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ファイブスター物語【世界はマンガ感想と闇に包まれていた。誰かが光あれと言った。それで読めるようになった】

ライフワーク。
ひとりの作家がその人生を挙げて書き続け、
一生が終わるころにようやく完結する長大なサーガ。
手塚治虫先生の「火の鳥」が有名ですね。
超古代、超未来、遠古代、遠未来、中世、近未来、
こんな感じで過去に未来に振幅しながら現在に近づいていく構想だったみたいですが、
手塚先生がお亡くなりになられたことでそこで終わりました。

他にこれに比類するものは・・・
・・・
これしかないですよね。

(最新刊、買ってまだ読んでねえ)

永野護先生はロボットアニメのメカデザイナーから出発した人です。
マンガ家というよりイラストレーターに近いのかも。

すじを作るのは決してうまくはないです。
それはこの「ファイブスター物語」初期の話を読めば分かります。
唐突な展開。典型的なテンプレ展開。説明過多。ドラマが貧弱。
しかもかっこよさそうでまったくかっこよくないタイトル。
でもね。
ただスキというだけで才能のない書き手にとっては、
これが希望の星でもあるんですよ。

ドラマが作れなくたってイケる。
設定が、大量の設定があれば、
1巻ごとに通常のマンガの10倍以上の濃度で、
設定とイラストが描かれるんですから。
大量の設定だけで、もう物語になってしまう。
こんなのアリ!?
あるのだ。これでいいのだ。

巻末にこの世界の歴史年表があるのですが、
これが、新刊が出るたびに書き換わる。
こういう歴史年表の作り方は初めて見た。
歴史は直線的なものではなく、多次元的なものだったのだ。
こんなの歴史年表じゃない。これこそ探し求めていたものだ。

そしてこのシリーズは、物語づくりの世界に、
とある革新的な貢献をしたそうな。

いわゆる悪役、負のキャラクター、という存在を、
表舞台に引き上げたこと。
え、そんなの以前もあるじゃん?とか思われるでしょ。

それまでもカウフマンとかMWとか悪役主人公はいたんですけど、
不幸な最後を遂げないといけなかったんですよね。
だけどその制約は解かれた。
まあ、あんまり暗黙のルールを守らなくてもよくなった。

サイコパスとか、殺人衝動に駆られている仇役とか、
通常なら消耗用の悪役に過ぎないキャラクターたちに、
とてもスポットライトが多く当たる作品です。
悪役の方がかっこいい、ってみんな思っていましたが、
ここまで愛されることはありませんでした。
でもここからは違う。
それゆえ、登場人物の多様性が非常に高くなりました。

今となっては普通ですが、
昔は「このキャラは主人公にできない」とか言われたもんです。
でも今は主人公にネガティブな属性があっても大丈夫。
むしろ物語世界を味わいづけるスパイスとなりました。
ちゃんと調理すればね。
少なくとも、門前払いはされなくなったような気がします。

現在の物語づくりでは、難しいと言われることはあっても、タブーとされるようなキャラ設定はほとんどないんじゃないでしょうか?

(という他の方の記事を過去に読みました)
いや、まあしかし、言われてみると確かにそうなんで、腑に落ちたんすよ。
絶対的な悪というのが、出てこないんですよね。
今は正義っぽいのも、別の時代では非道だったりするし。
(そう。主人公がそういう設定なんだよ)

そういう理解のされ方なんですね。
そうそうレフトミラージュとか悪の軍団みたいな感じで、
主人公たちも割とそういうのをビビらせて従わせる属性を持ってたりするので、悪さをできないようになってたり。

そしてドラマ作りが下手なんてのも、もう過去の話ですよ。
今となっては違和感を感じないのはこっちが慣らされたのか。

そして本業がイラストレーターだったからこそ、絵は至高の美しさです。
アパレルに目覚めますよ。これ観てると。
最近、ようやく少し飽きてきました。飽きるまでに30年必要でしたね。

服ってこんなにキレイだったんだ。
まあ、現実に着るのは無理な感じの、ファッションイベント風の服ですが。

ただひとつ惜しむらくは、シリーズまとめてアニメ化されてないこと。
もちろん全部をやるのは不可能だけど、
適当なところまででいいから、作ればいいのに。

たまに独立したエピソードが、ぽこんとアニメ化されたりしますが。
手を出しがたいのか、本編は放って置かれてます。残念。もったいない。

あああ、とうとうこれを書いてしまったんよ。

情報が多すぎる作品なので、リンクページは触りだけっす。
個人的に好きな話は、地上軍とかが出てくるこの辺。戦史オタには嬉しい。

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