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レッドオクトーバーを追え(著:トム・クランシー)【読書紹介も追え!・・・   短いともう違和感がある】

潜水艦モノが流行り出す契機となった作品。
今から40年くらい前の第一次冷戦末期。

ミリタリーサスペンスなんてのが流行り出したのは、
トムクランシーからじゃないでしょうか?

中学の時の友だちに貸してもらい、読んだことがあります。
主役はもちろん、
ソ連タイフーン級ミサイル原子力潜水艦。
それも最新鋭艦のレッド・オクトーバー号。
(ロシア語だとクラスヌイ・オクチャブリ号)
ポンプジェット推進機構を試験搭載しています。

ポンプジェットは、筒状のところに海水を流し込んで、
そこに電気誘導で後ろに押し出す推進方式で、
スクリューとは革新的に違う未来の推進装置。

その後、日本のアニメとかでこの設定が大量に出てきますね。
某ノーチラス号とか。

****
すこしタイフーン級について解説を。

日本海軍に戦艦大和があれば、
ソ連海軍で同じようなシンボル的存在であったのが、
このタイフーン級でしょう。

ソ連末期に出てきたこの潜水艦は、
潜水艦発射核ミサイルを搭載し、
核戦争の時、本土が壊滅して以降の、
二次報復攻撃を担うための兵器となります。

これらの報復攻撃部隊がいるから、
初撃で相手を倒しきれない = 核戦争はムリだ。
という結論に至るための重要な部隊なんですね。

初期のソ連ミサイル潜水艦は、
長いミサイルをムリヤリ胴体に収めるため、
上部が出っ張っていたり、
あとは艦橋の部分に3本くらいしか入れられなかったりと、
いろいろ問題があったのですが、

このタイフーン級でついに完成度が最高度になりました。
ミサイル発射区画は、他のあらゆるミサイル潜水艦とは違い、
艦体の前部に集中してます。
そのあとに居住区、ついで原子炉の構成。

他の船は前から、居住区、ミサイル区、原子炉、となっています。
原子炉から居住区を遠く離すためですが。
まあ、普通に考えたらこっちなんでしょうかね。

タイフーンの構造は超大型ミサイルを取り扱うためのあえてのデザインでしょう。

オチとしては、
タイフーン級はソ連末期に造られたからか、
欠陥や故障が異常に多く、
結局、ソ連崩壊後にほどなく全艦退役せざるを得なかったとか。

この超大型ミサイルもウクライナの工場で作っていたものらしいので。
(ついこの春先、ロシア軍の攻撃で、古い大型ロケット工場の倉庫が大爆発したニュースがあったけど)
いずれにせよ、パーツの入手がもう不可能なんですね。
ある種のロストテクノロジーになったようです。

形式的に在籍していた最後の一隻も退役して。完全にお払い箱になりました。

まあ、そんな感じで過去の存在となった本級ですが、
日本海軍の大和級に匹敵する存在だと思うんですね。

****

では本編に戻りまして、
そんなレッドオクトーバー号が、
最初の哨戒航海に出たとたん、行方をくらまし、
アメリカに亡命しようとする話。

艦長はラトビア人のラミウス艦長。
映画版ではショーンコネリーが演じていました。
(ええ、スタンド攻撃とかしてきそうな年齢の時ですよ)

ラトビアはソ連に侵略併合された歴史があるので、
そういう背景があってのことなんですね。

テンプレじゃんと思われるかもしれませんが、
このテンプレは、この時、はじめて出てきたものなんですね。
これがそれもんの最初なんだと思います。(きっとそうだ)

迎えるアメリカ側には、その後、
大活躍しすぎて存在がおかしくなったジャックライアン氏が出てきます。
まだこのころは、普通の分析官ですね。

昔の本ですけど、
潜水艦ものが流行った時代の記念碑的存在のひとつ。
まあ歴史小説として読むなら、まだいけますよね。
というか古典?

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