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#ぼくらシリーズ

10/7 『ぼくらの第二次七日間戦争 グランド・フィナーレ!』を読んだ

おいおいおい……最後の最後に、めっちゃ面白かった。ここ数冊のお話は、正直なところ1冊のお話としちゃちょいと微妙だったりいまいち把握しづらかったりで、愛が無ければ楽しむのが難しいところが多かったんだけど、この最終巻、『ぼくら』シリーズ完結巻たるこの巻は、すごい楽しめた。グランド・フィナーレという仰々しいタイトルほどには大きな騒動もなく、英治の今までの経歴を考えれば日常の一コマていどだったと言えなくもないんだけど、だからこそ逆にフィナーレを飾るに相応しい、そう思えた。読み終えた後

9/6 『ぼくらの第二次七日間戦争 再生教師』を読んだ

前巻で行方不明になったままその後が描かれなかった女子生徒が、その後無事救出されていたことが判明した。よかった。前巻のうちに判明してくれてれば尚よかったが。 そして今回はひとみの勤める中学校で、黒板にマザーグースの詩が書かれるという怪事件が起こったところから始まる。ひとみの中学校といえばオメガ事件が記憶に新しいが、今巻ではオの字も出てこなかった。あれから推定2~3年は経っているはずだから、事件を知る生徒もいなくなって、自然消滅したのだろうか。 序盤は最近の子どもたちの倫理観や死

8/11 『ぼくらの第二次七日間戦争 援交をぶっとばせ!』を読んだ

徳間文庫の『ぼくら』シリーズ第2シーズン、あるいは現時点での『ぼくら』最後のシーズン。いよいよ最後の『ぼくら』の夏だ。前作の終わりが衝撃的だっただけに、期待と不安が入り交じる。 英治たちは30歳の節目を迎えている。前シーズンからは数年が経過してることになるか。魔女軍団たちとはどうなったのか……結局あの学園は魔女たちが支配したのか。ポジティブに考えるとするなら、思想強めだが彼女らの教育方針もひとつのやり方だということで、よろしくやっていくことになったって感じなのかな。キノコも合

7/18 『ぼくらの魔女教師』を読んだ

今度の学校は伝統あるお嬢様学校、相手は学校を牛耳る「魔女」と呼ばれる教師とその配下たる「魔女軍団」総勢50名……と、このシリーズで一番おもしろそうなあらすじ。では、あったんだが……中盤まではなかなかスリリングでよかったけど、終盤にさしかかると勢いは増すもののちょっとスリリングの性質が変わってきて、そして最後にはギョッとしたまま飛び抜けていってしまった。クスリとアヤしいキノコと苛烈な男性嫌悪思想で教師や生徒を支配下に置いているかに思われていた教頭が、実際はクスリもキノコもハッタ

6/11 『ぼくらの失格教師』を読んだ

タイトルにもあるとおり、今回は問題あるのは主に教師たちで、生徒らと英治はおおむね良好な関係を築けている。不良も少ない。ろくでもない教師たちを相手取るという意味で、原点回帰といった趣がある。前2作がちょっと突飛に過ぎ、あまりいい評価を得られなかったのだろうか……とか勘繰っちゃう。英治の選んだ道として結構いいと思うんだけどな、悪魔教師。 戦う相手が怠慢な教師たちだけで、スケールは小さいのだが、そのクズ教師の描き方にはわりと新しさがあったように思う。ふてぶてしいというか何というか…

5/12 『ぼくらの特命教師』を読んだ

前作での描写から、英治の年齢は30代半ばから後半くらいか、とあたりをつけていたが、今回、終盤でぼくらメンバーが一部集結したときに柿沼が三浪の末に医大合格し、まだ在学中という情報が出たことで、最大でも27くらいということが明らかになった。思ったより若かった……英治も、ある程度普通の教師経験を積んでから悪魔教師にクラスチェンジしたと思ってたが、わりとすぐ悪魔道に邁進してたんだな。まっとうな教師としての道はひとみに譲り、自身は邪道を突き詰めてゆくと考えれば、ある意味いいチームワーク

4/2 『ぼくらの悪魔教師』を読んだ

新学期も始まったことだし、10ヶ月ほど空けていた「月1ぼくら」の催しを再開。いよいよ初めて読む徳間文庫の『ぼくら』だ。これまでの角川文庫で出ていたものは、忘れていたところも多々あったけど概ねかつて読んだことのあるものだったが、これ以後の徳間文庫から出ている7冊は未体験の領域。この7冊を読んでしまえばいよいよ本当に『ぼくら』が終わってしまう、英治たちとお別れしてしまうと思うと、わりとマジで胸がざわざわとしてきてしまう。いやまあ、現在でも角川つばさ文庫から中学時代の新作書き下ろし

9/3 宗田理『ぼくらの『第九』殺人事件』を読んだ

面白かった。 ひとみが通ってるミッションスクールで「セブンシスターズ」なるグループを作っていたことが発覚。教師相手にいたずらを仕掛けたりして、学内じゃそこそこ有名になってたらしい。ほんとこのヒロイン…… ひとみってぼくらメンバーのなかでも一番の美少女って言われて、今巻でも天野に「近頃はいちだんと美しくなったな」とか言われたりしてるんだけど、のわりには、英治以外の誰もひとみに想いを抱いてるとかいったような描写がなかった気がする。マドンナ的存在でありながら、マドンナではない。

8/9 宗田理『ぼくらのミステリー列車』を読んだ

面白かった。 前作『ぼくらのメリークリスマス』から半年以上も時間が経過していて驚く。だいたい1学期、2学期、3学期にそれぞれ1作というペースではなかったか。しかしその分ぼくらの面々にも変化が見られたようで、カッキーと佐織がくっつき、安永と久美子は卒業後に結婚のハラを決め、純子は英治とひとみの仲を応援しつつも新たな恋敵の登場に胸を躍らせたりするなんか羽川翼みたいなポジションに立ってるし、宇野は背が伸びていた。そんな中で英治とひとみの間柄には進展が見られないのは、長期シリーズ主

1/8 宗田理『ぼくんちの戦争ごっこ』を読んだ

面白かった。 『ぼくら』シリーズの外伝的作品。自分の中学受験に失敗したことからきっかけに……実のところはそれ以前からじくじくと……悪くなっていく両親の関係に、どこか冷めた視点から見つつ、しかし同時にスリルめいた不穏な興奮も感じ始める「ぼく」こと光。『ぼくらのマル秘学園祭』じゃ、ぼくらのおかげで夫婦問題が片付きました、みたいな態度取ってたけど全然違ってたぞ。かなりお前主導じゃねえか。しかも激しい口論の末に一度は収まりかけたのを「プロレスデスマッチさせたい。もうチケット売って観

5/9 宗田理『ぼくらの修学旅行』を読んだ

来年、『ぼくらの七日間戦争』がアニメ化するというニュースを見てアガってきたので、立ち止まっていたシリーズ再読を再開した。ぼくらシリーズ第7作。角川文庫版。相変わらず面白い。そして宗田理先生、今年で90歳だと……。 しかし一つだけ、時代を感じさせるというべきか、今となっては見逃せなくなっている箇所が。子どもたちがホモいじりをする場面があったのだった。直接言うわけではないが、教師の誰々はホモであると噂して、わいわいはしゃぐシーン。まあ……なんていうか、この年ごろの子どもたちなら