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「正しく知る」事の大切さを改めて

昨日「まちづくりライブ」なるトークイベントを観に行ってきました。

私はこのようなイベントに足を運ぶことはあまり無いのですが、そのトークテーマに興味を持ったのでちょっと覗きに行く、という感じでの参加でした。

先日もまた「夫からDVによって妻が亡くなる」事件や「児童相談所から引き取った我が子を虐待死させた母親」のニュースが報じられました。

このような虐待やDVによる悲しい事件を減らすためには、地域連携も必要だろうと常々思っていたところで今回のトークテーマが「地域共生と連携」だったため、どのような取り組みがなされているのかと思った次第です。

子供からお年寄りまで何の不安もなく生き生きと過ごせる社会を目指す、そのために出来る事として4人の登壇者がそれぞれの活動を話すというモノで、それぞれが各々の立場から「必要で大切なこと」が語られました。

ですがその中で、明らかな間違いではないものの、概ね間違った発言があったため、少しここで語ろうと思います
※だいぶ長くなると思いますし、話が飛ぶこともあると思いますがご容赦を

ある登壇者が「アダルトチルドレン」というキーワードから「機能不全家族」について少し触れました。
話の流れは大まかに以下のような感じ。

・アダルトチルドレンとは機能不全家族の中で育ってしまう←これは正しい
・機能不全家族とは家族での会話が少なく、事務連絡的なモノで終わってしまう←これもまぁ正しい
・家族団らんで食卓を囲みながら、その日にあったことを子供が親に話すなどのコミュニケーション環境が整わない←これもまぁ正しい
・そこで子供は自分が言いたいことを言えず我慢するようになってしまう←これは正しい

そこでこの登壇者は「共働き家庭がその土台になっているのではないか?」と発言されたのですが、これは大きな間違いです。
これでは共働き家庭の全てが機能不全家庭となってしまう、と理解されてしまいかねません。

何しろ登壇者の発言時間が各々10分程度と決められていたようで、その時間でこれらの話を詳しく伝えるのは不可能だと思いますし、この登壇者には他の意図もあったのではないかと想像もしましたが、このような方々は講演会などの実績もあるはずなので10分であろうと「情報を正しく伝える」スキルは持っていると考えます。
そのような方にこのような発言をされてしまうと、アダルトチルドレンや機能不全家庭が誤った形で伝わってしまうことを私は危惧しています。

機能不全家庭とはそこに「アダルトチルドレン↔機能不全家庭↔毒親」という相関関係があり、それが世代間連鎖してしまうことによって出来上がります。

仮に共働き家庭が機能不全家庭の土台となっているとするならば、それよりもさらに子供とのコミュニケーション時間が減ってしまうシングルマザーやシングルファーザーといった「ひとり親家庭」はもっと機能不全に陥ってしまうことになります。

私がアダルトチルドレンに特化したカウンセリングを行なう中では、ひとり親家庭であろうが共働きであろうが、専業主婦(主夫)の家庭であろうが、機能不全に陥る家庭もあれば、そうでない家庭もあることが分かっています。

つまりひとり親であろうと共働きであろうと親がアダルトチルドレンでなければその家庭は機能不全にならないし、両親のどちらか、或いは双方がアダルトチルドレンであればその家庭は「機能不全家庭」となってしまいがちということになります。
(アダルトチルドレンはそのパートナーにアダルトチルドレンを選びがちな傾向があることから、両親共に問題を抱えていることが多いです)

少なくとも私が知る共働き家庭の友人や知人が育んでいる家庭はとても理想的な子育てが出来ており、子供たちも生き生きと成長しています。

何でこのようなことが起こるのかと言えば、これは私がいつも伝えている通り「アダルトチルドレン」が世間的に知られていない、その言葉は知っていても間違った解釈をされている人も多いことに起因しています。

最近では「毒親」とか「親ガチャ」といった言葉は世の中に出て来ていますが、それらが独り歩きしている感もあってやはり正しく知られていないと感じる時もあります。

昨日のトークライブでは「アダルトチルドレン・機能不全家族・虐待・きょうだい・ヤングケアラー」というキーワードが登壇者それぞれの発言の中に出て来ました。

「きょうだい(きょうだい児)」や「ヤングケアラー」はそれぞれアダルトチルドレンの形態であり、アダルトチルドレンを生み出す「機能不全家庭」の中で「虐待」が行なわれていて、そこで新たな「アダルトチルドレン」が育っていきます。

つまり「機能不全家庭の連鎖=虐待の連鎖」となっていることをしっかりと知ることが大切になります。
そしてこれらはそれぞれ個別に扱う問題ではなく、一つながりのモノとして対策を考える必要もあります。

私は「アダルトチルドレン」を正しく知ってもらいたいとこの30年間、ホームページ等で情報発信をし続けていますし、カウンセラーとして仕事を始めてからは講座などでもお伝えする活動をしています。

ですが個人での活動であるため、なかなか世間的に認知されるというところまでは難しいというのが実情です。

またこれは私の悪い所でもあるのでしょうが、そこまで知名度とかいうモノに執着がないので精力的に活動をする、というところまでは達していないという部分もあります。
(これは大昔、一時的に知名度が一気に上がったことがあったのですが、そこでかなり大変な経験をした、ということもあります)

そこに今回のような知名度が高く影響力がある方にこのような誤った発言をされてしまうと、一介のカウンセラーが言うことなど簡単に消し飛んでしまいます。
それほどの影響力があることを自覚されている、されていないに関わらず、そういう方には正しい知識を学んでいただいた上で発言して欲しい、と切に願います。

冒頭のニュースのような虐待やDVを少しでも減らすためには、児相や警察、行政といった方々だけでなく地域での連携も必要と常々考えています。

そこでこのような取り組みがされているのはとても大切であり、意義があることだと思います。
今後は上記のような問題も検討課題として取り組んでいただけたら嬉しいな、とも感じました。

…何だかエラそうな物言いになってしまった…

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