見出し画像

トラウマに折り合いをつける

精神障害を持っている人の人権を護りたい。

そっか、あなたはそんな風に思っていたんですね。私はそんなあなたから、人権を侵害されたと思ってるけれど。

あれはもう一年前のことだし、もう時効。それに私自身、当時の自分の、あなたから言われた言葉に対する捉え方に、歪みがあったと思っているから。だから、どちらかだけに問題があった、悪いと思っているわけでは、決してない。

だけど事実として、この1年間、私は今みたいに、ふとした瞬間に、あの出来事が、鮮明に思い出された。フラッシュバックを起こした。苦しくなった。自責が止まらなくなった。消えたいと思った。気付けば泣いていて、呼吸が浅くなっていて。どれも後遺症なんだよな、きっと。やっぱり確かに、あの時。私の心は、ズタズタに切り裂かれたんだ。あの一言のせいだ。そう思えばよかったのか。

あなたは悩んでいる自分に酔っている、という言葉。

でも、私は、あなたのせいだけにはしたくなかったし、結局、できなかった。だって、あなたは。当時の私の、唯一の相談相手で、信頼できる大人だったから。私の弱いところ全部見せられたのは、あなた以外に居なかったから。今思えば、私はあなたに依存していたんだと思う。逃げ先が、ひとつしかなかった。だから私は、あなたからの言葉は絶対だと、思い込んでしまった。

今なら思う。そういう考え方もあるんだな、そういうことを言う人もいるんだな、で終わらせればいいと。周りが何を言おうと、最後は自分の意思で決める。それが今はできるから。でも当時はできなかった。し、そういう考えが頭になかったよね。そしてさっきも言ったように、当時の私は、考え方に、確実に歪みがあった。だからその言葉を適切に捉えることが、できなくなっていたから。そう、私にも問題はあるんだ。

あなたのせいだと決めつけて責めるのは、きっと簡単だ。そしてその方が、楽なんだと思う。でも私はそれをしたくないし、できない。この1年間、私は自分がもがき苦しむことを選んで、自分にも問題があったことを認めて、それを必死に受け入れようとしてきた。

学内で、いつ、あなたに会うんじゃないかと、恐怖に怯えた。あなたの声を聴くだけで、足の震えが止まらなくなって、今すぐここから逃げなきゃ私は死ぬかもしれないと言った、命の危機を感じたこともあった。そして今みたく、何気なく開いた学科のブログに書かれた、あなたの名前を見ては、苦しくなった。申し訳ないけれど、精神国賠の文字はもう、私にとって、トラウマでしか無くなった。

そんなことを思いつつも、私はあなただけのせいだとは思えないし、思いたくないと思っている私が、ここに居る。だから私は、あなたに言われた言葉と、あの出来事と。今後もきっと、折り合いをつけ続けて生きていくのだろう。


読んでくださってありがとうございます。

また飲みたいなあ、タリーズのハニーミルクラテ。これ飲みながら書くと、執筆が捗るんです…!