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「永遠の都ローマ」展 その1

火曜日に、上野の東京都美術館で開催中の「永遠の都ローマ」展に行ってきた。

12月10日(日)まで。
休館日:月曜日(ただし、10月9日(月・祝)は開室)、10月10日(火)。
来年1月5日(金)~3月10日(日)に、福岡市美術館に巡回。

永遠の都ローマ
二千年を超える栄えある歴史と比類なき文化は、古代には最高神をまつる神殿がおかれ、現在はローマ市庁舎のあるカピトリーノの丘を中心に築かれました。
その丘に建つカピトリーノ美術館は、世界的にもっとも古い美術館の一つに数えられます。同館のはじまりは、ルネサンス時代の教皇シクストゥス4世がローマ市民に4点の古代彫刻を寄贈したことにさかのぼります。
古代遺物やヴァチカンに由来する彫刻、またローマの名家からもたらされた絵画など、その多岐にわたる充実したコレクションは、古代ローマ帝国の栄光を礎に、ヨーロッパにおける政治、宗教、文化の中心地として発展したローマの歩みそのものにも重ねられます。

―サイトより

今回は、このカピトリーノ美術館からの作品を中心に約70点が展示されている。
大きな彫刻が場所を取るとはいえ、このような展示で70点というのは、さほど多くない方だ。レプリカも多いし、写真もほとんど撮れないので、混んでいない時なら、ゆっくり見ても、1時間~1時間半程度で鑑賞できると思う。

と言いながら、
ざっと1周してから、オーディオガイドを借りてまた1周。
休み休みだけど、結局2時間半以上滞在してしまった。
古代ローマと聞いただけでワクワクしてしまうし、塩野七生氏の「ローマ人の物語」を読んで古代ローマ人のお知り合いも増えたので、個人的にとっても楽しみにしていた展覧会なのである。

全体は3フロアに分かれている。
LBF:
第1章 ローマ建国神話の創造
第2章 古代ローマ帝国の栄光

1F:
カピトリーノのヴィーナス
第3章 美術館の誕生からミケランジェロによる広場構想
第4章 絵画館コレクション

2F:
第5章 芸術の都ローマへの憧れ―空想と現実
特集展示 カピトリーノ美術館と日本

ショップ

3フロアあるといっても、エスカレーターだし、途中に椅子やトイレもあるので安心。また、2Fのショップまで行ってしまっても、そこからエスカレータ―を下り、出口の直前で戻れば、また頭から鑑賞できる構造になっている。

さて、順に見ていこう。(画像はすべてネットから)

第1章 ローマ建国神話の創造

数千年も昔、国がどのように生まれたか、は、誰も知ることが出来ないが、日本にも日本神話があるように、ギリシャにはギリシャ神話があるように、ローマにはローマ神話が存在する。
ローマ神話によると、ロムルスレムスという双子の兄弟は、王位を奪った大叔父アムリウスによって川に流されてしまうが、オオカミに育てられて立派に成長し、アムリウスを倒し、新しい都市を作ろうとする。
これがローマの始まり。ちなみにローマという名は、ロムルスという名前からきている。

このロムルスレムスを育てた牝狼をかたどった彫刻やメダル、絵画などが、時代を隔ててたくさん存在し、今回もレプリカながら、最初に存在感のある作品が展示されている。

<カピトリーノの牝狼(複製)>

当初作成されたときは、牝狼のみで、ルネサンス期に、乳を飲む双子の彫像が付け加えられたとのことだ。

第2章 古代ローマ帝国の栄光

古代ローマ帝国は、前1世紀、ユリウス・カエサルとその遺志を継いだオクタウィアヌス(のちのアウグストゥス)が礎を築き、続く数々の皇帝たちによって繁栄しました。
本章では、歴代ローマ皇帝の肖像をはじめ、ローマ帝国ゆかりの女性たちの肖像など、それぞれの「時代の顔」を通じて栄光の時代をたどります。

―サイトより

ロムルスが建国したローマは、7代目の横暴な王を追い出し前509年、共和制に。前2世紀末にはイタリア半島を制圧した。
前1世紀にはカエサルが活躍。
その後継者のオクタウィアヌス(のちのアウグストゥス)が、初代皇帝である。
その後、1~2世紀には、パクス・ロマーナと呼ばれる時代に。
いわゆる五賢帝の時代。
五賢帝の2代目がトラヤヌストラヤヌスはイタリカ(現在のスペイン)出身。ローマの勢力の拡大を象徴している。
3代目のハドリアヌスは、「ハドリアヌスの壁」や「テルマエ・ロマエ」でも有名な皇帝だ。

この章では、ローマ繁栄の時代を築いた皇帝や、重要人物の肖像などが、主に大理石の彫刻でずらっと並んでいる。
カエサルの彫刻は、ちょっと、という感じ。
トラヤヌスや、ハドリアヌスはよいが、なんといってもアウグストスの彫刻が美しい。

<アウグストスの肖像>(図録のネット画像)

この章には、今回の見どころの1つ、<コンスタンティヌス帝の巨像>も原寸大複製で展示されている。
コンスタンティヌスは、後期の皇帝だが、313年キリスト教を公認したことで有名だ。

帝国の栄華を象徴する、《コンスタンティヌス帝の巨像》の一部を原寸大複製で展示します。頭部だけで高さ約1.8メートルのスケールをもつ巨像は、カピトリーノ美術館誕生のきっかけにもなった重要な彫像の一つです。
本展では、巨像の頭部、左足、左手、さらにルーヴル美術館で近年発見された人差し指の複製をあわせて展示します。

―サイトより

文章で読んだだけだとピンとこなかったが、実際に見るとかなりの迫力。
私は行かなかったが、「東福寺展」の巨大な仏手を思い出す方もいらっしゃるかも。

<コンスタンティヌス帝の巨像>頭と足


<コンスタンティヌス帝の巨像>手


1Fに上がると、すぐに、今回1番の呼び物<カピトリーノのヴィーナス>が展示されている。

古代ギリシャの偉大な彫刻家プラクシテレスの女神像(前4世紀)に基づく2世紀の作品。ヴィーナス像に典型的な恥じらいのポーズをとる。ミロのヴィーナス(ルーヴル美術館)、メディチのヴィーナス(ウフィッツイ美術館)に並ぶ古代ヴィーナス像の傑作として知られています。
カピトリーノ美術館以外では滅多に見ることができない門外不出の作品です。
※東京展のみ展示

サイトより


<カピトリーノのヴィーナス>

美しいし、裏にも回ってゆっくり鑑賞できるのでありがたい。

というところで時間切れなので、続きは次回。

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