英国のクリスマスとお菓子
2023年。
ロックダウンで外出がままならなかった2020年からはや3年。
通りにはクリスマスライトの明かりが灯り、大勢の人たちが街へ繰り出し、クリスマスマーケットも大盛況。通常通りに戻ったなぁという印象です。
田舎に住んでいて感じる今年のトレンドは、村々の家にあるクリスマスライティングが派手派手しいものから、庭の木に豆電球をつけてカントリーサイド風の上品な感じにしている家が多くなった。真っ暗な風景に木の形をした豆電球がきらきらしていてきれい。このくらいの華やかさがほっとする。
さて、クリスマス。
クリスマスって、Christmasとつづります。
Christは神
Masは祝日
Christ's birth → Christmas(Christ's Mass)→神の誕生を祝う日
って、知っていましたか?
イングランドで初めてChristmasの表記がされたのは、中世の1038年。
それまでもこの日は、冬至の日(夜が最も長い日)として新石器時代(紀元前5000~3000年)には、ストーンヘンジでお祝いがされたり、イングランドに定住していたローマ人は、12月17日から冬至にかけて少なくとも5日間はローマの神を称えて祝いました。中世を経て、チューダー時代の宮廷ではさらにクリスマスを盛大に祝うように。ヘンリー8世やエリザベス1世もその中の一人でした。クリスマスの時期には観劇が人気で、シェイクスピアの「十二夜」も含めて演劇が上演されました。
とにかく、何を称えるのかは変われども、人々は当時の12月25日を特別な日としてお祝いしました。
英国のクリスマス菓子
中世からは、キリスト教の祝日として浸透したクリスマスには、いくつかのお祝い菓子が生まれました。
ミンスパイ:ドライフルーツとスエット(牛脂)スパイスなどが入ってフィリングをペイストリー生地に入れて焼く小さなパイ。クリスマスの12日間に12個食べると一年を健康に過ごせるといわれいる。
テュウェルフス・ナイトケーキ:フルーツケーキの中に乾燥した豆を入れ込んで焼いたケーキ。豆の部分に当たった人が当たりで王様。中世から1月5日の夜、テュウェルフス・ナイト(十二夜)に食べられたお菓子。ヘンリー8世の宗教改革後はその人気は下火になるが、世俗的なお祝い菓子として受け継がれ、豪華なものには真っ白で固いアイシングと装飾が施された。ヴィクトリア時代にクリスマスケーキが登場してからは姿を消し始め、今では見かけないオールドファッションのお菓子。
クリスマス・プディング:ドライフルーツをたっぷり混ぜ込んで蒸して作るお菓子。もともとは布に包んで茹ででいた(蒸していた)ので大砲のように丸い形をしていたが、時代がたつにつれてプディング型に入れて作るようになり今では半円形をしている。
キリスト教のお祝いが禁止された清教徒革命の後、ジョージ1世の時代になるとクリスマスの祝宴でプラム・プディングが復活。1740年までには、クリスマスの食卓に「プラム・ポリッジ」として並ぶように。ヴィクトリア時代になると、クリスマスはジーザスの誕生を家族で祝う日として再び祝われるようになり、プラム・プディングがクリスマスのお菓子として食べられた。
ヴィクトリア時代に活躍した作家チャールズ・ディケンズは、「クリスマス・キャロル」の中でクリスマス・プディングについて語り、家族団らんで過ごすクリスマスの様子を描いている。
クリスマスケーキ:ドライフルーツやブランデーがたっぷりを入ったリッチな風味のお菓子。クリスマス・プディングが進化したようなお菓子で、家庭用のオーブンとケーキの型が浸透したヴィクトリア時代にクリスマスにレシピが広がり食べられるようになった。
クリスマスの飲み物
モルドワイン:ナツメグ、クローブなどクリスマスのイメージするスパイス入りの赤ワイン。温めてあるのでアルコール分が低い。甘みがあっておいしい。クリスマスマーケットに行くと定番の飲み物。
【2023年12月オンライン講座】受講者集中!
ウィチェスターの街歩き&クリスマスマーケット
(YouTube動画を配信する講座です。2か月間視聴できます。)
最後までご覧いただきありがとうございます。
気に入っていただけたら♡マークをクリックしていただけると嬉しいです。
参考資料:
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?