私的・宮本浩次の昭和歌謡カバーがグッとくる訳

宮本浩次の昭和歌謡カバーにハマっている。

初めてこの人の昭和歌謡カバーを聴いたのは『赤いスイートピー』だった。
衝撃だった。
まさかの原曲キー。
わぁわぁと、いつもの感じ、
いつもの浩次(なんで呼び捨てやねん)、
松田聖子の可憐な(?)あの曲を原曲キーのまま力いっぱい歌う。
びっくりして、なんかちょっと笑ってもうた。
でも、ほろっと、3番で、グッときた。
「あなたの生き方が好き」、ここで。
なんなんだ。めっちゃ、ヒロイン、やった。
髪ぐしゃぐしゃして力いっぱい歌うおじさんが、
この瞬間、めっちゃ、ヒロインやった。
憑依、なんて言葉は簡単に使いたくない。てか、そこにいるのはおじさん、浩次やもん。
けど、めっちゃ伝わってきた、この曲のヒロインの気持ちが。
「あなたが好き」って気持ちが!直球で!
うわー!すげー!

最近、ソロ活動に力を入れ出して、テレビ番組などで昭和歌謡カバーを歌うのをよく見る。
インタビュー番組で語っていたことには、コロナの自粛期間にハマっていたらしい。
元々昭和歌謡が大好きで、この度のことで、1曲1曲大事に歌っていた、と。

松田聖子の『赤いスイートピー』。
太田裕美の『木綿のハンカチーフ』。
山口百恵の『さよならの向う側』。
小坂明子の『あなた』。
ちあきなおみの『喝采』。
ほかに、勿論、男歌も歌ってる。
ジュリーとか、キヨシローとか、桑田佳祐とか。
でも私は上記の、特に4曲がすごく好きで、なんだ、沁みて。なんなんやろー、ってなる。

正直言うと、私はこれらを含め、昭和歌謡に描かれるヒロインに疑問が多い。
ヒロインに、じゃないな、ヒロインを生み出した人たち、と、好む人たちに、かな。
例えば『木綿のハンカチーフ』のヒロイン。
なんなん、このある一定の(大半の?)男目線でいうところの理想的「けなげに待つ女」。
を、捨てて調子いいこと言う男!……に最後にお願いをする……というこの歌、が、人気となる風潮。
例えば、『あなた』のヒロイン。
これは小坂明子本人が(しかも高校生の時に作詞作曲して)作ったわけやけどな。
これを「かわいい」「理想の夢見る少女(といい奥さんになりそう)」「いい曲」みたいな感じ。
なんだかなあ、である。
けれど、昭和の歌、昭和の考え方やから、ある意味、しゃあないのかもしれない。
しゃあないって言葉は使いたくないけど、でも、しゃあないのかもしれない。
時代の風潮だったり、日本という国の古来からの考え方が大きく影響していたり、もある
うん、生み出されたヒロインは悪くない。歌った歌手も悪くない。
そしてそれらを生み出した人、好む人、皆、悪くない。
……っていうのは、さておき、いったんはさておき。(別テーマになるよね。笑)

宮本浩次がこれらの曲を歌うと、
ヒロインの気持ちが、まっすぐ、まっすぐ、飛んでくる。ように私には聞こえる。
時にオリジナルの歌手が歌う以上に、歌の中の主人公の気持ちが伝わる気すらする。
だから、聴いていて、時にほろっと涙が出たりする。
髪わしゃわしゃの黒いおじさんが力いっぱい歌うてるのに、いや、歌うてるからこそ。

なんかね、すごく、うれしくなった。うれしくなる。

曲に対するリスペクトがある。
曲の中のヒロインをめっちゃ愛してはる。
だから、原曲キーで、まっすぐ、気持ちをこめて。
気をてらったり、「俺!」「俺!」ってエゴや過剰に滲む自意識じゃなく、
「曲」と「曲の中の人」を大事に、尊敬して、歌う。リスペクトと愛。
なんか、うれしい。うれしくない?
さらに、それを歌える、確かな技術がある。
確かな技術=愛をもって抱きしめる=歌う。
曲の内容が、めちゃ伝わってくる。
と、同時に、ヒロインたちも、ちゃんと生きて、
かつ、なんか、今、現代に、こうして、愛され直すというか、
あ、この言葉おかしいな、ちゃんと愛される、ん、これもおかしいかな。
ああ、今、この人が歌うことによって、
聴く人聴いた人皆に今「愛されてる」みたいな。
今こうしてしあわせになった、しあわせに生きてる、みたいな。
ちょい深読みってか勝手な受け取り方やけど、
そんなことすら思って、グッときたり、しています。
なんか、うれしい。


◆omake◆
3か月前にはこんなん書きました。
【アイラブユーはきっと届く~宮本浩次の『P.S. I Love You』で笑い泣きした話~】

◆omakeその②◆
数日前のつぶやきやインスタにも書きましたが、『愛の不時着』にハマっています。
無事、完走しました!……のですが、その後、余韻や、いろいろ頭をめぐることやらで……
頭いっぱい胸いっぱいです。
冗談のように「2巡します」と言っていたのですが、ほんまにすると思われます。いとしい。
なんなんやろな、なんやろな、言いたいことと感想がありすぎて、わぁ、もぉ。


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