見出し画像

脱サラしてみた (1年後/感想)




ある日、
黒いヒールとスーツを脱ぎ捨てて
登山靴と55Lの大きなザックで
山へ上がった。


思い切って 脱サラ したのです。


そして
登山靴は長靴へ、
長靴は地下足袋へと
変貌を遂げました。



山から島へ。
住む場所、仕事を変えながらの生活。


わたしスナフキンみたいだな。
ってちょっと嬉しくなったり。



そんな1年間でした。













現実的な話をすると
年収は約4分の1に。
年間休日は約60日増

時給で考えるとサラリーマン時代の
3分の1くらいになったみたい。

でも、
失ったものと引き換えに
自由な時間と色々な社会経験を手にいれま
した。

まず、
大好きな山でひと夏を過ごすことが出来ました。

雪解けの時期の花から始まって
色とりどりの花が芽吹く夏。
それから秋の花になって、
なんとなく寂しい紅葉。


食材がないときは
山菜を摘んで天ぷらや味噌汁にして食べました。


嵐の山は風が強くて息が上手く出来なかったし
夕立の嵐は凄かったけど、
嵐の後の虹はすごく綺麗だった。





限られた極僅かな電気しか使えない時もありました。

スイッチひとつでなんの苦労もなしに
電気が使える事が奇跡のように
素晴らしいことで、
いつかの時代に誰かが凄まじい努力を
して下さったんだと感じることが出来ました。


電気があるのはありがたいと思っても
それをこんなに感じることはなかなか出来ない。

何度も言うけど、
家の電気がどこもちゃんとつくってすごいこと。

本当に奇跡。







あとはね、
昔から海の近くの生活に憧れてたんです。

桟橋の上で友達と語るっていう
ベタなやつとか。

海の夕日とか。


のんびり島時間とか。


そういうの。






その憧れもひょんなことから
叶ってしまいました。

面白そうだなって思って
契約して頂いた住み込みバイト。

特に細かいことを考えずに契約しました。


そうしたら職場が瀬戸内海の島。
寮から徒歩1分で海。

朝玄関から出ると
潮の香りがしてびっくりしました。




そこは人々の優しさに触れる貴重な生活でした。


海との生活は経験がなく
五感で感じる多くの事が新鮮で
まさにわくわくの連続。

海で食材を調達して食べる事も覚えました。
娯楽の釣りじゃなくて、食料を得るための釣り。


スーパーで魚を買って家で食べる時も
「頂きます」と思っていたけど、
自分で釣ってさばくのは全然違って
「ありがとう」と思いながら頂きました。







そしてその勢いで南の島へ。

琉球人の言葉は難しいし文化は違うし
初めて出会う日本がありました。


必要なものを手に入れて、壊れたら直す。


壊れたら新しいものを買う。
それはいろいろなものが
簡単に手に入る場所の特権だけど、
ここではそれを恥ずかしく感じました。


私は何も出来ない。


ネットで買い物をして
何かを手に入れることは出来るけど
自分で何かを作ったりすることは出来ない。
それが島の人にとっては簡単な事であっても。


島には大工がいない。
家の修理は皆で助け合って行う。

島には 「○○ といったら なんとかさん」
みたいに何かに特化した人がいて
その人にその事はお願いしたりする。

編み鞄を作るのが上手な人がいたり
溶接や車の修理、サザエを獲るのが得意だったり。

みんな何かを知りたい時は
それに詳しい人にきく。
お願いする。

人口約500人のコミュニティで
それがしっかりと成り立っていて面白かった。


海が青くて
緑が濃くて
色とりどりの蝶が舞う。
まさに楽園でした。



島と神々と生きる人達の暮らしがあって
そこに少しだけ、ほんの少しだけど
一緒にいさせてもらえたことは
私の中の大きな経験でした。


そして、、また山へ。
南国の緑とは別世界。

冷たく澄んだ空気で森が迎えてくれました。







この1年間、4つの場所を巡りました。

どの地でも
よそ者 の私を受け入れてもらったこと。

働きに来ているだけで、
毎年働きに来るアルバイトも変わる。
私はそんな漂流物のようなものの一つでしかない。

それでも受け入れて
親切にしてもらった事が嬉しくて
どの場所も大好きな帰る場所になりました。


また来年もおいで。
その言葉がどんなに嬉しかったか。
社交辞令は言わない人達からの
最高のご褒美です。


受け入れてもらえることは当たり前じゃなくて
相手の優しさでしかない。

忘れちゃいけないことです。














ボーナスはおろか定期収入もない。
結婚もしていない。



それでも私は今の私が好き。








もちろん脱サラを進めるわけじゃない。


3ヶ月後の見通しだってついていないし
無茶苦茶でちょっと老後が心配だし。

みんながみんな興味赴くまま
好きな事ばかりをやりだしたら
経済が回らなくなるだろうし。

私は将来の不安と引き換えに
今のわくわくを手に入れただけです。



でも、
脱サラした事を悔やんだ瞬間は1度だってない。




これからどうなるかはわかりません。
けど どこにいっても、どんなじぶんになっても
感謝を忘れずにいきたいと思います。

1年間、ありがとうございました。

引き続き宜しくお願いします。

この記事が参加している募集

私の仕事

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
31
山で暮らしたり島で暮らしたり。私の気ままな日記。島の事や山の事、思った事を書いていきたい。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。