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つらい時にこそ、坐禅は続く

公認会計士の試験に落ちた、次の月に母親から電話があり、ガンが見つかったという話を聞いた。

2年間続けた勉強が失敗に終わった。
母親は小さなガンではあったが、手術をひかえていた。

散々迷惑をかけたまま、母親に死なれるのかと、恐ろしくなった。

一人暮らしをしており、休みの日には、実家に帰り、母親の話を聞いた。

試験に落ちてから、母親からガンの報告を受け、手術をして、抗がん剤治療を終えるまで。
本当にシビアな時期だった。


会計士の勉強に集中するために、仕事を辞めていた。
仕事を探しながら、アルバイトをして、実家に帰り母親と話す。

その合間にガンのことを調べ、自分に何が出来るかを考えていた。
本を読まない母親の代わりに、抗がん剤の本を読み、大切な箇所にふせんを付けて、渡したりしていた。

ある時、実家に帰る夜道で、いろんなことを考えながら、漠然と「心が壊れそう」と思った。
「心が壊れる」というのが、どういう状況かよく分からなかったが、なんとなくそう思った。


坐禅の習慣があり、その時期も続けていた。
坐禅の時間は長くなっていった。
1日に、50分の坐禅を5回した日もあった。

それが必要だった。
お笑い番組でも、読書でも、運動でも駄目だった。
坐禅をしなければ心が持たなかった。
不思議な言い方だけど、僕は坐禅に逃げていたのだと思う。

つらい現実から離れ、ただただ体と心の状態を、念じていく。
そうしている間はつらくなかった。(足はものすごく痛かった。)



母親が回復し、僕も仕事が見つかり、生活は少しずつ安定していった。

坐禅の時間は少しずつ減っていく。
今は30~40分の坐禅を1日1回。

間違いなく、あのシビアな時期ほどの、心の強さは持ち合わせていない。


坐禅もマインドフルネスも、必要のない人には必要ない。

でも、今必要なくても、いつか必要になる。
誰にでも大切な人がいるから。
そして、誰の人生にも期限があるから。




つらい時期に、坐禅は「逃げ場所」になります。
今のうちに、逃げ場所を作っておきましょう。




最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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