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読書日記・3月24日~26日

3月24日(金)

学校から帰ってくるなり大泣きしている息子。どうやら担任の先生が別の学校に異動になることを知って悲しかったらしい。先生がいなくなることをこんなに悲しいと思う気持ちが私には無いので、泣いている理由にとてもビックリしてしまった。そんなに先生のことが好きだったんだね、と聞いたら、いやそうでもない、と返事がありそこにもビックリした。じゃあなぜ大泣きしているんだい?

読んでいたのは『常識のない喫茶店』

色んなやさしさのかたちを知った。自分を殺さずに、自由に生きていいという当たり前のことを、わたしたちは本当によく忘れてしまう。だから私は書いた。出禁にするだけじゃ足りないから、この場をお借りして、声を大にして、ただの喫茶店員の立場で物申している。このおかしな世の中が、少しでもよくなりますようにという願いを込めて書いている。

『常識のない喫茶店』より引用

理不尽な思いをしても、黙って耐えることが美徳だという世の中の常識に、僕のマリさんはNOをつきつけた。間違いは間違いだと言える強さを身につける。そうしなければ自分が苦しむことになるから。事なかれ主義が染みついた私は、マリさんの思いに心を打たれた。

3月25日(土)

井田千秋さんの『家が好きな人』の影響もあり、快適に過ごせる家にしたい!と思ったので、まずは家の掃除を徹底的にしよう!と決意して、以前から気になっていた窓の掃除を始めた。思っていた以上に汚れていて、最初はギャーギャー言いながら掃除をしていたものの、だんだんと汚れを落とすことが楽しくなってきたので無言でもくもくと掃除する。キレイになると気持ちいい♪けれど、がんばりすぎたのか腕が痛い。筋肉痛になってしまった、と夫に言ったら、それは筋を痛めているだけだと思う、と返された。もう若くないんだからほどほどに動かないとね、と8歳上の夫に笑顔で言われて複雑な気持ち。いたわってもらっている気がまるでしない。

読んでいたのは『あのころなにしてた?』

以前に「人とたくさん話した日は興奮して眠れない」と言っている人がいて、ずいぶん繊細なんだなぁと思ったけど、いままで気づいてなかっただけで、そういう現象は自分にも起こっていたようだ。外界から受ける刺激は何よりの成長の糧になるだろうけど、その分自分なりの調和が薄く削られていく。

『あのころなにしてた?』より引用

外界から受ける刺激で眠れなくなるのが当たり前だと思っていたけど、いままで誰かに共感してもらったことがない。綿矢さんの日記を読み、同じように思ってもらえることが嬉しく、そしてこういう風に言語化できる人にとっても憧れる。

3月26日(日)

押入れにある、いらないものを処分しようと思い立ち、ゴミ袋を抱えて荷物の整理。そんなに捨てるものは無いだろうと高をくくっていたら、40リットルのゴミ袋2つ分のゴミ、そして大量の資源ゴミが生まれた。押入れは必要なものをしまう場所であって、いらないものを保管する場所じゃないと、読んできた本たちに書いてあって、たしかにその通りだと思っているのに、気づけば大量のいらないものをしまいこんでいたらしい。定期的に見直しているつもりでもこんなにゴミがでるのか、まいった。そして今度は、中腰で作業していたせいか腰がちくちく痛む。しかし今回は夫に何も言わずにいた。また老化だと言われたら癪だもの。

読んでいたのは『やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)』

なんとなく予想していたけれど、この日記に出てくる各国から集められた人たちの名前と特徴が一致しない。気にせずに読み進めていても、この人はどこの国の人だっけ??と何度も行き詰まる。これはどうしたものか、と考えて私は決意した。もう名前と国と特徴が一致しなくても、そんなことを気にするのはやめようと。とにかく滝口さんが語る日記に耳を澄ませるように本を読もうと決めた。英語がよくわからないままで、様々な国の人たちとコミュニケーションを取ろうとする滝口さんがすごい。きっとご本人は大変なのだろうけれど、文章が淡々としているせいか悲壮感がなくてそれもまた素晴らしいなと思った。

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