5日目:本屋にあふれる才能を前に。
休職5日目。月曜日だ。
昨日は昼寝をし過ぎてしまった。
夜はなかなか寝付けず、朝は5時に起きてストレッチなどをしていた。
(そしてまた寝た)
6月初旬。すでに外は明るい。窓を開けて抜ける空気は心地よい。
できるなら早朝から起きてこの初夏らしさを味わたいな。
そんな生活リズムがつくれるかな。
・・・
午前中は心療内科に。
〜本日の診察もよう〜
も「休職中の過ごし方がよくわかりません。気をつけることはありますか?」
先「好きなことをすること」
「仕事のことから頭を切り離すこと」
「休職で給料が減って心配だからという理由で副業を考えないこと」
も「治った状態というのはどんなものですか?」
先「そろそろ会社に行きたい、と患者さんから言い出す人が多いですね。暇だからそろそろ働きたい、とか。でも、基本的に、薬を飲んでいるうちは治っていないと思ってください」
今日は頭痛や身体の痛みから薬(抗不安剤)を多めに出してもらった。
私のうつは軽いものだけど、まだまだこれからだ。
・・・
帰り道、本屋に立ち寄った。
ビジネス書の強いメッセージたちが、今はきつい。
ファッション誌の自己実現のための表現も、
エッセイ集のていねいにしなやかに生きる女性の姿も、
強くて、つらい。
小説…今は架空の他人の人生に一喜一憂したい気分じゃない。
結局、コジコジを買った。
表紙の素敵な新装再編版を、3巻購入した。
そのコジコジの表紙は、あまりにも素敵で、才能がある。
内容はあまりにもシュールで、才能がある。
見渡せば、本屋は才能だらけだ。
絵を描く才能、ストーリーを紡ぐ才能、ビジネスをする才能、有名になる才能。
私は・・・
本屋にあふれる才能を前に、空っぽの自分をむなしく思った。
塵のような自分の才能たちを集めて、まとめあげられたら、自信になるかな。
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