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2021年12月22日「気になる本はどんどん手に取りたい」

私は桜庭一樹さんの読書日記が大好きで、特にこの『少年になり、本を買うのだ』は何十回と読み返している。

読書日記なので、桜庭さんが読んだ本が登場するのだけど、読まれた本を読みたい!と思って手に取ったことはあまりなくて。桜庭さんの文章に触れていれば、ただそれだけで幸せだったので、それで良しとしていた。

けれども最近、桜庭さんが読んでいた本の中で、どうしても気になるなぁと思っていた本があって。それが『郵便配達は二度ベルを鳴らす』だった。

桜庭さんは鳥取へ帰省する際に、カバンに入れたはずの『郵便配達は二度ベルを鳴らす』を忘れてきたことに悔やむシーンが『少年になり、本を買うのだ』には書かれていて、私はこのシーンがとても好きなのだった。

カバンに入れていたのは全く別の本であり、読みたいと思った本を家に忘れてしまう、そんな桜庭さんを私は、とても他人事とは思えなかったからかもしれない。

『郵便配達は二度ベルを鳴らす』は、とても面白く読み進めている。序盤のほうで、あっさりと夫を殺したかと思いきや、紆余曲折があったりするので、私の思い描く方向へと話は進まないのだけど、それも含めて面白く読んでいる。

こういった古典と呼ばれる作品も、読んでみれば難しくないのだなと思うと、ちょっと嬉しくなった。難しいだろうと勝手に判断して、本を手に取ることすらしてこなかった自分を反省しつつ、これからは気になる本をどんどん手に取っていこうと、少しワクワクした気持ちになれた。

まだまだ読みたい本はあって、本を読みたいと思えることは、前向いて歩いているということでもあるはず。
今日は読了せずに(一気読みはもったいなく感じて)、本を閉じて寝た。

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