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読書感想文

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#読書感想文

いっぴき

いっぴき

いろんな、いっぴき

全部いっぴきだけど全部違ういっぴき

音、歌詞、リズム、ひとつひとつが青春

好きだった人を思いながら聞いた曲、励まされた曲、

せつない気持ちになった曲

いろんな感情が、鮮明によみがえる言葉、愛おしい

メロディーのない文章もどこかリズミがあって、声に出したくなる

その瞬間の直感に全エネルギーを詰め込む強さ

反動で内側に沈み込む脆さ

まるで自分の過去を振り返ってるみ

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52ヘルツのクジラたち

52ヘルツのクジラたち

52ヘルツの鯨(52ヘルツのくじら, 英語: 52-hertz whale)は、正体不明の種の鯨の個体である。
その個体は非常に珍しい52ヘルツの周波数で鳴く。
この鯨ともっとも似た回遊パターンをもつシロナガスクジラやナガスクジラと比べて、52ヘルツははるかに高い周波数である。この鯨はおそらくこの周波数で鳴く世界で唯一の個体であり、その鳴き声は1980年代からさまざまな場所で定期的に検出されてきた

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一生のお願い

一生のお願い

大好きな人の書いた本

「書かない皆はどうやって自分に落とし前をつけて生きているんだろうと思うくらいに、私には爪を切るのと同じくらい、なくてはならない儀式だ。」

結婚指輪だって必要ないと思っていた。仏教徒だし、これみよがしに左手の薬指に輪っかを入れるのはなんだかこっ恥ずかしい。自由を愛する二人としては、何よりも束縛感が気になった。とまあ二人ともそんなノリで、柄じゃないからいらないよねーと一時はな

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勝手にふるえてろ

勝手にふるえてろ

普段表に出さないだけで、人にはだれでも「こじらせている」「歪んでいる」部分がある、と、おもう

「人のめんどくさい部分」「こじらせた部分」を、ヨシカの恋愛模様を通じてリアルに表現されててわわってなった

綿矢りかの「唯一無二の心理描写」を一気に浴びられる

二人の男性の間で揺れ動く女性の微妙な感情の動きを執拗に描いていく綿矢りさ

初恋の人と結婚に至る確率は1%程度という現実は、”わずか1%”と感

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そして、バトンは渡された

そして、バトンは渡された

「楽しいときは思いっきり、しんどいときもそれなりに笑っておかなきゃ」

血のつながりはなくとも、互いを大事に思いあえる人たちに囲まれて生きてこられた主人公は幸せ

ほっこり優しい気持ちになれるお話。
嫌な人もいるけどほとんどのキャラクターは本当にみんな良い人、、いいひとすぎる高校生を養うのにはお金が要るけど、そのあたりはまったく問題にされない優しい世界

全員が全員を想い合っている 本は、内容によ

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泣きたい夜の甘味処

泣きたい夜の甘味処

ほんの少し日常に『好き』を混ぜてみよう

昨日まで20時間くらい寝ないと身体が動かなかったしお風呂も4日間入れなかったのに

今日は目を瞑っても意識は遠のかないし気持ち悪い、なにもできない

いわゆる躁鬱だな〜を実感して苦しい

なにも食べられないし、食べても戻すを繰り返していたのでおいしい小説を読もうと思った

その第一歩です、これは。

癒されているという感覚は確かにあるのにこんなに泣いたのは

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舞姫

舞姫

割と内容はチープだと感じた

ドイツへ留学した官僚の豊太郎は、踊り子エリスと恋に落ちる
免官されエリスと暮らし始めた豊太郎だが、友人の相沢に、出世の道に戻るためにエリスと別れるよう諭される
豊太郎は葛藤の末、妊娠したエリスを残し帰国する

もっと簡単に言うと

大体将来有望な青年が美人であまり金を持っていない女性に言い寄られいい気分でいたけど身分違いなので捨てた

時代に翻弄された青年の苦悩

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パンドラの匣

パンドラの匣

向日的作品

太宰治で1番好きだと思う

小柴利助は20歳の時に結核療養の病院に入院することになり、「ひばり」というあだ名で呼ばれるようになる

個性的な院長や医師たちと親交を深めていき、ひと癖もふた癖もある同室の患者たちと独特な療養生活を送る

偉大な詩人からアドバイスをもらい、憧れていた看護師とのわかれを乗り越えたひばりは精神的にも肉体的にも健康になっていく

青春特有のパワーとか思考みたいな

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ぐるり

ぐるり

普通の人の、どこにでもあるような出来事。

それはもしかしたら自分の記憶かもしれないと錯覚するような、

ありふれたことをきらきらした言葉で表現してくれて、わたしの普通をきらきらにしてくれる言葉

「自販機のモスキート、宇宙のビート版」は「雲走る」とか「キャラメルプリン」

「卒業式」は「サラバ青春」

物語の節々から感じるチャットモンチーの色、懐かしさ

戻らない時間に胸が痛むこともあるけど、

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人間失格

人間失格

人間失格

「恥の多い生涯を送って来ました」

「弱虫は、幸福さえおそれるものです。綿でけがをするんです」

「世間とは、個人じゃないか」

「愛情もまた、自分にとって深すぎました」

「恥の上塗りをするだけなんだ」

「自分の不幸は、拒否の能力の無い者の不幸でした」
「神に問う。信頼は罪なりや。ヨシ子が汚されたという事よりも、ヨシ子の信頼が汚されたという事が、自分にとってそののち永く、生きておら

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