない

誤り。
診断後に継続して治療し、症状が安定していると、緩和型でない保険に入れることがあります。むしろ、診断を受けてから治療期間が長い方が、普通の保険に入れる可能性が高まります。
医療保険では精神疾患による入院が不担保(精神疾患の入院ではお金が出ない)になることはあります。

ASDの治療を続けていると緩和型の保険にしか入れない

誤り。
診断後に継続して治療し、症状が安定していると、緩和型でない保険に入れることがあります。治療によっては割増保険料(特別保険料)が発生することがあります。
こちらも診断されてすぐよりも、期間が経過している方が無条件の可能性は高まります。

軽度の知的障害だと、ぜんち共済しか入れない

誤り。
①約款の内容が理解できること
②就業していること
③単独での交通機関の利用や買い物が出来ること
④契約者と被保険者が同一であること
などをクリアすると、引受可能性のある保険会社があります。
ぜんち共済は選択肢の1つではありますが、それだけではありません。

重度の知的障害だと、ぜんち共済しか入れない

誤り。
死亡保障になりますが、後見人がいれば加入できる可能性がある保険会社はあります。

がん保険や特定疾病に関するは無条件で入れる

本当。
ただ、会社によっては発達障害を告知しなければならず、そのためにがんや特定疾病の保険も緩和型でないと入れない会社もあります。
無条件の会社を探すことが大切です。

子供の発達障害は民間の保険に入れない

半分本当、半分誤り。
一般的に保険でイメージされる生命保険(死亡保障)や医療保険の加入は困難です。
ただ、がん保険だけであれば、問題なく加入できる会社もあります。
また、親が健康であれば加入できる学資保険もあります。(親が被保険者になるので正確に子供の保険ではありませんが。)

共済であれば、加入は可能です。

2021年10月追記
現時点でお子様の発達障害でも加入できる民間の保険会社を2つ見つけました。
1つは医療保険、1つは損害保険会社が出している医療保険です。
ご興味のある方はお問合せ頂けると幸いです。

発達障害は住宅ローン組めない

誤り。
発達障害であっても人によっては、問題なくそのまま団信に通る方もいらっしゃいます。
また「ワイド団信」や、「フラット35+緩和型収入保障」という選択肢もあります。
発達障害なだけでは住宅ローンを組めない理由にはなりません。

どの組み合わせで組むかにより、100万円以上支払いの差が出ることもあるので、シミュレーションが大事です。

発達障害は告知しなくてもいい

誤り。
「発達障害を告知しなかったからって保険が出なかった人に会ったことないから、言わなくていいよ」
これは実際にあるお客様が、発達障害の専門医に実際に言われた言葉だそうです。
告知事項に該当する場合は、絶対に告知してください。
告知義務違反に該当すると、保険が解除されます。
発達障害の告知義務により、保険が解除された例を載せておきます。

医者に行ったけど、結果が出る前なら普通の保険に入れる

誤り。
医者に行ったこと自体を告知する必要があります。結果が出るまでは、保険の加入を延期になるケースがほとんどです。
もし加入を検討される場合は、医者に行く前に行く必要があります。
診断結果で何もなければ、それを告知しましょう。

統合失調症は入れる保険がないと言われた

誤り。
統合失調症で現在投薬治療中の方にも保険にご加入頂けております。
特に難しい病気であるのは確かですが、加入できない訳ではありません。
しっかり探せばあります。

子供が発達障害で、他人の物を壊したりした時用の保険に入った方が良い

これは、その通りだと思います。(感想)
でも、もしかしたら新たに加入する必要がないかもしれません。
火災保険や自動車保険の特約に付加されているケースがあります。
まずは、ご自身やご家族の火災保険や自動車保険をご確認ください。

まとめ

これまで見かけたネットでの書き込みや、実際に頂いた質問をまとめました。

「発達障害は」と主語を大きくしてしまうと、見えてこなくなる部分があるので、最後は個別になるのですが、

発達障害だからと言って保険に入れないことはない。

これだけでも覚えて頂ければ幸いです。

「発達障害では入れる保険ありませんよ」
という保険屋さんは悪意がある訳ではなく、ただ知らないだけです。
自分自身がそうだったので良く分かります。
一生懸命やっていても勉強していないと力になれないどころか、間違った案内で誰かの人生を不幸にしてしまう可能性があるのがこの仕事の怖いところであり、深めていく理由です。

正しい知識がないために必要以上に不安になったり、思い悩まなくていいように、僕ももっと勉強して、役に立つ幅を広げていきます!!!

ご相談お待ちしています!!!

https://note.com/momotosewonder/n/nbedabfaab1b8

発達障害の方向けのFPサービス活動しています。

お困りの方ご自身や、ご家族ご友人でお困りの方、お気軽にお問い合わせください。また、友人や知人の方が「発達障害と保険」の話をリアルやTwitterでしていたら、ご紹介頂けると幸いです。

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