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1泊2日松江城の旅に行ってみた①

すっかりお城巡りが楽しくなって、今回は国宝・松江城を訪ねることにした。

お昼過ぎにJR松江駅に到着。そこからバスで10分ほど乗る。最近ドラマ撮影されているらしい島根県庁まで来ると、お堀の向こうに、チラリと黒い天守閣が見えてくる。めちゃくちゃ渋い!いきなりテンションがあがる。

早速、石段を登り、天守閣を目指したが、その手前に素敵な洋館があった。

質実剛健の戦うお城のカンジ、かっこいい!

ノーマークだったけど、かわいい外観に惹かれて入ってみた「興雲閣」は、明治に建てられものらしい。見た目は洋風なのに、木と瓦でできている。色使いがとてもオシャレで、当時の人の美意識の高さに感動する。

柔らかい光の階段をのぼっていく。ドラマチックで惚れ惚れします
高台だから、眺めが良くて風が気持ちいい。お上品で素敵な部屋
全体をペールグリーンにするセンスが最高!
カフェがあり、中で一休みできる。アンティークの器も雰囲気ピッタリで楽しい

この時点ですでに松江最高だなと思いながら、ゆっくりお茶をして、再び天守閣を目指すことにした。

5階建の急な階段をゆっくり登る。各階の展示もじっくり見た。1600年代初めに築城となっているから、すでに400年以上経っている。その内の230年間は、長野松本からやってきた松平さんが治めたらしい。

松江城は、明治になって廃城が決まっていたが、地元の方が買い戻して今まで残ることができたそうだ。残してくれた人は、本当に偉大です。

ギシギシする木造の階段を登りきり、ついに、最上階の天狗の間まで来た。松江市内が一望できる。お堀を周遊する船や、宍道湖が見える。この日の天気はほとんど曇りで、雨が降ったり止んだりしていた。湿度は高いが、今年の酷暑が嘘のように涼しく感じる。風が気持ちいい。

見晴らしは良いが、街全体が淡く霞んで見える。なぜか、子供の頃の夏の夕暮れや、家族で訪れた温泉街を思い出した。懐かしい空気。

宍道湖が煙ったように見える。雨の山陰だなと思う

天狗の間をぐるぐる何周もして、思う存分、松江の街を眺めて満足した。明日は必ず遊覧船に乗ろうと決意して下る。

次は近くの「松江歴史館」に向かう。城下町らしい和風の建築だ。新しいものらしいが、武家屋敷っぽい造りで、周りの風景にもマッチしてとてもいい。

こちらでのお目当ては、お茶屋さんだ。和菓子と茶処の松江では、和風の喫茶も多いようで、よい雰囲気のところを訪れてみたかった。

「現代の名工」 と呼ばれる職人さんが実際に和菓子を作っている様子も見られる。どうしよう、見ているのが楽しくて、お菓子選びが終わらない。

ようやく席に着いて一服する。外は土砂降りになっていた。この日はもう、特段行くところも決めていない。雨が小さくなるまで、ぼんやり景色を眺めて座っている。江戸時代の人も、雨の日はこんなカンジで過ごしたんだろうか。

ここに来るまで、結構仕事が忙しかったが、何とか片付けて旅行にやってきた。でも、余暇を楽しむためにそれ以外の日をムリしてやり過ごすという生活は、あまり自分に合っていない気がする。

それでも、もう少し若い頃は割り切ってできていたと思うけど、年をとって、平日の仕事と休日でスイッチを入れ替えるのが、難しくなってきた。

抹茶と和菓子が美味しい。何百年も続く城下町の雰囲気や、ずっと曇りか雨のしっとりした空気も気分が落ち着く。こういう場所に住んでみたいなと思った。

雨の日本庭園を眺めながらお茶をする。心のザワザワが静まるようだ

長々と歴史館で過ごし、気付いたら夕方だったので、この日の宿まで歩くことにした。ここから歩いて20分くらい、JR松江駅方面の旅館を予約している。

大橋川を渡る橋を歩くと、右手に宍道湖が見える。雨は止んだけど、湿度のせいか、やはり景色全体が淡く薄い色に感じる。ブルーグレーのグラデーションだ。橋の上は風が抜けて涼しい。やっと夏が終わったんだと思う。

しかし、この辺りを歩いていると、1人の人間が一生のうちに感じる多少の暑い寒いなど、本当に瑣末な問題でしかないなという気がする。


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