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1周回ってまた帰ってこられたら。

1周回ってまた帰ってこられたら。
また、戻れたら。

大好きだったあの人と別れて1年という月日が流れた。
別れた当初は寂しさを感謝に変えて、私の中の彼に対する感謝という華でいっぱいだった。
だがそのお花達は枯れてきている。
水を欲しがるかのようにどこかで彼を求めている。




このまま進んでも苦しくなるのは自分自身。
この先上手くやって行ける自信が無い。
お互い夢を叶えたい。
そんな思いが日に日に大きくなった。

そして私は、忙しなくすぎていく時間に私が追い付けなくなり彼に愛を伝える余裕が無くなっていた。
自分を見失っていく私を見て彼は心苦しかったはず。
その上最悪なことに、タイミングが全く合わず2人の時間がどんどんなくなった。
私も彼も我慢ばかりの日々。
幸せな日常だったはずのものが音を立てずに崩れていった。

だから別れた。

私は生まれて初めて、好きなのに別れるという残酷さを知った。

この別れを経験するまでは、好きならなんで別れるの。好きならどうにでもなるはずなのに。
なんて物事を簡単に見ていた。
でも、世の中そんな甘くない。
男女の仲なんて余計。甘くなんてなかった。

言葉では表せられないほどのものだった。
1年経っても私の心の中では綺麗に彼が映し出されている。
こんな結末になるくらいなら円満に別れるんじゃなくて、浮気でもされて捨てられておけば良かったんじゃないか。大喧嘩した末に別れた方が良かったんじゃないか。
そんな風に思わないとやっていられなくなるくらい辛かった。

とにかく優しい人でこんな私にはもったいないと感じるほど優しい人だった。
こんな優しい人がこの世の中にいるのか。
今までもこれからも私の人生の中で1番優しい人だろう。
彼は自分よりも友達や家族を優先していた。
そんな彼の夢は消防士になる事だった。

一方私は冒険心が強くて憧れも強くて自分を持っていた。彼はそんな私が好きだと言ってくれた。
自分を持っていてマイペースな私が好きだと。

そんな私は素の自分を彼にだけは見せられていた。


私は弱い自分を見せられていた。


学校では中心的で明るく強い私で居なくちゃいけない私。楽しいけれどしんどい時もある。
日常の刺激に弱く、折れやすい私を何度も助けてくれた。寄り添ってくれた。




ここまでハッキリ中身が違う私たちだったが、
食の好み
好きな色
好きな雰囲気
好きな曲
感性
生きる上での価値観
物事の考え方
これらが見事全て綺麗に合った。
合わせたとかじゃなくお互い嘘偽りなく語って全て合うもんだから私も彼も驚いていた。


お互いを知れば知る程幸せになっていった。


結婚の話だってよくしていた。
消防士だったら十分2人でも家族でも養えるし
専業主婦でもいいよねとか
この調子でいったら結婚生活上手くいくねとか
家具のセンスは私に任せてくれるとか
もし子供が産まれたらこうしようとか。
具体的な未来の話までしていた。

だからこそ余計忘れられない。
この人いいな。って人に出会えても心のどこかであなたと比べてしまう。

未だにLINEは非表示。インスタは変わらず。
そしてこの丸1年、一言も会話を交わしていない。

彼に彼女は出来ていない。
私に連絡したくても、勉強に追われている事を気を使ってしないでくれてるのか
単に連絡する気が全くないのか
もしくは避けられているのか。


今まで何度も連絡してみようとも思った。
結果が出なかった時、泣きたくて仕方ない時、寂しくて辛い日、独りに感じてしまう時。
何度も何度も気持ちが揺れそうになった。

だけど彼には夢があって私にも夢があって
頑張らなければならない。
お互い別々の道で。
そんな事痛いほど分かっていたから耐えた。
そしてこれからも耐えるだろう。



幼い頃から勇敢で冒険心の強い私の夢は海外に行く事。
旅行とかではなく、留学や仕事、移住したい。
今は無理だけどもっと成長したらの夢だ。

この希望を度々口にする私に優しい彼が唯一イエスとは軽く言ってくれなかった。
私の事を愛してくれていたからこそ、心配だし離れたくないと。

その時の私の中では、嫌だという気持ちより嬉しいとかそっちの方が勝っていた。

だって彼の近くに居られればそれでいいと思えてしまうほど愛していたから。

元々家族愛が深くて、私の事をこれでもかと言うほど愛してくれてて、消防士になりたいという彼が海外に移住なんて出来なそうだったから私が折れれば良かった。
夢であったはずなのにそれほど苦ではなかった。




今となっては別れて、心置きなく海外に行けるようになった私。
あの時は甘い考え方で捨てていた海外への道。
今になって分かる。やっぱり捨てきれてなかった。
だからこそ、行きたいと思うし行けるのに、

何処かに何かを置いてきた様な気持ちは一体何だろうか。












忘れられてなくてごめんね。
そしてまたいつか環境とタイミングが合って
また巡り会えることを密かに願ってるよ。





最後まで会えなかったあなたへ。


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