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おいお前、そんだけ賞取ったんだからいいだろ。もう諦めろ。

彼は文カクオ。彼は小説家を目指していた。しかしなかなかうまくいかない。何度か文学賞に応募したがすべて落選。どこが悪いのだろう?カクオはいつも不思議に思う。俺の書く文章は絶対面白いのにな。審査員のセンスがないんだな。俺はついてないな。カクオは自分の書く小説に自信を持っていた。自信がないなら書かない、自信がないものを人に見せても失礼だ、と思っていた。カクオが書く小説は大まかにいえば私小説。まるのままのフィクションは書けなかった。フィクション書く奴は嘘つきだ。彼は思っているがそれは自分が書けないからのひがみだった。カクオは長編小説が書けない。すぐに終わりにしたくなる。書けて原稿用紙で100枚くらい。有名文学賞は100枚では読んでもくれないものがほとんど。この時点でカクオの小説家への道は途絶えている。しかしそこをカクオは気にしない。小説は長ければいいというものじゃない。書こうと思えば俺だって書けるし。カクオはひがんでいた。さあ何を書こう。カクオは新しい小説を書こうとしていた。さあ何を書くか・・・。

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