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文芸同人誌『有象無象』のnote版です。
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自作の物語『婚約破棄されたお芝居姫は国境を目指す』はいかにして着想されたか

自作の物語『婚約破棄されたお芝居姫は国境を目指す』はいかにして着想されたか

 2024年3月1日(金)、カクヨムで短編『婚約破棄されたお芝居姫は国境を目指す』を公開した。

 合計約2万字の作品で、個人的には、割とよく書けたと思っている。

 以前、お友達と話した時に、物語の着想をどこから得るか、みたいな話になったので、今回のこの物語が成立するまでの、私の脳内の動きを書き留めておこうと思う。

※ ここ以下の文章は本編を読み終えた方を対象にしています。
ネタバレを含み本編

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文学フリマ東京37を終えて

文学フリマ東京37

 文学フリマ東京37に出展した。そしたら、なんと、本誌を購入して下さるお客様がいた。それも一人や二人ではない。

 実に有り難く、嬉しいことだ。というのも、文芸同人「有象無象」は、もう三年も新刊を出していないのだ。最後に出した008号から、11月でちょうど3年になってしまった。3年もの間、新刊がない文芸同人誌をまだ買って下さる方がいる。一体これは如何なる天の采配なのか。まこと

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文学手法としてのpoint of view視点サンプル

 私は文学部英文科で文学について聞きかじった程度の人間だが、文学手法としての「視点」について、自分の書いた文章がサンプルとして適切であるかのように感じたので、少々知ったかぶりをしてみたいと思う。

 文学における「視点」というのは、「ある事象をどこから観察して描写するか」ということを意味する。よく「一人称小説」「三人称小説」というくくりは語られるしわかりやすいが、視点というのはこれとは少し違う。「

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どうということのない物語(を書きたい)

どうということのない物語(を書きたい)

 ここのところ、どうということのない物語を書きたい、と思ってゐる。

 そういえば昔、友人に「ライターになりたければ、毎日一つ面白い話を書くことだ。面白さを見つける目を養うことだ」と言っていた友人がいた。私はライターだったけれど、もっと高級なライターになりたくて毎日日記をつけた。今にして思えば、当時(そして今でもたぶん)私はほとほと愚か者で、「毎日書く」ことはどうでもよくて、「毎日面白いことを見つ

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