ショートショート 5 悪友か?
悪友か?
『また今日も遅刻だ』
そう思いながら美津枝は待っていた。
「ごめん。また遅刻だね。もう怒られるの慣れちゃった」
綾野は悪びれることなく笑顔で声をかけてきた。綾野と美津枝は小学校の時に同じクラスで仲良しだったが、中学一年ではクラスが違ったのであまり話をすることがなく、自然に距離があいていった。中二のクラス替えでまた一緒になったのだ。周りから見たら仲が良いように見えるかもしれないが、美津枝の本心は違っていた。小学校の頃、いじめにあった美津枝を綾野は助けてくれた。