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【読書日記】2021年10月6日

「自己啓発本を読まなければ!」と思わなくなってからの私は、どうやら非常に精神が安定している感じ。読まなければ!と考えていたのは自分であり、自分を追い詰めて苦しめていたのは自分。その追い詰めた感じがなくなって、とても穏やかな気持ちが続いている、読書に対してだけは。

好きな本を読めばいい。そんな当たり前と思えることでも、人の目が気になる人間にとっては難しくて、いつも「読みたい本」よりも「読んだほうが良いだろう」と思われる本ばかり選んでいた気がする。

クリスティー作品も、そういった「読んだほうが良いだろう」と思い手に取ったものではあるけれど、これがまたハマりにハマってしまい、今も『エッジウェア卿の死』を再読していて、再読なのにハマっている。

わかってはいたけれど、やはり事件のことも犯人のことも、何一つ覚えていなかった。何も覚えていないなら、再読と言えるのか、これは初読なのではないか、なんてどうでも良いことを考えた。

エッジウェア卿の妻である女優の、あっけらかんとしたところに羨ましさを感じた。
「お金持ちと結婚したいから、夫と離婚したい」
と、恥じるでもなく当然のことのように話す彼女。自分に素直に生きると言えば聞こえはいいけれど、一種のワガママでもあり、でもそれを笑顔で嬉しそうに話す姿が印象的だった。

自分に非があることを嬉しそうに話すのは、いかがなものかと思わないでもない。しかし、悲しそうに話しても、怒りながら話しても、事実は変わらない。

夫が居るけれど他に好きな人が出来た、その人と結婚したい。その思いを泣きながら伝えるのか、イライラしながら伝えるのか、笑顔で伝えるのか。伝え方次第で印象は大きく変わる。私はどうも深刻さを増して話すクセがあるので、あっけらかんとした表現の仕方に憧れるのかもしれないな、と思った。

周りからワガママだと思われても、自己中心的だと思われても(どっちも同じような意味だ)、いつも笑顔で事実を伝える。そういう人に憧れるのかもしれない。人にどう思われるかばかり気にしてたら、笑顔はどんどん消えてしまうのかもしれない。そんなことを真面目に考えてしまった。

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