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ロンドンの現状と日本との比較

 先日、「ロンドン崩壊」や「ロンドンが大変なことになっている」といった内容の動画が公開されていました。それについて、私の見解はどうかと質問をいただきました。私が感じているロンドンについて遠慮なくお伝えしたいと思います。


ロンドン中心地

 「ロンドン崩壊」や「ロンドンが大変なことになっている」といった動画の内容ですが、まずは、日本の渋谷スクランブル交差点のような、いわゆるロンドンの中心地にあるイギリスの大手金融機関HSBCの店舗がみすぼらしい、という話です。そして、そのHSBCの店舗の向かい側の歩道にはホームレスがたくさんいて、HSBCの目の前に薬物の売人がいる、という話をしています。
 この話を聞いた視聴者の方から「ロンドンがやばいのではないか」と質問が寄せられました。私の率直な印象としては「まあ、そうだろうな」という感想です。「やばい」というより、これがロンドンの日常です。確かに、日本人の感覚で考えるととんでもないことばかりですが、ここではこれが普通です。

ロンドンの社会問題

 もう少し詳しく言うと、薬物の売人や薬物を使用している人はたくさんいます。私が以前住んでいた家の前の公園でも、よくそうした人たちを見かけました。家の前の公園で、怪しいことをしている若者たちが喧嘩になって殴り合っている、ということもありました。日本人から見れば衝撃的な光景ですが、ロンドンでは普通です。この他にも、日本では考えられないようなことがたくさんありますが、社会の違いや文化の違いが大きく影響していると思います。

ホームレス問題

 ホームレスが非常に多いのも事実です。最近のデータは確認していませんが、コロナ前でもロンドンだけで何万人ものホームレスがいると言われていました。
 日本のように物乞いをするのが恥ずかしいという認識はないので、物乞いをしている人たちがたくさんいます。電車に乗っていると、食べ物を恵んでくれと言ってくる人もいます。日本では、物乞いの人が話しかけてきても無視することが多いかもしれませんが、ヨーロッパは全体的に、ホームレスの人と普通に会話をすることが多いです。
 以前、電車で自分と同じくらいの年齢の女性が食べ物をくれないかと話しかけてきました。その時、私はカバンの中を探したら、日本食材店で買ったハムが入っていました。その人が食べ物がなくて困っていると言うのでそれをあげました。しかし、その女性はそれを受け取ると、「これしかないのか」と言わんばかりに不機嫌な顔をして、お礼も言わずに去っていきました。貴重なハムを無駄にしてしまいました。

ホームレス問題の原因

 ホームレスの背景として、薬物中毒だったり、元軍人でPTSDで働けない、決められた場所に住むこともできない人だったり、移民の人たちもいます。いろんな社会問題が影響していると言われています。ホームレスの多さは今に始まったことではないという状況です。

ロンドン中心地のHSBC

 ロンドンの中心地にあるイギリスの大手金融機関HSBCの店舗がみすぼらしい、という話ですが、これもその通りだと思います。そもそもロンドン中心地はゴミが多くて汚いです。そして、建物は古いので、日本人の感覚だと「大丈夫か」というような建物がたくさんあります。シティにある金融機関のオフィスもそういうところがたくさんあります。また、最近は銀行が店舗にお金をかけられなくなっているというのも影響しているでしょう。
 今、大手銀行はどこも都心の賃料が高い場所から店舗やATMを撤去することを進めています。今の状況は別に不思議ではありません。

ロンドンの日常と日本との比較

 薬物の売人がいたり、ホームレスが非常に多くいたり、日本人からしたら相当やばい状況が実際にあるわけですが、これがロンドンの日常です。日本人からするとやばいと思うかもしれませんが、欧州のいくつかの都市に住んだことがある人だと、ロンドンは比較的住みやすい、というより、他にもっとやばいところがいっぱいあるという認識になります。

ロンドンの社会問題と日本の安全性

 日本人からするととんでもないことが起こっていますが、気をつけることで回避可能なリスクも多いので、慣れてくるとそこまで危険を感じるようなことはありません。危険運転が非常に多いので危ない車には近づかないとか、街中での歩きスマホは狙われるとか、危険を回避すればある程度リスクを減らすことができます。
 そういうことを全く考えなくても大丈夫な日本と比べれば、イギリスは非常に危ない国ということになってしまいますが、日本の安全性は格別であり、そういう国の方が珍しいです。6歳の子供が1人で歩いて学校に行けることは、世界ではほとんどないわけです。

ロンドンの食事事情

 最後に、「ロンドン崩壊」や「ロンドンが大変なことになっている」といった動画の内容で、セントパンクラス駅という、ユーロスターなどの列車が発着するロンドンの主要な駅にある5つ星ホテルでオレンジジュースを頼んだら、飲むものとは言えないものが出てきた、という話についてです。
 私は、これもありそうだという気がします。ロンドンではお金を払えば美味しいものが食べられるという人もいますが、私はそうでもないと思っています。

イギリスの食事

 私はあまり高級なものを食べることは少ないですが、イギリスで美味しいと言われているものやよく食べられているもの、昔から有名なものなど、色々試しましたが、感動することはほぼありませんでした。
 その点、イタリアやスペイン、フランスなどは全然違います。なぜイギリスだけがこういう状況になってしまったのか、これも今に始まった話ではなく、イギリスの食べ物が美味しくないというのは昔からの話です。

イギリスのマクドナルド

 イギリスではマクドナルドすらまずいです。家族旅行でスペインに行った時、スペインの空港でマクドナルドに行ったら、ハンバーガーが美味しいと感動したことがあります。スペインが特別美味しかったわけではなく、スペインが普通でイギリスがひどいという話です。
 
マクドナルドのハンバーガーの味が違うというのは、どういうことなのかと思うかもしれませんが、恐らく、作ったり運んだりする、あらゆる工程の担当者が、マニュアル通りにやらないのではないかと思います。ハンバーガーがずれているとか、そのようなレベルではなく、ぬるい、パサパサ、パンはぺちゃんこです。
 日本でマクドナルドに行くと、ハンバーガーの包みを広げた瞬間、あったかくて湯気が立って、パンはふわふわです。イギリスとは全然違います。これが私の率直な印象です。

まとめ

 イギリスがやばいというより、日本が素晴らしいということがお分かりいただけたと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


ご参考

希望
 皆が一緒に同じものを、楽しく食べられる社会が続いてほしいと思います。

ラーメン価格に見る日本の食文化の変化


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