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【掌編小説】タコさんウィンナー♪

 秋。

 快晴の休日。

 私は、さわやかな風に誘われ、近所の緑地公園内周回コースで、ウォーキング♪

 芝生の上、お弁当を広げている家族、膝枕でイチャイチャイチャつくカップル、それぞれに、心地良い、ポカポカ陽気を、楽しんでいた。

 私は、せっせとウォーキング♪

 ゆるやか~に、左へカーブしながら歩いていると、10m程前、木陰のベンチに、若いママさんと幼いボクちゃん。お弁当を楽しんでいる様子だった。

「タコさんウィンナーーーッッッ!!!」
「うわ~ッ♪ タコさんウィンナー上手にはさめたね~♪ お箸上手になったね~♪」

 そんな微笑ほほえましい声が、聴くとはなしに、聞こえて来た。

 二人の前に近づいて行くにつれ、親子間の話がしっかりと聞こえた。

「ママ~ッ」
「なぁ~に?」
「僕のオチン○ン、タコさんウィンナーより、おっきい~?」
「おっきいよ~♪」

 親子間の話って……、

「おやっ! 股間の話か~い!」

 ……な~んて、心の中でツッコミながら、その親子の前を通り過ぎていると、

「パパのオチン○ンは、僕のより、もっとおっきいんだよッ!」
「そだね~」
「えッッッ!!! ママ知ってるのッ?!」
「いやいやいやいや、これこれっ! シ~~~ッッッ!!!」

 私に聞こえたと思って、ママさんが、恥ずかしそうに、顔を赤らめながら、慌てて右の人差し指を唇の前に立て、ボクちゃんの話を止めようとした。

 ……がっ!

 止まらないっ!

「ママが知らないと思って、僕、親切に教えてあげたのに~。パパのオチン○ンが、僕のより、ずっとずっと、おっきいこと、ママ、何で知ってんの~ッ?!」
「アハハ……、もう~、この子ったら、何言ってんでしょうね~、アハハハハハ……」

 私も、一応、聞こえていないフリをしながら、通り過ぎてはいるものの、ただただ吹き出しそうになるのを、必死にこらえていた。

 ……がっ!

 ボクちゃんは、止まらないッッッ!!!

「ねぇ、ママ、見たんでしょッ! パパのでっかいオチン○ン、見たんでしょッ!」
「ちょ、ちょ、ちょっとちょっとッ! あんたッ! シ~ッてば、シ~~~ッッッ!!!」
「ねぇ、何で~ッ?! 何で、ママは、パパのオチン○ンがでっかいって知ってんの~ッ?! ねぇ~、何で何で~ッ?!」
「ス、ス、ストップ! お願い、ストップストップ!」
「ママ~、いわゆる、大人の事情って奴でしょ~♪ ヒッヒッヒ~ッ♪」
「プッッッ!!!」

 結局、私は、吹き出した♪

 おませチックなボクちゃんの、ロマンティックが止まらない♪

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