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三省堂書店の古本まつりに行ってみた

先日、日本の古本屋を眺めていると、ある情報が目に留まった。『三省堂書店 池袋本店 古本まつり』が開催されているらしい。どんなイベントなのか気になったので、詳しく調べてみた。


古本まつりについて

引用:[西武ギャラリー]三省堂書店 池袋本店「古本まつり」

■会期:2021年3月5日(金)~11日(木)10:00〜21:00
■会場:西武池袋本店別館2階の特設会場 ※3月11日(木)は18:00にて閉場

参加古本書店は19店舗と結構な出店数。品揃えも豊富で、署名本、雑誌、美術書、絵本、和本、写真集、児童書、歴史書、人文書、紙もの、浮世絵版画、映画パンフレット・チラシ・ポスター、アメコミリーフなど約10万点を取り揃えているとのこと。どうやら、かなり大規模な古本まつりのようだ。

これはきっと、素敵な本との出会いがあるに違いない!掘り出し物を期待して、早速池袋に向かった。


古本まつりに行ってみた

引用:三省堂書店池袋本店特設サイト

会場には、広い空間いっぱいに木製の本棚が置かれ、隙間なく本が敷き詰められていた。机の下の奥深くにも満遍なく並べられていて、腰を曲げて思い切り手を伸ばさないと届かないほどだった。言葉の通り、端から端まで本で埋め尽くされている光景に、心底驚いた。

最初に目に入ったのは『古書瀧堂@kosyotakido)』の児童向け絵本。大きめの表紙に描かれた可愛らしい絵柄を見て、和やかな気持ちになる。少し進んだ先には『中央書房@hiro1968118)』の学術文庫の棚。背表紙を睨んで、いくつか気になった本を手に取った。目次だけでも興味深く、魅力的な内容のものばかりで、どれも選びがたい。叶うのならば、全部買って読みたいくらいだ。

絵葉書や郷土玩具、プロマイドも数多くあった。その横には、昭和の国鉄私鉄硬券がぎっしり詰められた『かぴぱら堂(@kapiparadou)』の切符箱。思わず縁のある駅のものがないか、漁ってしまった。『東京くりから堂(@kurikaramarket)』には、時刻表や鉄路走行記などの鉄道関連図書が豊富に広げられていて、とても興味深かった。『夏目書店(@NATSUME89940428)』には、普段あまり見ることがない、版画や錦絵が置かれていて印象的だった。

どのコーナーも賑わっていたが、中でもアメコミはかなり人気の様子で、『アットワンダー@atwonder_comic)』の前には常に人が集まっていた。芸術関連の作品も多く、デザインーの画集やポスターが壁に貼られていた。偶然『虔十書林(@kenjumichiko1)』で15年前に劇場で見た、思い出深い映画のパンフレットを見つけ、懐かしさで胸がいっぱいになった。


古本まつりの購入品

一通り楽しんだあと、気になった本を3冊ほど購入したので紹介する。


『ちひろを訪ねる旅』竹迫祐子

日本を代表する絵本画家・いわさきちひろ。戦前戦後の激動の時代を生きたちひろは、そのやわらかく優しい作品の印象とは裏腹に、深い模索と苦悩を抱えていました。卓越したデッサン力、作品に通底する平和への揺るぎない思いは、どのようにして生まれたのか――。妻、母、画家として生きた波乱の人生を、ゆかりの地から紐解きます。

子どもの頃から大好きな、いわさきちひろの絵。以前、上井草にあるちひろ美術館を訪れたことがある。改めて、彼女の人生についてもっと知りたいと思い、購入。


『パン屋再襲撃』村上春樹

堪えがたいほどの空腹を覚えたある晩、彼女は断言した。「もう一度パン屋を襲うのよ」。それ以外に、学生時代にパン屋を襲撃して以来、僕にかけられた呪いをとく方法はない。かくして妻と僕は中古のカローラで、午前2時半の東京の街へ繰り出した……。表題作のほか「象の消滅」、“ねじまき鳥”の原型となった作品など、初期の傑作6篇を収録した短編集。

最近『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読み始めた。別の村上春樹作品も読みたいと思い、購入。タイトルのインパクトにも惹かれた。


『アイデアのレッスン』外山滋比古

しなやかな発想、思考を実生活に生かすには、どうしたらいいのだろう。たんなる思いつきをアイディアにするには?企画、営業、レポートなど仕事や勉強、きらりと光る会話にまで、大きく影響するアイディアのポイントは?学校や会社では教えてくれないアイディアのつくり方を教えます。日々の暮らしを賢く、美しく、そして面白く生きていけるように。『思考の整理学』実践篇。

普段、企画の仕事を担当する機会があるのだが、この頃アイディアが全く思いつかず悩んでいた。この本から何かヒントを得られるのではないかと感じ、購入。


まとめ

古本まつりに行ってみて、こんなにたくさんの人が読書を楽しむために集まっているのかと知り、嬉しくなった。そして、まだまだ自分が読んだことのない分野の作品がたくさんあると感じた。これからもっと勉強して、様々な本について今以上に理解を深めてから、再び訪れたい場所だと思った。


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