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仕事なんかで死んでたまるか

 これは、知る人ぞ知る音楽・野球評論家「スージー鈴木」の言葉である。

 彼は大学卒業後、大手広告代理店に就職。しかしその傍らで、趣味の野球や音楽について発信を続けていた。結局、会社では局長(世間一般で言うところの部長らしい)にまでなり、55歳で早期退職。現在は、野球や音楽について、評論や小説の執筆をされている。

 激務の広告代理店で局長になるまで勤め上げたということは、仕事が好きで楽しかったに違いない。そんな人の「仕事なんかで死んでたまるか」という言葉は大きい。

 改めて思う。

 仕事が好きで楽しくて、どんなに熱中できたとしても、それは人生の全部ではなく一部なのだ。

 それに仕事以外の家庭や趣味の時間が、仕事にも好影響を与えてくれるはずだ。

 そして今はバリバリ仕事ができていたとしても、将来的には体力も気力も老化で減退していくことは確実なのだから、仕事以外の生きがいも大切にしておいたほうがいいのだ。

 改めてそう思わせてくれた、スージー鈴木の「幸福な退職―「その日」に向けた気持ちいい仕事術―」という一冊に感謝である。

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