赤坂はるか

エッセイのようなコラムのようなものを書きます。よろしくお願いします。

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ケーキ屋のアルバイト

 大学一年生の春、生まれて初めてのアルバイトをした。  当時の私はというと、第一志望の大学に落ちた結果、自暴自棄になって入学した第二志望の大学に通っていた。    当面の目標を失った私は、高校三年間を受験勉強に励んできたこともあり、案の定、五月病になっていた。  大学に通って講義に出たりサークルに行ったりする以外は、家でネットサーフィンに明け暮れる、どうしようもない日々を送っていた。  それを見かねた母が見つけてきたアルバイト先が、近所のケーキ屋だった。  交通費が不

    • 笑顔、挨拶、まずは肯定

       どんな仕事にも共通するコツ、これに尽きる気がする。あとは報連相。  大事だと散々言われてきたことだとは思う。でも、こういうことほど、仕事に慣れていくにつれ、適当になっていたりする。  新入社員がやってくる春。今一度我が身を振り返って、いい新年度を迎えたい。

      • 家事、のち笑顔へ

         家事が嫌いだ。  基本、したくないと思っている。  料理は気分転換になるからたまにやるのだけれど、お腹がいっぱいになったあとの食器洗いは面倒で、シンクに二日とか、溜めているときがある。悪臭が鼻について、焦って洗う。  洗濯も掃除も、週に一度しかしない。仕事が休みの日にまとめてする。掃除にいたっては、一部はロボット掃除機におまかせしている。  本当は食洗機や自動調理鍋、乾燥機付き洗濯機も買って、家事完全機械化を目指したいくらいだ。でも、置く場所やお値段のことを考えて、

        • 会社員の存在意義

           たとえ自分がいなくなっても、代わりの誰かが仕事を回すから会社は普通に営業できる。  自分は、会社を動かすためにあるいくつかの歯車のうちの一つに過ぎないし、その歯車は失くしても壊れてもすぐに交換可能なのだ。  そこが、会社員の楽なところでもあり、苦しいところでもある。

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        ケーキ屋のアルバイト

          そもそも会社員って

           ひとつ前の投稿で、「会社員=正社員」という認識で文章を書いてしまった。  でも、本来の意味を考えてみると、「会社員=会社に雇われて働いている人」なのだから、きっと正規雇用だけでなくて、派遣やアルバイトといった非正規雇用も含まれるのだ。  会社員、幅が広すぎる。  正規でも非正規でも働いたことはあるけれど、それぞれの立場はまるで違う。  会社員とひとくくりにして語ることが非常に難しく感じる。  #会社員でよかったこと

          そもそも会社員って

          会社員だからこそ

           会社員だからこそ、熱が出たときに仕事を休んでも給料がもらえる。  もしアルバイトだったら?  休んだら休んだ分だけ稼げる額は減る。  もし派遣だったら?  休みがちの人間に次の更新はない。  もし自営業だったら?  急に仕事を断ることになると顧客を失うだろう。  世の会社員たちがいろいろと不満を抱えつつも会社員をしている理由は、結局のところそれに尽きるのではないだろうか。

          会社員だからこそ

          もしも、のその先

           生まれつき心配性だから、いろいろなことに準備はしている。  たとえば災害用に防災リュックは買ってあるし、それに加えて必要なものは自分で買い足してある。  食料と水の備蓄があるから、風邪とかで具合が悪いときは、一週間くらいなら家から一歩も出ずに生活できる。  勤め先でいつ肩を叩かれても路頭に迷うことがないように、投資や貯金をするように心がけている。資格の勉強も始めた。  本当は、もしも、なんて考えてもきりがないから、考えなくて済むなら考えたくない。でも、それを考えるこ

          もしも、のその先

          自己紹介

           知り合いのいない高校に入学したときの自己紹介で、自分の番だと椅子から立ち上がって教室中の視線が集中したときの、頭が真っ白になって言葉に詰まった感覚は、今でも鮮明に思い出せる。  今はもういい歳をした大人だから、たとえば就職活動では練習も含めてどれだけ自己紹介したのかという話で、もう緊張もせず適当にこなせる。でもあの瞬間のあの感覚というのは、どうにも忘れがたい。  ということもあってここでの自己紹介もついつい後回しにしていたが、自己紹介せずにずっと教室の中にいる人間という

          映画に救われて

           「大学は人生の夏休み」という言われ方もされているようだが、社会人になった今になって思い返すと、決してそんなに楽しいものではなかった。  あの頃はただ膨大な時間だけが目の前に横たわっていて、それさえあれば何でもできるような気がするのに、実際のところ何もできないような毎日だった。  講義に出ようがサークルへ行こうが、何をしたところで日々を追うごとに将来の可能性が一つずつ失われるような焦燥感に襲われ、そこから逃げ出すかのようにお金さえあれば映画館へ向かった。  そこではチケ

          映画に救われて

          チャットモンチーとの幸福な再会

           高校時代、チャットモンチーが流行っていた。友人たちとカラオケに行けば、毎回誰か一人はシャングリラを歌っていた。だからシャングリラだけは知っていた。いい曲だとも思っていた。でも、もっとチャットモンチーを聞いてみようとはしなかった。あのボーカルの可愛らしい歌声が当時のわたしはなぜか苦手だった。そのまま大学時代を通り過ぎ社会人になって、今更チャットモンチーにハマりだした。  まだベスト盤しか聞けていないけれど、それをぐるぐると何周も聞いている。中でも「8cmのピンヒール」という歌

          チャットモンチーとの幸福な再会

          あたらしい冷蔵庫

           最近、冷蔵庫を買い替えた。  それまで、初めて親元を離れた学生のころに買った冷蔵庫を今に至るまで十年以上は使っていて、そのことを意識すらしていなかった。  まったく壊れる気配はないし、このままでいいと思っていたのだが、休日に家の様子を見に来た母からの「まだこの冷蔵庫使ってるのね」という一言から、だんだんと買い替えたくなってきた。    言われてみれば、もう冷蔵庫内にこびりついた臭いや汚れは取れなくなって久しい。日々の生活がぎりぎりすぎて、冷凍食品に頼って生きているから、

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          兄の餃子

           「今まで口にした餃子の中で、一番おいしかったものは?」と聞かれて思い出すのは、兄(当時中学生)がつくってくれた餃子だ。  ある日の晩ごはん。  今日は餃子をつくろうと、母とわたし(当時小学生)が食卓に材料を広げていたとき。  兄がひょっこり自室から顔を出し、「今日はおれがつくる」という。  ちなみに、ふだんは料理など一切しない兄である。  まさかの発言に母とふたりで目を見合わせるも、兄のつくる餃子をたのしみに待った。  後ろから様子を見ていると、初心者ということもあって

          異世界転生ものが流行るのもわかる気がする

           最近は異世界転生ものの小説や漫画をよく見かける。きっと流行っているのだろう。自分は読んだことがないけれど、流行の理由もわかる気がする。  なぜなら、現世に希望がなさすぎる(ように感じる)日々だから。  ここ数年というもの、戦争、コロナ、地震……といった、自分ひとりの力ではどうにもできない、大変な出来事が立て続けに起こっている。  日々の生活の中でも、小さな悲しみは降り積もる。食料品が値上がりしたり、それなのに給料がカットされたり。  そんな中でも、自分の努力次第でよ

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          友人の結婚式が好きすぎる

           友人の結婚式。これ以上楽しいものはない。結婚式は最高のエンタメであり、ドキュメンタリーだ。  まず招待状が届く。最近はほとんどがウェブで、二人の前撮りした写真がこれでもかと登場し、当日への期待を膨らませてくれる。もちろん出席と返事をして、場合によっては会費の振込を済ませておく。  当日式場へ赴く。美容室でヘアセットしてもらい、慣れないドレスとヒールで街を闊歩する、日常にはない緊張感がある。  そして、式場についてからの招待客のざわめき。普段は会えない共通の友人との再会

          友人の結婚式が好きすぎる