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その笑顔の裏に…

最近よく「笑顔うつ」という言葉を目にします。

笑顔うつとか微笑みうつと呼ばれているようですが、正式な病名ではありません。

「外見や社交性によっては微笑むことができるが、内心では抑うつ症状を抱える」状態の人をこのように言うようですが、この点でいうと私のところにカウンセリングを受けに来られる方のほとんどはこの状態です。

特に初めて来られるお客様のほとんどは玄関を入って来られてからしばらく、ずっと笑顔です。
カウンセリングが始まってその方が抱えているお悩みや不安を聴いていきますが、自分のつらいこと、苦しいこと、悩んでいることを話している最中も「笑顔」です。

ただ中には、カウンセリングを始める前に私からカウンセリングの進め方など少しお伝えする際「どんなことでも話して頂いて大丈夫ですよ、我慢はしないで下さいね」と言った途端、目に涙を貯められる方、我慢出来ずに涙を流す方も居ます。

ここで初めて自分がこれまで「我慢」を重ねてきたことを自覚される方も居るのですが、ひとしきり自分の話を終えて一息ついた時、こちらから「自分にとってつらかったり苦しかったりする話をされているのに、笑いながら話している自分がいたことに気付いていますか?」と伝えた途端に一気に泣き出される方も居ます。

これは逆に言えばそれまでは自分が「我慢」していることに気付けず、ずっと笑顔で居たことがストレスとなっていて、それが重なってうつ状態になってしまっている、ということになります。

そうなってしまう要因として一般的には以下のようなことが挙げられます。
・職場・学校・家庭などでの対人関係
・本人の性格や気質、行動パターン
・役割の喪失
・親しい人との喪失体験
・病などの慢性疾患
・社会的風潮
・環境の変化
・ホルモンバランス
・育った環境

例えば日中、学校や職場などでは明るく周囲の人たちと接しているけれど、帰宅した途端に力が抜けてしまい、食事とか家事とか、帰宅してすべきことが何も出来ない状態になってしまうほど疲れ切っているような方は要注意、と言われています。

上記のような要因ももちろんそうなのですが、もっと根本的な部分で言うとやはり、その人が自分の「感情」を分からないことに由来している、と私は考えています。

要因の一つに「育った環境」とありますが、まさにその環境下で自分の感情を伝えることを否定されたり怒られたりしていると、それは「していけないこと」と無意識が学んでしまい、自分の感情を表に出すことをしなくなってしまう一方で、それは周囲の人たちから怒られまい、嫌われまいとして相手に合わせて無理をしてしまうような生き方になってしまうことから、このような笑顔うつになってしまうのではないでしょうか?

笑う門には福来たる、という言葉があります。
これは「私は今とてもつらい、苦しい状況にいる。けどそんな状況を打ち破るためにも笑顔で居よう」というあくまでも前向きな精神状態姿勢でいる人を表している、と私は理解しています。

あなたのその笑顔は、ココロからの感情を表していますか?



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